「a」と「the」、無冠詞の使い分け

こんにちは。ゆうせいです。

英語の冠詞、「a」と「the」、そして無冠詞の使い分けについて説明しますね。冠詞は日本語にはない表現なので、なかなか難しいかもしれません。でも、少しずつ理解すると自然な英語が話せるようになりますよ!

それでは、まず「a」「the」「無冠詞」のそれぞれがどういった場面で使われるのかを見ていきましょう。


1. 不定冠詞「a」:新しいものや特定されていないもの

「a」は「ある~」や「1つの~」という意味を持っています。初めて登場するものや、話し手・聞き手がまだその物を特定していないときに使われます。例えば、「私は猫を飼っています」という文章を英語にすると、「I have a cat.」になります。この「a cat」は、具体的な猫の名前や特徴を知らない時に使われています。

使い方のポイント

  • 特定されていない名詞の前に使う。
  • 数えられる名詞の単数形と一緒に使う。

例文

  • I saw a dog in the park.(公園で1匹の犬を見ました)
  • She bought a book yesterday.(彼女は昨日本を1冊買いました)

最初の例で「a dog」と使っていますが、ここでは「どんな犬か」は特定していません。まだ話し手・聞き手にはどの犬なのか分からない状態です。


2. 定冠詞「the」:特定のものや以前に言及したもの

「the」は「その~」や「例の~」というニュアンスを持っています。話し手・聞き手の両方がどの物や人について話しているのか分かっている場合に使われます。例えば、さきほどの「a cat」の例の続きで「その猫は黒い」という文を言いたい場合、「The cat is black.」とします。この場合、「the cat」はすでに話題に出ている猫を指します。

使い方のポイント

  • すでに話題に出ているものや、どの物か特定できる場合に使う。
  • 名詞の単数形・複数形どちらでも使える。

例文

  • I saw a dog in the park. The dog was very friendly.(公園で1匹の犬を見ました。その犬はとても人懐っこかったです)
  • Please pass me the salt.(その塩を取ってください)

2つ目の例で「the salt」を使っていますが、食卓にある塩は1つしかないと仮定し、話し手と聞き手の間で「どの塩か」がわかっている場合です。


3. 無冠詞:一般的な概念や不可算名詞、複数形

無冠詞は、一般的な概念や不特定多数のものについて話すときに使われます。たとえば、「水は重要です」と言いたい場合、「Water is important.」となります。「水」という概念全体を指しているので、冠詞を付けません。また、複数形の名詞であっても特定されていない場合は無冠詞で使われます。

使い方のポイント

  • 数えられない名詞や概念を表すとき。
  • 特定されていない複数形の名詞の前。

例文

  • Water is essential for life.(水は生命に不可欠です)
  • Dogs are loyal animals.(犬は忠実な動物です)

ここでは、「水」や「犬」について一般的な情報を述べているので、冠詞を付けません。


比較まとめ表

用法冠詞例文
不特定のものa / anI saw a movie last night.
特定のものtheThe movie I saw last night was great.
一般概念無冠詞Music is powerful.
不特定多数無冠詞(複数形)Books are a source of knowledge.

使い分けのポイント

  • a は「まだ知られていないもの」に、「the」は「すでに話題に出たもの」や「特定のもの」に使う。
  • 無冠詞は「一般的な概念」や「特定されていない複数形」に使う。

冠詞の使い分けは英語学習者にとって少し難しく感じるかもしれませんが、これを意識するだけで表現がずっと自然に聞こえます。最初は少し戸惑うかもしれませんが、例文を多く読んだり、自分でも文章を作ったりして慣れていきましょう!

