前回のGPT-1からさらにパワーアップした、GPT-2の世界へようこそ!

こんにちは。ゆうせいです。

前回の記事では、AIが言葉を予測する言語モデルの基礎をお話ししましたね。今回ご紹介するGPT-2は、その兄貴分であるGPT-1を「そのまま巨大化」させたようなモデルです。

しかし、ただ大きくなっただけではありません。この進化によって、AIはついに「教えられていないことまで勝手にこなし始める」という、魔法のような力を手に入れました。一体どんな進化を遂げたのか、一緒に見ていきましょう!


圧倒的なボリュームアップ!10倍の衝撃

GPT-2を語る上で外せないのが、その規模の大きさです。

前作のGPT-1に比べて、学習に使ったデータの量も、脳の細胞にあたるパラメーターの数も、なんと 10 倍以上に増えました。

  • パラメーター数:約 117,000,000 個から約 1,500,000,000 個へ
  • 学習データ:本 7,000 冊分から、インターネット上の膨大な記事 8,000,000 ページ分へ

例えるなら、近所の図書館で勉強していた秀才が、突然「世界中のウェブサイトをすべて記憶した超天才」にアップデートされたようなものです。この圧倒的な知識量の増加こそが、GPT-2の驚異的な能力の源となりました。


究極の応用力、Zero-shot Learning

GPT-2の最も衝撃的な特徴は、Zero-shot Learning(ゼロショット・ラーニング)という能力です。

前回のGPT-1では、特定の仕事(翻訳や要約など)をさせるために、最後に少しだけ「追加の練習(ファインチューニング)」が必要でした。しかし、GPT-2は違います。追加の練習を一切せずに、いきなり難問を解き始めたのです!

Zero-shotとは、つまり「練習 0 回」という意味です。

これをスポーツに例えるとこうなります。

  • 普通のAI:サッカーのルールを教え込み、何度も練習させてようやく試合に出る。
  • Zero-shotができるAI:サッカーの試合を外から眺めていただけなのに、いきなりフィールドに立って完璧なシュートを決める。

「次に来る言葉を予想する」という基本を極め続けた結果、AIは「翻訳の次には翻訳された言葉が来るはずだ」「質問の次には答えが来るはずだ」という、世界のルールそのものを理解してしまったのです!


GPT-2の光と影:賢すぎたゆえの懸念

GPT-2はあまりにも自然な文章を書くことができたため、リリース当時は「危険すぎる」として全データがすぐには公開されないという異例の事態になりました。

メリット

  • 汎用性の爆発:追加学習なしで、翻訳、要約、回答など、あらゆる文章作成に対応できます。
  • 一貫性の向上:GPT-1よりもずっと長い文章を、矛盾なく書き続けることができるようになりました。

デメリット

  • フェイクニュースの懸念:人間と見分けがつかないほど巧妙な嘘のニュースを、大量に作り出すことができてしまいます。
  • 偏見の吸収:インターネット上の偏った意見や差別的な表現まで学習してしまい、それをそのまま出力してしまうリスクがあります。

進化した計算の舞台裏

GPT-2が言葉を処理する際、文脈をどれくらい広く捉えられるかを示す「コンテキストウィンドウ」も進化しました。

処理できる長さ = 1024 トークン

前作の 512 トークンから 2 倍に広がったことで、より長い物語の伏線を回収したり、複雑な指示を理解したりすることが可能になりました。

数式的に表現すると、単語ごとの重要度を決める計算式において、考慮できる範囲が

512 \rightarrow 1024

へと拡大したことになります。これにより、文章の最初の方に書いた内容を、最後の方まで忘れずに反映できるようになったのです!


学びを深めるための次のステップ

GPT-2の登場により、AIは「特定の目的のために作るもの」から「何にでも使える万能な道具」へと姿を変えました。

みなさんが次にステップアップするための指針を提案します!

  • 「指示の出し方(プロンプト)」で、AIの役割がどう変わるか実験してみる。
  • 「ハルシネーション(もっともらしい嘘)」という言葉を調べて、AIの限界を知る。
  • さらに 100 倍以上巨大化した次世代、GPT-3がどんな「奇跡」を起こしたのか調べてみる。

GPT-2が切り拓いた「汎用AI」への道は、このあとさらに驚くべき方向へと進んでいきます。

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。