AIが賢くなる秘密の鍵!勾配策定定理を世界一わかりやすく解説

こんにちは。ゆうせいです。

最近、AIがチェスで人間に勝ったり、複雑な絵を描いたりするニュースをよく耳にしますよね。どうやってAIは「正解」を見つけているのでしょうか?

その核心にあるのが「勾配策定定理(こうばいさくていていり)」、英語では Policy Gradient Theorem(ポリシー・グラディエント・セオリー)と呼ばれる理論です。名前は難しそうですが、実は私たちが日常で行っている「反省と改善」を数学にしたものなんです。

AIの「性格」を決める Policy とは?

まず、AI(エージェント)がどう行動するかを決める「ルールブック」のことを専門用語で Policy(方策)と呼びます。

例えば、迷路で右に行くか左に行くか、その確率を決めているのがこの Policy です。高校生の方なら、テストで「わからなかったら3番に丸をつける」という自分なりの作戦を持っているかもしれません。それも立派な Policy ですね。

AIはこの Policy をどんどん書き換えて、より良い結果(報酬)が得られるように成長していきます。

勾配策定定理の役割

では、どうやって Policy を書き換えればいいのでしょうか?適当に変えても上手くいきませんよね。

ここで登場するのが勾配策定定理です。この定理は「報酬を最大にするためには、Policy をどの方向に、どれくらい修正すればよいか」を計算で導き出すための指針になります。

数学的には、報酬の期待値 J をパラメータ \theta で微分することで、その「勾配(坂道の向き)」を求めます。

\nabla_{\theta} J(\theta) = E [ \nabla_{\theta} \log \pi_{\theta}(a|s) Q(s, a) ]

この式は一見複雑ですが、中身はとてもシンプルです。

「良い結果( Q )につながった行動( a )の確率( \pi )を、もっと上げよう!」と言っているだけなんです。

重要な専門用語をマスターしよう

この定理を支える2つの柱について、身近な例えで解説しますね。

1. 期待値(Expected Value)

期待値とは、何度も繰り返したときに平均してどれくらいの報酬が得られるか、という「見込み」のことです。

お祭りのくじ引きで、1等が出る確率と金額を掛け合わせて計算する「平均的にもらえる金額」をイメージしてください。AIはこの期待値を最大にすることを目指します。

2. 勾配(Gradient)

勾配とは、関数の値が最も急激に増える「方向」のことです。

霧の中、山の頂上を目指している自分を想像してください。足元の地面の傾き(勾配)を感じて、より高い方へ一歩踏み出しますよね。この「どっちが高いか」を教えてくれるのが勾配です。

勾配策定定理のメリットとデメリット

この手法は非常に強力ですが、完璧というわけではありません。

項目内容
メリット複雑な計算が必要な場面でも、シミュレーション(試行錯誤)の結果から直接学習できる。
デメリット学習が不安定になりやすく、同じことをしても結果がバラつく「分散」が大きくなりやすい。

今後の学習の指針

勾配策定定理は、強化学習という分野の大きな扉です。ここから先、もっと詳しくなりたい方は以下のステップを進んでみてください。

  1. 基本的な強化学習の仕組み(報酬と罰)について学ぶ
  2. 「REINFORCEアルゴリズム」という、この定理を使った一番シンプルな手法を調べてみる
  3. 実際にAIがゲームを攻略する動画などを見て、学習の様子を観察する

AIが「次はこうしよう!」と自ら学習していく姿は、まるで生き物を見ているようで感動しますよ。

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。