画像から正解を導き出すAIの魔法!U-netとスキップ接続の秘密
こんにちは。ゆうせいです。
みなさんは、写真の中に写っている特定の物体だけを、まるでハサミで切り抜くように判別するAIを見たことがありませんか。例えば、医療現場でレントゲン写真から病変だけを見つけ出したり、自動運転車が道路と歩行者を瞬時に見分けたりする技術です。
こうした魔法のような仕組みを支えている代表的な技術が、U-netと呼ばれています。名前の通り、構造を横から見るとアルファベットのUの字に見えるのが特徴です。今回は、AIの研修講師である私が、このU-netの仕組みを世界一わかりやすく解説します。準備はいいですか。それでは、深層学習の深淵を覗いてみましょう!
U-netの土台となるオートエンコーダとは
U-netを理解するために、まずはオートエンコーダという概念を知る必要があります。
これは、情報をギュッと凝縮して、再び元の姿に戻すという二段構えのネットワークです。
情報を絞り込むエンコーダ
まずは、入力された画像をどんどん小さく、細かく分析していきます。この工程をエンコーダと呼びます。例えるなら、長編小説を読み込んで、その要約文を作るような作業です。余計な情報を削ぎ落とし、その画像の本質が何なのかという特徴だけを抽出します。
情報を復元するデコーダ
次に、要約された情報をもとに、元の画像のサイズまで復元していく工程をデコーダと呼びます。要約文から元の小説を書き直すようなイメージです。しかし、一度要約してしまった情報は、どうしても細かい部分が欠け落ちてしまいます。
ここで皆さんに質問です。
あらすじだけを読んで、登場人物の服の模様や、背景に咲いていた花の色まで正確に再現できるでしょうか。難しいですよね。
魔法の架け橋!スキップ接続の衝撃
情報の欠落という問題を解決するために登場するのが、U-netの真骨頂であるスキップ接続です。
デコーダが画像を復元しようとする際、エンコーダ側で保存しておいた新鮮な情報を、直接デコーダ側に渡してあげる仕組みを指します。いわば、答えの一部を横からこっそりカンニングさせてあげるようなものです!
これにより、画像の大まかな形だけでなく、境界線の細かいディテールまで鮮明に再現できるようになります。
数式で見るU-netの効率性
U-netにおける計算の考え方を、少しだけ数式で覗いてみましょう。
例えば、ある層の入力データを とし、処理を施す関数を
とします。スキップ接続がない場合、出力は単純に
となります。
しかし、スキップ接続を取り入れると、元の情報を足し合わせることになります。
この というたった一つの工夫が、AIの学習効率を劇的に高めるのです。
U-netを利用するメリットとデメリット
この画期的な構造には、どのような特徴があるのでしょうか。整理してみましょう。
メリット
- 少ない学習データでも高い精度を発揮する
- 物体の境界線を非常に正確に捉えることができる
- 医療画像や衛星写真の解析など、精密さが求められる分野に強い
デメリット
- スキップ接続によってメモリの消費量が増える
- ネットワークが深くなると計算に時間がかかる
どんなに優れた技術でも、完璧ではありません。用途に合わせて使い分けることが大切です。
学習を深めるためのステップ
さて、U-netの世界はいかがでしたか。少し難しく感じたかもしれませんが、要約と復元、そしてカンニングというキーワードを覚えておけば大丈夫です。
これからさらに深く学びたい方は、以下のステップで進めてみてください。
- セグメンテーションという言葉を調べてみる
- 畳み込みニューラルネットワークの基礎を復習する
- Pythonを使って、実際にU-netのコードを動かしてみる
手を動かすことで、知識は本当の技術へと変わります。まずはライブラリを使って、簡単な画像解析に挑戦してみましょう!
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投稿者プロフィール
- 代表取締役
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。