iDeCoプラスって何?中小企業の福利厚生を劇的に変える新制度を徹底解説
こんにちは。ゆうせいです。
企業の研修講師として登壇しているみなさん。受講生から、会社で導入している福利厚生について質問攻めにあった経験はありませんか。特に最近、中小企業の経営者や人事担当者の間で注目を集めているのが、iDeCoプラスという制度です。
もし受講生に、iDeCoプラスって普通のiDeCoと何が違うんですか?と聞かれたら、みなさんは自信を持って答えられますか。
今回は、研修の現場でもそのまま使えるように、この制度の仕組みを日本一わかりやすく紐解いていきます。
iDeCoプラスの正体は会社からの応援金
iDeCoプラスの正式名称は、中小事業主掛金納付制度といいます。
簡単に言うと、従業員が自分自身の老後のために積み立てているiDeCoの掛金に対して、会社が、よく頑張っているね!と応援資金を上乗せして出してくれる制度のことです。
みなさんは、お祭りの寄付などで、誰かが出した金額に対して周りが少しずつお金を添えていく光景を見たことはありませんか。iDeCoプラスはまさにそのイメージです。
ここで重要な専門用語を解説します。
中小事業主掛金
これは、会社が従業員のiDeCo口座に振り込む追加の掛金のことです。
例えるなら、自分でお弁当を作ってきた人に対して、会社が、おかずをもう一品サービスするよ!と唐揚げをプレゼントしてくれるようなものです。自分のお金だけでなく会社のお金も加わることで、将来の貯金がより速いスピードで増えていく仕組みですね。
拠出
拠出とは、特定の目的のためにお金を出し合うことを指します。
高校の文化祭でクラス全員が出し合って模擬店の材料費を払う場面を想像してください。この、お金を出すという行為自体を、金融の世界では拠出と呼びます。
数式で見るiDeCoプラスの仕組み
iDeCoプラスで積み立てられる合計金額を数式にしてみましょう。
毎月の積立合計額 = 従業員が自分で出す掛金 会社が出してくれる中小事業主掛金
この合計額にはルールがあります。
合計額の上限 = 円
つまり、従業員の拠出額と会社の拠出額を足して、毎月 円を超えない範囲で設定する必要があります。さらに、会社が勝手にお金を出すわけではなく、必ず従業員本人がiDeCoに加入していることが条件となります。
会社と従業員の双方にあるメリット
なぜ今、多くの企業がこの制度を取り入れようとしているのでしょうか。そこには大きな利点があるからです。
従業員側のメリット
何と言っても、自分のお金だけで貯めるよりも効率的に資産が形成できる点です。さらに、会社が負担してくれた掛金は給与として扱われないため、所得税や住民税がかかりません。
会社側のメリット
会社が支払った掛金は、全額を福利厚生費として損金に算入できます。つまり、会社の税金を減らす効果があるのです。また、退職金制度をゼロから作るよりもコストや事務負担が少なくて済むため、良い人材を確保したい中小企業にとって強力な武器になります。
覚えておくべきデメリットと注意点
良いことばかりに見えますが、研修で伝える際には注意点も併せて説明しなければなりません。
- 従業員がiDeCoに加入していないと利用できない
- 一度始めたら、会社の都合で勝手に拠出を止めることが難しい
- 従業員が
円拠出(自分でお金を出さない)をすることはできない
特に、従業員は最低でも 円は自分で出す必要があります。会社だけが全額負担するという使い方はできないので注意してくださいね!
制度を導入できる企業の条件
この制度、実はどこの会社でも使えるわけではありません。以下の条件をチェックしてみましょう。
- 従業員数が
人以下の企業であること
- 企業型確定拠出年金(企業型DC)を導入していないこと
- 労働組合や従業員代表の同意を得ていること
みなさんのクライアント企業は、この条件に当てはまっていますか。
仕組みがわかったところで、次は「どうやって始めるの?」という具体的なアクションについて解説します。研修の現場で経営者から「明日からできる?」と聞かれたら、みなさんはどう答えますか。
実は、iDeCoプラスを始めるには、会社と従業員がしっかり話し合ってルールを決めるプロセスが必要なんです。
一歩ずつ、その階段を登るように確認していきましょう。
導入までの5つのステップ
手続きの流れを整理すると、大きく分けて5つの段階があります。
- 従業員の同意を得る
- 実施ルール(労使合意)を決める
- 厚生労働省へ届け出る
- 国民年金基金連合会に書類を出す
- 毎月の掛金を納付する
学校の部活動で新しいルールを作るとき、みんなの賛成をもらってから顧問の先生に報告しますよね。それと同じで、会社も勝手に決めることはできない仕組みになっています。
専門用語で読み解く手続きの要
ここで、手続きに欠かせない重要な用語を紹介します。
労使合意
これは、会社側(使用者)と従業員側(労働者)が話し合って、「この条件でやりましょう」と約束を交わすことです。
高校の生徒会が、文化祭の予算配分について校長先生と交渉して合意する場面をイメージしてください。iDeCoプラスでは、従業員の過半数が加入している労働組合か、組合がない場合は従業員の代表者と書面で合意を結ぶ必要があります。
国民年金基金連合会
ここは、iDeCoの制度全体を管理している元締めの組織です。
例えるなら、全国のサッカー部を統括するサッカー協会のような存在です。会社がiDeCoプラスを始めるときは、この連合会に対して「うちの会社も参加します!」という登録申請を行うことになります。
掛金の計算ルールを確認しよう
手続きの中で最も重要なのが、会社がいくら出すかを決めることです。
中小事業主掛金 = 円から
円の範囲内
この金額は、従業員一人ひとりに自由に決めることはできません。職種や勤続年数などで一律のルールを作る必要があります。
例えば、以下のような数式で設定することが多いです。
毎月の会社負担額 = 一律 円
対象従業員の人数
このように、全員平等にするか、役職などで明確な基準を作ることが求められます。
手続きを進める上でのメリットと注意点
手続きのメリット
一度登録してしまえば、毎月の掛金は会社の銀行口座から自動で引き落とされるため、振込の手間はそれほどかかりません。
手続きのデメリット
最初に「労使合意書」を作成したり、対象となる従業員のiDeCo基礎年金番号を集めたりする準備に時間がかかります。
また、従業員がiDeCoを辞めたり、会社を退職したりした場合には、その都度、連合会への報告が必要になる点も忘れてはいけません。
今後の学習の指針
iDeCoプラスをより深く理解するためには、以下のステップで学習を進めるのがおすすめです。
- まずは、個人型確定拠出年金(iDeCo)の基本ルールを復習する
- 厚生労働省やiDeCo公式サイトにある「中小事業主掛金納付制度」のパンフレットを読み込む
- 企業型確定拠出年金(企業型DC)との違いを比較表にして整理してみる
制度の細かいルールは、法律の改正によって変わることもあります。常に最新の情報をチェックする癖をつけておきましょう。
受講生から、うちの会社でも導入してほしい!と言われたときに、メリットとデメリットをバランスよく語れる講師を目指してみませんか。
セイ・コンサルティング・グループでは新人エンジニア研修のアシスタント講師を募集しています。
投稿者プロフィール
- 代表取締役
-
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。
学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。