「バイアス」と「ハルシネーション」について

こんにちは。ゆうせいです。

今日は、生成AIについて特に重要な2つの特徴、「バイアス」と「ハルシネーション」についてお話しします。生成AIを活用する上で、この2つの概念を理解することはとても大切です。なぜなら、これらを知らずにAIを使うと、誤った情報に振り回されたり、不公平な判断を引き起こしてしまう可能性があるからです。

では、まずは「バイアス」から見ていきましょう!


バイアスとは?

バイアスは「偏り」のことです。生成AIは膨大なデータを学習して動作しますが、元となるデータに偏りが含まれていると、その偏りがAIの出力にも反映されることがあります。

例え話で考えてみよう

たとえば、「学校の人気者の特徴」を分析するとします。でも、そのデータがある特定のクラスだけを対象にしていたら、分析結果はそのクラス特有の傾向に偏る可能性がありますよね。他のクラスや学校では全然当てはまらないかもしれません。

生成AIも同じです。もし学習データが特定の国や文化、言語、社会的背景に偏っていた場合、AIの生成する文章や回答にもその偏りが現れます。これをAIのバイアスといいます。


バイアスの具体例

  1. 性別の偏り
    • 例えば「看護師」という職業に関する質問に対して、AIが自動的に女性をイメージした文章を生成する場合があります。
  2. 地域の偏り
    • アメリカのデータが多く使われている場合、他の地域に関する知識が欠けている可能性があります。

バイアスを減らすには?

  • 学習データの多様性を確保する。
  • 出力結果を確認し、人間が修正を加える。
  • 問題となりそうな偏りをあらかじめ把握しておく。

ハルシネーションとは?

次に「ハルシネーション」についてです。これは、AIが「自信満々にウソをつく」現象とよく言われます。

どんなことが起こるのか?

生成AIは、学習データに基づいてもっともらしい情報を生成します。でも、その情報が正確かどうかをAI自体は判断できません。その結果、存在しない情報をあたかも事実のように答えてしまうことがあります。これをハルシネーション(幻覚)と呼びます。


具体例を見てみましょう

  1. 架空の本や人物を作る
    • 「○○という本の著者は誰ですか?」と聞いたときに、その本が存在しない場合でも、AIが実在しそうな名前を作ってしまうことがあります。
  2. 間違った説明をする
    • 「地球に月は何個ありますか?」と聞いたら、「地球には3つの月があります」といった誤った回答をする場合もあります。

ハルシネーションを防ぐ方法

  • AIの生成結果を必ず検証する。
  • 専門家の監修を受ける。
  • AIに質問する際、具体的かつ検証可能な内容を求める。

バイアスとハルシネーションの違い

特徴バイアスハルシネーション
意味データの偏りによる影響存在しない情報を生成
原因学習データの不均一性や偏り学習データの欠如やAIの予測アルゴリズムの特性
防止策多様なデータを使用、人間の確認出力の検証、専門家の確認

これから何を意識すべきか?

生成AIを効果的に使うためには、この2つの特徴をしっかり意識する必要があります。AIが万能ではなく、誤った結果を出すことがあると理解することで、より適切に活用できます。

今後は、生成AIを試しながらバイアスやハルシネーションがどのように現れるのか観察してみましょう。また、AIに依存せず、必要に応じて人間の判断を加える練習をしてみてください!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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