MLOpsの仕組みと名前の由来:AI開発と運用を統合する管理手法

こんにちは。ゆうせいです。

本日は、機械学習を用いたシステムを実社会で継続的に稼働させるための手法であるMLOpsについて解説します。技術の名称を構成する単語を分解して紐解くことで、システム開発においてどのような役割を果たすのかを的確に把握できます。

MLOpsという名前の由来と構成要素

MLOpsは、Machine Learning(機械学習)とOperations(運用)という2つの単語を組み合わせた造語です。それぞれの単語が示す意味と技術的な役割を順番に説明します。

ML(Machine Learning:機械学習の開発)

MLは、データを用いてAIモデルを構築する開発の段階を指します。

開発の段階は、飲食店の料理長が厨房で新しいレシピを開発する工程に例えることができます。料理長は、様々な食材(データ)を組み合わせ、火加減(計算アルゴリズム)を調整しながら、最も美味しい料理(精度の高いAIモデル)の完成を目指します。完成したレシピは、あくまで実験室の中で成功した試作品という位置づけになります。

Ops(Operations:運用と監視)

Opsは、完成したAIモデルを実際のシステムに組み込み、利用者に提供し続ける運用と監視の段階を指します。

運用の段階は、完成したレシピを用いて実際の店舗を営業する工程に相当します。店舗の営業においては、毎日安定して同じ味を提供し続ける仕組みが必要です。また、季節の変化によって食材の質が変わったり、顧客の好みが変化したりした場合、当初のレシピでは満足度を維持できなくなります。

MLOpsは、レシピの開発(ML)と店舗の営業(Ops)を分断するのではなく、営業中の顧客の反応や食材の変化を即座に料理長へ報告し、レシピを継続的に改善して店舗へ反映させる一連の仕組みを指します。

MLOpsが解決する課題

機械学習モデルは、開発環境で高い精度を出していても、実運用を開始した後に精度劣化という現象を起こす傾向があります。精度劣化とは、現実世界のデータが時間経過とともに変化し、過去のデータで学習したモデルの予測が合わなくなる現象です。

MLOpsを導入することで、システムの入力データと出力結果を常に監視し、精度の低下を検知した際に、自動的に新しいデータを取り込んでモデルを再学習させる工程(継続的学習)を構築できます。

MLOpsを採用するメリットとデメリット

システム開発においてMLOpsの枠組みを導入する際の利点と欠点を挙げます。

メリット

手作業による再学習の手間を省き、AIモデルの性能低下を自動的に防ぐことができます。また、開発担当者と運用担当者の連携が仕組み化されるため、新しいAIモデルを市場に投入するまでの期間を短縮できます。

デメリット

機械学習に関する知識だけでなく、サーバー構築やプログラムの自動処理など、幅広い技術領域の知識が求められます。システムを自動で稼働させるための初期構築に多くの時間と費用がかかる傾向があります。

今後の学習ステップ

MLOpsの技術を習得し、システム開発に活用するためには、以下の順序で学習を進めることを推奨します。

  1. 機械学習のライフサイクルの把握:データの収集からモデルの学習、評価、システムへの展開に至るまでの一連の工程を専門書を用いて学習します。
  2. DevOpsの理解:MLOpsの基盤となっているソフトウェア開発手法であるDevOps(デブオプス)の概念と、プログラムの自動テストや自動展開の仕組みを学習します。
  3. モデルの展開の実行:手元で作成した小規模な機械学習モデルをクラウド環境に配置し、外部から予測結果を取得できる状態を構築します。
  4. 自動化パイプラインの構築:新しいデータが追加された際に、自動的にモデルの再学習と評価が行われ、基準を満たした場合のみ本番環境へ更新される仕組みを構築します。

順を追って実践を重ねることで、AIを単なる実験で終わらせず、実社会で継続的に価値を提供するシステムとして運用する能力を身につけることができます。

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
海外放浪の末、2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。