研修講師のファシリテーション能力とは?
こんにちは。ゆうせいです。
今回は「研修講師に求められるファシリテーション能力」についてお話ししていきます。研修講師は単に知識やスキルを教えるだけではなく、受講者が主体的に学びを深め、実際に職場で活用できるようサポートする役割があります。そのためには「ファシリテーション能力」が非常に重要です。では、具体的にどのような能力が必要なのでしょうか?
ファシリテーションとは何か?
まず、「ファシリテーション」という言葉について解説しましょう。ファシリテーションとは、グループが目標に向かって効果的に進むように支援するスキルや技術を指します。ファシリテーター(進行役)は、指導者や管理者というよりも、グループの一員として参加者同士の対話を促し、全員が意見を出しやすい環境を作ります。
例えば、グループディスカッションの場で発言が少ない人がいると、ファシリテーターはその人の意見を引き出すために質問を投げかけたり、場の雰囲気を和らげたりします。また、全員が同じ方向に向かうように、時には議論を整理し、流れを整える役割も担います。
研修講師に必要なファシリテーション能力とは?
研修講師が持つべきファシリテーション能力には、以下のようなものがあります。それぞれの能力がどのように役立つかも含めて詳しく解説します。
1. 雰囲気作りの力
研修の場は、参加者が学びやすく意見を交わしやすい環境であるべきです。緊張感が漂っていると、受講者が質問しづらかったり、アイデアが出にくかったりすることがあります。講師は、リラックスできる雰囲気を作り出すことで、受講者が自信を持って参加できるようサポートします。
具体的な例
最初に自己紹介やアイスブレイクを行い、受講者同士の距離を縮めることで、場の緊張をほぐすことができます。また、笑顔や穏やかな口調を意識するだけで、受講者もリラックスしやすくなります。
2. 効果的な質問力
ファシリテーションにおいて「質問」は非常に強力なツールです。質問を通して、受講者が自ら考え、理解を深めるきっかけを提供します。単に正解を教えるのではなく、思考を引き出すような問いかけが重要です。
具体的な例
「この知識を実務に活用するにはどうすればいいでしょう?」や「皆さんの職場ではどのような課題がありますか?」といった質問を投げかけることで、受講者は自分の経験と照らし合わせながら学べます。
3. 聞く力と観察力
ファシリテーターには「聞く力」と「観察力」も欠かせません。受講者が発言した内容に耳を傾け、さらにそこから読み取れる感情や意図を理解することが重要です。また、受講者の表情や態度を観察することで、理解度や関心度を把握し、必要に応じて進行を調整します。
具体的な例
発言の内容に頷きながら反応を示したり、相手の意図を確認するために「それはどういう意味ですか?」とフォローアップの質問をするなど、受講者の理解を深めることができます。
4. 柔軟な対応力
研修中は、予期せぬ質問や意見が飛び出すことも多いです。また、進行が遅れたり、逆に早すぎたりすることもあります。その際に柔軟に対応し、スムーズに研修を進める力が必要です。予想外の出来事にも動じず、計画を微調整できる講師は、受講者にとって安心感を与えます。
具体的な例
予定していた内容を省略する代わりに、受講者が興味を持っているテーマに時間を割いたり、質問が多ければ、全体の流れを変えて深堀りする時間を設けると良いでしょう。
5. 合意形成の技術
グループでの学びを効果的にするためには、参加者全員の合意が重要です。全員が同じ方向に向かって学びを進められるように、意見の違いを尊重しつつ、共通のゴールに導く技術が必要です。意見が対立した場合には、ファシリテーターが調整役を担い、双方の意見をすり合わせて合意点を見つけるようにします。
具体的な例
「Aさんの意見もBさんの意見も興味深いです。では、どうすれば両方を活かすことができるでしょう?」と問いかけ、解決策を一緒に考える姿勢を見せることが効果的です。
ファシリテーション能力を高めるメリット
研修講師がファシリテーション能力を高めると、受講者が主体的に学びに参加できるようになり、研修の効果が飛躍的に向上します。具体的なメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
- 理解度が向上する:質問や対話を通じて学びを深めるため、単なる知識のインプットだけでなく、実際に活用できるスキルが身につきます。
- 研修の満足度が上がる:受講者が自分の意見を出しやすい環境で、積極的に参加することで研修全体の満足度が向上します。
- 実践への応用が容易になる:自分で考え、納得した内容は実際の職場でも応用しやすく、持続的な効果が期待できます。
まとめと今後の学びの指針
研修講師にとってファシリテーション能力は、受講者の学びを深めるための重要なスキルです。場の雰囲気作りから効果的な質問、柔軟な対応まで、多岐にわたる技術が求められます。このスキルを磨くには、実践を通じてフィードバックを受けることが大切です。例えば、受講者の反応を観察し、どのような場面でどの技術が効果的であったかを振り返ると良いでしょう。
さらに、他のファシリテーターの研修を見学することで、新たな視点や技術を学ぶこともおすすめです。今後も経験を積みながら、ぜひファシリテーション能力を高めていってください!
投稿者プロフィール
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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