「a」「the」、無冠詞の使い分けには基本的なルールがありますが、いくつか例外も存在します。それぞれの冠詞の例外的な使い方について詳しく見ていきましょう。


1. 不定冠詞「a/an」の例外

(1) 職業や肩書の表現

職業や肩書を表す名詞の前では、「その人が何者であるか」を説明するために「a/an」を使います。ただし、このとき具体的な一つの物として捉えるわけではなく、職業や役割を表す抽象的なものとして「a/an」を使います。

  • She is a doctor.(彼女は医者です)
  • He became a teacher.(彼は教師になりました)

この場合、「the」ではなく「a」を使うことで、「医者という職業に就いている」「教師という職業に就いた」という一般的な情報を伝えます。

(2) 「one of」という意味で使う場合

「a/an」は「ある1つの」という意味を強調するときにも使われます。このときは、「1つの例を挙げている」ニュアンスで用いられます。

  • This is a kind of flower that grows in the desert.(これは砂漠に咲く花の一種です)
  • It’s a shame you couldn’t come.(君が来られなかったのは残念だね)

この場合、「ある種類の~」「1つの例」というニュアンスが含まれています。


2. 定冠詞「the」の例外

(1) 固有名詞の前で使わない場合

固有名詞(例えば人名や特定の都市名など)は普通は特定されていると考えられるので、「the」を使いません。ただし、特定の「唯一のもの」として意識される場合は、「the」を付けることがあります。

  • I visited the United Kingdom.(私はイギリスを訪れました)
  • The sun rises in the east.(太陽は東から昇ります)

ここで「the United Kingdom」のように国名に「the」を付ける場合は、国名が「連邦」や「王国」など複数地域を含むことを示す名称の時に限ります。また「太陽」も唯一のものであり、話し手・聞き手が共通の理解として持つものなので、「the」を付けて表します。

(2) 「the」が不要な慣用表現

「the」は通常使うべき場所でも、慣用表現では省略されることがあります。

  • at school(学校にいる)
  • go to bed(寝る)
  • by car(車で)

これらの表現は、「学校にいること」「寝ること」「車で移動すること」といった行動そのものが一般的な活動として認識されているため、特定の物ではないと考えられ「the」を使いません。

(3) 楽器の名前

楽器の名前の前には、「the」を付けて使いますが、英語の感覚としては「楽器演奏の技能」や「一般的な活動」として捉えられています。

  • She plays the piano.(彼女はピアノを弾きます)
  • He is good at the guitar.(彼はギターが得意です)

この場合、「the」は特定のピアノやギターを指しているわけではありませんが、楽器全般を指す表現として「the」が使われます。


3. 無冠詞の例外

(1) 抽象名詞や不可算名詞が特定される場合

通常、抽象名詞や不可算名詞は無冠詞で使いますが、特定のものや「例の~」と特別な文脈で示す場合には、「the」を使います。

  • Knowledge is power.(知識は力なり)
  • The knowledge he gained was invaluable.(彼が得た知識は非常に価値のあるものだった)

1つ目の文は知識全体を表しているので無冠詞ですが、2つ目は特定の知識について述べているので「the」が使われています。

(2) 地名や建物名

一般的には地名(都市名や国名)には無冠詞ですが、特定の地域や建物に関しては「the」が使われます。

  • The Amazon is a large rainforest.(アマゾンは広大な熱帯雨林です)
  • They live in the Netherlands.(彼らはオランダに住んでいます)

「Amazon」の場合は特定の地域であるため「the」を付けます。また、「Netherlands」も「低地地域」という意味があるため、集合体を指して「the」を使います。


まとめ:例外のポイント

  • 不定冠詞「a/an」:職業や肩書、特定の例を示すときに使う。
  • 定冠詞「the」:固有名詞、慣用表現、楽器名、普遍の事実に使う。
  • 無冠詞:抽象的な概念や不可算名詞、一般の地名に使うが、特定される場合には「the」が必要。

冠詞の使い方には細かな例外が多いですが、基本ルールを押さえた上で例外に慣れていくと、英語がより自然に使えるようになります。日常的に表現を覚えて、少しずつ使い方に慣れていきましょう!

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。