【新人エンジニア必見】よくあるGitエラーメッセージと対策方法10選
こんにちは。ゆうせいです。
新人エンジニアの方がGitを使い始める際に出会いやすいエラーメッセージと対処方法をランキング形式でまとめます。Visual Studio Codeの「Git Graph」拡張機能を利用している場合でも意外と起こりやすいトラブルを厳選しました。Git Graphはコミット履歴を視覚的に捉えやすい反面、操作の流れを間違えると混乱が生じることもあります。
10の代表的なエラーを理解して、実務や学習に役立ててみてくださいね。
よくあるエラーメッセージと対策方法
第1位:error: failed to push some refs to 'origin'
原因
リモートリポジトリのブランチとローカルリポジトリのブランチの履歴が衝突している場合によく見られるエラーです。Git Graph上ではリモート側とローカル側のグラフが分岐しており、コミットが一致していない状態が視覚的に示されているはずです。
対処法
- リモートの最新変更を取り込む
git pull
PullはFetch(取得)とMerge(結合)を組み合わせた操作です。式にすると- Pull = Fetch + Merge
- プル = 取得 + 結合
と書けます。
- 競合があれば解消してコミット
- プッシュを再実行
git push
例え話
クラスノートを友人と共有している場合に、友人が先に書き込んだ内容を自分の手元に反映しないまま自分の書き込みを上書きしようとすると不整合が起こる…そんなイメージです。
第2位:error: could not read from remote repository
原因
リモートリポジトリへのアクセス権限がない、リポジトリのURLが間違っているなどが考えられます。SSH認証キーやアクセストークンの設定ミスも該当します。
対処法
- GitHubやGitLabなどのリポジトリ設定を確認
- SSH鍵やアクセストークンが正しく設定されているかチェック
- リモートURLを誤っていないか確認
git remote -v
例え話
友人の家に遊びに行こうとしたら、そもそも住所が違うか鍵が合わない状態。正しい鍵と正しい場所を押さえていないと中に入れません。
第3位:fatal: Not a git repository (or any of the parent directories): .git
原因
.git
フォルダが存在しないディレクトリでGitコマンドを使おうとした場合に発生します。Git Graph上でもリポジトリを開こうとしたのに、Git管理外のフォルダを選択しているときに起こりがちです。
対処法
- リポジトリのルートディレクトリに移動して再度操作
- 新規でGit管理を始めるなら
git init
例え話
サッカーの試合を始めようとしているのに、試合会場(= .gitのある場所)ではなく関係ない場所にいるようなものです。まず会場に行かないとゲームは始まりません。
第4位:マージ競合(Merge conflict)
原因
複数人が同じファイルを同時期に編集し、同一箇所で変更点がぶつかるなどで発生します。プルしていない間に別の人が同じ部分を編集していたり、自分のローカル変更が多すぎる場合なども含まれます。Git Graphを使うとブランチの分岐状況が可視化され、競合を起こしている箇所が把握しやすいです。
対処法
- 競合箇所を手動で修正
- 修正後にコミット
- 最後にプッシュで更新
例え話
宿題ノートで同じ問題の回答に二つの違う解法が混ざってしまった状態です。どちらを採用するか、どちらも活かすかは手動で決める必要があります。
第5位:Permission denied (publickey)
原因
リモートリポジトリへSSH接続する際、公開鍵と秘密鍵の設定がかみ合っていないときに表示されます。鍵をGitHubに登録し忘れていたり、秘密鍵のパーミッションがおかしいと弾かれます。
対処法
- SSH鍵の生成
ssh-keygen -t rsa -b 4096
- 公開鍵をGitHubなどのリモートサービスに登録
- 秘密鍵のパーミッションを確認
chmod 600 ~/.ssh/id_rsa
例え話
金庫のロックを開けるのに正しい鍵が必要なように、SSH接続にも正しいペアの鍵がないと入れません。
第6位:Your branch is ahead of 'origin/main' by X commits
原因
ローカルリポジトリのコミットがリモートより先に進んでいる状況です。コミットしたままプッシュを忘れると、Git Graph上でローカルだけコミット数が多く表示されます。
対処法
- ローカルコミットをリモートにプッシュ
git push
- 必要があればリモートの変更もプルして同期
git pull
例え話
共有ノートへの書き込みを後回しにして自分だけ大量に追記しているイメージです。早めに更新しないと周囲と同期が取れなくなります。
第7位:fatal: refusing to merge unrelated histories
原因
まったく別の履歴を持つリポジトリ同士をマージしようとしたときに起こります。Git Graphで見ると、全然つながっていないコミットツリーが別々に存在する状態といえます。
対処法
- 強制的にマージしたい場合は
git merge <branch> --allow-unrelated-histories
ただし履歴が混在するので要注意。 - プロジェクトとして別々のリポジトリを運用したほうが良いか検討
- Git Graphでコミットのつながりを事前に確認する
例え話
違う学校のクラス日誌を、ある日突然1冊にまとめようとするようなものです。履歴がごちゃ混ぜになるリスクも踏まえて検討しましょう。
第8位:fatal: remote origin already exists.
