インターフェースとは何か?主要言語にある仕組みと初心者向けのやさしい解説
こんにちは。ゆうせいです。
今回は新人エンジニアの方に向けて、「インターフェース(interface)」という考え方を、Javaを中心に解説しつつ、他の言語ではどうなっているのかもご紹介します!
インターフェースとは?:まずはイメージから!
インターフェースとは、「設計図のようなもの」です。
たとえば、リモコンのボタンだけを見せて、「このボタンを押せばテレビがつくよ」というルールだけ教えて、本体の中身は見せない感じです。
プログラミングに置きかえると?
Javaではこんなふうに書きます:
interface Animal {
void speak(); // 話す
}
この「Animal」は、「speak()
という機能を持つ生き物」という**約束ごと(=契約)**を定めたものです。
このインターフェースを使って、具体的なクラスを作ります:
class Dog implements Animal {
public void speak() {
System.out.println("ワン!");
}
}
このように、インターフェースは「どんな機能を持っているか」を定義するものであり、実際の動きは各クラスに任せるという考え方なんです。
なぜインターフェースが必要?
メリットを整理!
メリット | 例え |
---|---|
複数のクラスで共通の使い方ができる | いろんな家電が「電源ボタン」で動く |
テストや拡張がしやすくなる | 中身を変えても「操作パネル」は同じ |
抽象的な設計で柔軟なコードになる | LEGOブロックの接続部分だけ決める |
他の言語ではどうなっている?
実は、インターフェースに相当する考え方は、ほとんどのモダンな言語にあります!
ただし、名前や形が少しずつ異なります。
各言語におけるインターフェース相当の仕組み
言語 | インターフェースに相当するもの | 書き方の例 or 特徴 |
---|---|---|
Java | interface | interface Animal {} |
C# | interface | Javaとほぼ同じ |
Go | interface | 実装は明示しなくてもOK(暗黙的) |
TypeScript | interface / type | JavaScriptの型付き版 |
Python | ABC (抽象基底クラス) | 標準では明示的なインターフェースはない |
Rust | trait | より強力な型安全がある |
Swift | protocol | モバイル開発でよく使う |
PHP | interface | Javaと似たスタイル |
具体例:Go言語のインターフェース
Goでは、こんなふうに書きます:
type Animal interface {
Speak() string
}
そして、Dog
型が自動的にこのインターフェースを満たしていれば、実装とは明示せずに使えます。
type Dog struct{}
func (d Dog) Speak() string {
return "ワン!"
}
t
「暗黙的に満たす」という設計になっているので、柔軟でシンプルです。
インターフェースと抽象クラスの違いは?
よくある疑問の1つに、「抽象クラスと何が違うの?」というものがあります。
簡単にまとめると:
比較項目 | インターフェース | 抽象クラス |
---|---|---|
メソッドの実装 | 原則として持たない | 一部実装を持てる |
フィールド(変数) | 持てない(Java) | 持てる |
多重継承 | 複数可能 | 通常1つしか継承できない |
実際の開発での使いどころ
- ライブラリを作るとき:インターフェースだけを提供して、実装は自由にしてもらう
- テストを書くとき:本物のクラスではなく、インターフェースを使ってモック(偽物)を使う
- 将来の変更に備えるとき:中身を変えても外からの見た目は変わらないようにする
まとめと学習の指針
インターフェースは、設計を美しく、拡張しやすく、保守しやすくするためのキーフレームです。
言語によって呼び方や使い方に違いはあっても、共通の思想=「契約と実装の分離」が根底にあります。
「契約と実装の分離」とは、「何をするか(契約)」と「どうやってするか(実装)」を明確に分ける考え方です。たとえば、インターフェースは「このメソッドを持っているべき」という約束だけを定義し、具体的な処理内容はクラス側に任せます。
そうすることで機能を使う側は中身を知らなくても利用でき、実装を変更しても他のコードに影響を与えにくくなります。この考え方は柔軟で保守しやすい設計を実現するための基本です。
これからはぜひ:
- 自分でインターフェースを定義して、小さなプログラムを作ってみよう
- 既存のライブラリにインターフェースが使われているか調べてみよう
- 「テストしやすい設計」について学んでみよう
次のステップとして、「依存性注入(DI)とインターフェース」という設計の話にも進んでいくと、より実践的な力がついてきますよ!
依存性注入(DI:Dependency Injection)とは、必要な部品(オブジェクト)を自分で作らず、外部から渡してもらう仕組みです。ここで重要なのがインターフェースの存在です。クラスが依存先を「インターフェース」として受け取ることで、具体的な実装に縛られず、柔軟に差し替え可能な設計になります。
テスト時にはモック(仮の実装)を注入したり、本番環境に応じて挙動を切り替えたりできるため、保守性と拡張性が大幅に向上します。DIとインターフェースは、セットで使われることが多い設計手法です。
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投稿者プロフィール

- 代表取締役
-
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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