初心者でも挫折しない!未来を予測するAIの心臓部「LSTM」をどこよりも優しく徹底解説
こんにちは。ゆうせいです。
あなたはスマートフォンの予測変換を使っていて、どうしてこんなに自分の言いたいことを分かってくれるんだろうと不思議に思ったことはありませんか?実は、その裏側ではAIが過去の流れをじっくりと記憶しながら、次にくる言葉を一生懸命に考えているのです。
今日は、そんな賢いAIの立役者であるLSTM(Long Short-Term Memory)についてお話しします。難しそうな名前ですが、仕組みを紐解けば、まるでお掃除の得意な記憶の管理人さんのような存在だと気づくはずです。
LSTMって何者?普通のAIとの違いを知ろう
まず、LSTMという言葉を直訳すると、長く続く短期的な記憶という意味になります。
これまでの一般的なAIは、直前のことしか覚えられない、いわば三歩歩くと忘れてしまうような極端に忘れっぽい性格でした。しかし、文章や株価の動きのように、ずっと前の出来事が今の結果に大きく影響するデータ(時系列データと呼びます)を扱うには、これでは不十分だったのです。
そこで登場したのがLSTMです。LSTMは、情報を捨てるか残すかを自分で判断するゲートという仕組みを持つことで、大切なことだけを長く覚えていられるようになりました。
あなたは一週間前の晩御飯を覚えていますか?もしそれがただの牛丼なら忘れているかもしれませんが、プロポーズの時のフレンチだったら一生忘れませんよね。LSTMはまさに、その情報の取捨選択を自動で行っているのです。
記憶を司る4つの管理人たち
LSTMの内部には、情報の流れをコントロールする4つの役割が存在します。これらを専門用語を使って解説していきますね。
1. 忘却ゲート:不要な思い出にさようなら
まず最初に働くのが忘却ゲートです。これは、過去の記憶の中から、もう必要なくなった情報をゴミ箱に捨てる役割を担っています。
例えば、小説を読んでいるシーンを想像してください。新しい章に入って主人公が変わったとき、前の章の細かい設定は一度整理して、頭を切り替える必要がありますよね。
この捨てるか残すかの判断には、シグモイド関数という計算式が使われます。この数式の結果が に近ければ「忘れる」、
に近ければ「完璧に覚える」という命令になります。
2. 入力ゲート:新しい情報を仕入れる
次に動くのが入力ゲートです。ここでは、新しく入ってきた情報のうち、どれを新しく記憶として保存するかを決定します。
すべての情報を受け入れてしまうと、脳みそがパンクしてしまいます。だからこそ、今この瞬間に何が重要なのかを、玄関でしっかりと見極める必要があるのです。
3. 更新記憶セル:記憶のノートを書き換える
ここでようやく、実際の記憶そのものが更新されます。この記憶を保管している場所を、専門用語でセル(またはセル状態)と呼びます。
忘却ゲートで古い記憶を削り、入力ゲートで選ばれた新しい情報を足し合わせることで、最新の記憶ノートが完成します。
計算式で表すと、新しい記憶 = 古い記憶
忘却ゲートの判断
新しい情報
入力ゲートの判断
という形になります。
4. 出力ゲート:今必要なことだけを口に出す
最後に働くのが出力ゲートです。更新された最新の記憶の中から、今の予測に本当に必要な部分だけを選び出し、次のステップへ受け渡します。
たくさん勉強した知識の中から、テストに出る部分だけを思い出して解答用紙に書くようなイメージですね。
LSTMを使うメリットとデメリット
ここで、LSTMを採用することで得られる良い点と、少し困ってしまう点について整理してみましょう。
メリット
- 長い文脈を理解できる:数ページ前の伏線を回収するような、長いスパンのデータを扱えます。
- 勾配消失問題の解決:専門的な話になりますが、従来のAIでは学習が途中で止まってしまう弱点(勾配消失)がありました。LSTMはこの問題を、記憶を直接運ぶレーンを作ることで見事に克服しました。
デメリット
- 計算が重い:仕組みが複雑な分、計算に時間がかかります。最新のAIモデルに比べると、処理スピードがネックになる場合があります。
- パラメータが多い:調整しなければならないネジの数が多いため、使いこなすには少しコツが必要です。
LSTMを学ぶためのロードマップ
さて、ここまで読んでくださったあなたは、すでにAIの記憶の仕組みについて大きな一歩を踏み出しています。さらに深く理解するために、次のようなステップで学習を進めてみるのはいかがでしょうか。
- RNN(リカレントニューラルネットワーク)を調べる:LSTMの先祖にあたる、よりシンプルな構造を学んでみてください。
- 活性化関数を理解する:文中に出てきたシグモイド関数やtanh関数が、具体的にどんなグラフを描くのか確認してみましょう。
- GRUに触れてみる:LSTMをよりシンプルに改良したモデルです。違いを比較すると面白いですよ。
AIの世界は日進月歩ですが、この記憶の仕組みを理解しておけば、どんな新しい技術が出てきても怖くありません!
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投稿者プロフィール
- 代表取締役
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。