CRISP-DMの仕組みと名前の由来:データ分析プロジェクトの標準手順
こんにちは。ゆうせいです。
本日は、データ分析やAI開発のプロジェクトを円滑に進めるための進行手順であるCRISP-DM(クリスプ・ディーエム)について解説します。技術の名称を構成する単語を分解することで、どのような目的で作られた枠組みなのかを的確に把握できます。
CRISP-DMという名前の由来と構成要素
CRISP-DMは、Cross-Industry Standard Process for Data Miningの頭文字をとった名称です。英語の各単語が示す意味と役割を順番に説明します。
Cross-Industry(業界横断的な)
Cross-Industryは、特定の業種に依存しない性質を示しています。金融、医療、製造業、小売業など、どのような分野のデータ分析プロジェクトであっても共通して適用できる汎用性を持っています。
Standard Process(標準手順)
Standard Processは、プロジェクトを成功に導くための、確立された共通の進行手順を指します。開発者の勘や経験だけに頼るのではなく、誰が実施しても一定の品質を保つための道標として機能します。
Data Mining(データマイニング)
Data Miningは、大量のデータから有用な情報や規則性を発掘する作業のことです。CRISP-DMが提唱された時代はデータマイニングという言葉が主流でしたが、現代では機械学習やAI開発のプロジェクト全体の手順として読み替えることができます。
6つのフェーズと具体的な比喩
CRISP-DMは、プロジェクト全体を6つの段階(フェーズ)に分けて進行します。この手順は、文化祭で飲食の模擬店を出店する工程に例えることができます。
- ビジネスの理解:どのようなメニューが売れるか、何を目的とするかを考える段階です。
- データの理解:使える材料や予算、調理器具の性能を確認する段階です。
- データの準備:材料を洗い、必要な大きさに切り揃える段階です。
- モデリング:実際に調理を行い、試作品を完成させる段階です。
- 評価:試作品の味見をして、当初の目的に見合うメニューとして提供できるかを判断する段階です。
- 展開:完成したメニューを、当日にお客さまへ提供し、運用する段階です。
CRISP-DMの最大の特徴は、一方通行ではないという点です。味見の段階(評価)で問題があれば、材料の準備(データの準備)や調理(モデリング)の段階に戻るという反復作業を前提としています。
CRISP-DMを採用するメリットとデメリット
システム開発においてCRISP-DMを利用する際の利点と欠点を挙げます。
メリット
プロジェクトの進行状況と現在の立ち位置を、開発者だけでなく顧客や経営陣を含めた関係者全体で共有しやすくなります。また、データの準備不足や目的のズレといった、データ分析プロジェクトにおいて発生しやすい失敗を未然に防ぐ効果があります。
デメリット
すべての手順を厳密に守ろうとすると、各段階での確認作業に時間を要します。そのため、迅速に簡易的な試作品を作って検証を繰り返すような、極めて短い期間での開発手法を採用する場合においては、進行速度が低下する可能性があります。
今後の学習ステップ
CRISP-DMの手順を習得し、実際のプロジェクト管理に活用するためには、以下の順序で学習を進めることを推奨します。
- 6つの段階の把握:CRISP-DMを構成する各段階の名称と、それぞれの段階で達成すべき目標を専門書を用いて学習します。
- 成果物の定義:ビジネスの理解における企画書や、評価における精度報告書など、各段階で作成するべき資料やデータの仕様を定めます。
- 過去事例の分析:公開されているデータ分析の成功事例や失敗事例を読み解き、CRISP-DMのどの段階で問題が解決したのか、あるいは問題が発生したのかを分類します。
- 小規模プロジェクトでの実践:手元にある公開データを用いて、目的の決定から分析結果の共有までの一連の流れを、CRISP-DMの手順に沿って順番に実行します。
順を追って手順を実践することで、複雑なデータ分析プロジェクトを迷うことなく適切に進行する能力を身につけることができます。
投稿者プロフィール

- 代表取締役
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
海外放浪の末、2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。
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