原因
すでに登録されているリモートorigin
を再度追加しようとしている場合に表示されます。リポジトリのクローン後にまたgit remote add origin …
を行うなどが典型例です。
対処法
- 既存のリモート一覧を確認
git remote -v
- リモートURLを変更したいときは
git remote set-url origin <新しいURL>
- 新しいリモートを追加したい場合は別名を使う
git remote add upstream <URL>
例え話
スマートフォンに同じ名前で電話番号を登録しようとしてエラーになる状況です。既存の登録内容を書き換えるか、別の名前で登録するかを選びましょう。
第9位:fatal: Unable to create '/path/to/repo/.git/index.lock': File exists.
原因
Gitが操作中に作成するロックファイルindex.lock
が削除されずに残っていると、次の操作時にエラーを吐きます。過去にGit操作が中断されたり、エディタが競合しているケースです。
対処法
.git/index.lock
ファイルを削除(自己責任で)rm -f .git/index.lock
- 同時に動いているGit操作がないか確認
- VS CodeやGit Graphプラグインを再起動
例え話
「使用中」の札がかかったままのロッカーが実は空いている状態。札をはずして開けられるようにします。
第10位:error: you need to resolve your current index first
原因
マージやチェリーピックなどの競合解消を途中のまま新しい操作をしようとすると表示されます。Git Graph上でも「未解決の競合あり」が可視化されることがあります。
対処法
- 競合を解決してコミット
- あるいは操作を中断
git merge --abort
またはgit cherry-pick --abort
- 解決後に改めて操作を行う
例え話
複数の宿題を中途半端にしたまま次の宿題に取りかかろうとしても、先生に「先に前の宿題を済ませなさい」と言われるようなものです。
一覧表でまとめ
順位 | エラーメッセージ | 主な原因 | 主な対処法 |
---|---|---|---|
1 | error: failed to push some refs to 'origin' | リモートとの履歴衝突 | git pull → 競合解消 → git push |
2 | error: could not read from remote repository | URL誤り、権限設定ミス | リポジトリ設定・SSH鍵の確認 |
3 | fatal: Not a git repository (or any of the parent directories): .git | .git がない場所で操作 | リポジトリのルートに移動 or git init |
4 | マージ競合(Merge conflict) | 同じ箇所を複数変更した時の衝突 | 競合箇所修正 → コミット → プッシュ |
5 | Permission denied (publickey) | SSH鍵が合っていない | 鍵の生成・リポジトリサービスへの登録・パーミッション確認 |
6 | Your branch is ahead of 'origin/main' by X commits | ローカルがリモートより先行 | git push → 必要ならgit pull |
7 | fatal: refusing to merge unrelated histories | 違う履歴のリポジトリ同士を無理にマージ | --allow-unrelated-histories オプションや別リポジトリ運用の検討 |
8 | fatal: remote origin already exists. | 既にorigin が登録済み | git remote set-url origin … または別名のリモート登録 |
9 | fatal: Unable to create '/.../.git/index.lock': File exists. | ロックファイルが削除されず残っている | .git/index.lock を削除、VS Codeなど同時操作を再確認 |
10 | error: you need to resolve your current index first | 競合を残したまま新しい操作を実行しようとした | 競合解消後にコミット or git merge --abort などで中断 |
Git Graphでの可視化イメージ
図1:コミットグラフ例
┌──(master) Commit D
│
├── Commit C
│
├──(branchA) Commit B
│
└── Commit A (初期コミット)
グラフ上でブランチが分岐している場合はエラーも発生しやすくなります。赤色の警告表示や競合マークなどで気づけるので、随時チェックしてください。
今後の学習の指針
- Gitコマンドの基礎理解
Pull・Push・Fetchなどの基本コマンドの仕組みを体系的に学習すると、エラーの原因を把握しやすくなります。 - 視覚ツールの有効活用
Git Graphなどのツールでブランチ構造を把握し、問題が起こりそうな箇所を早期に見つけ出す習慣をつけると安心です。 - 競合解消の反復練習
チーム開発でよく遭遇するマージ競合を手早く解決できれば、開発効率が上がります。仮のプロジェクトを作って練習してみてください。 - ブランチ戦略やCI/CDの導入
慣れてきたら、GitフローやGitHubフローなどのブランチ運用ルールの学習や、テストの自動化なども試してみてください。より高度なチーム開発が可能になります。
学習を進めていくうちに、エラーへの対処も自然と身につきます。繰り返し実践しながら、Git管理のスキルアップを目指しましょう!
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投稿者プロフィール
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- 代表取締役
-
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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