スカラー、ベクトル、テンソルの違い

こんにちは。ゆうせいです。

今日は、物理学や数学、コンピューターサイエンスでよく登場する「スカラー」「ベクトル」「テンソル」の違いについてお話しします。これらは一見難しそうに思えますが、実際には身近な例で考えると理解しやすいですよ。一緒に見ていきましょう!


スカラーとは?

定義

スカラーは「大きさだけを持つ量」のことです。たとえば、気温や重さ、時間などがスカラーに当たります。方向を持たないため、数値で簡単に表せます。

  • 気温:25°C
  • 質量:70kg
  • 時間:10秒

数式で表すと

スカラーは通常、単一の数値として記述されます。たとえば、
S=5
これは「スカラー S が 5」という意味です。


ベクトルとは?

定義

ベクトルは「大きさと方向を持つ量」のことです。たとえば、風速や速度、力がベクトルの例です。大きさだけでなく「どちらに向かっているか」が重要になります。

  • 風速:10 m/s 北向き
  • 力:50 N 右向き
  • 速度:60 km/h 東向き

数式で表すと

ベクトルは大きさと方向を示すため、複数の成分で表されます。たとえば、

図解

ベクトルは矢印で表されます。矢印の長さが大きさを、矢印の向きが方向を示します。


テンソルとは?

定義

テンソルは「スカラーやベクトルを拡張したもの」と考えるとわかりやすいです。簡単に言うと、スカラーは「0次元のテンソル」、ベクトルは「1次元のテンソル」です。テンソルは、複数の方向で情報を持つことができます。

  • スカラー(0次元):温度、質量
  • ベクトル(1次元):速度、力
  • 2次元テンソル:物体の変形を表す歪みテンソル
  • 3次元テンソル:流体力学での応力テンソル

数式で表すと

テンソルは多次元配列のように記述されます。たとえば、2次元テンソルは行列として書けます:

これを文章にすると、テンソル TT は各成分 TijT_{ij} を持つ、2×2の行列で表されるということです。


スカラー・ベクトル・テンソルの違いをまとめた表

種類大きさ方向次元数(数学的視点)
スカラーありなし0温度、質量、時間
ベクトルありあり1速度、力、風速
テンソルあり複数2以上応力テンソル、歪みテンソル

例え話で理解しよう

スカラー、ベクトル、テンソルの関係を学校の授業に例えてみましょう。

  • スカラーは、1人の生徒が持っている「テストの点数」だと思ってください。これは数字だけで情報が完結します。
  • ベクトルは、その生徒が持つ「通知表」です。教科ごとに点数があり、複数の成分で構成されています。
  • テンソルは、クラス全体の成績表のようなものです。教科×生徒の形式で情報が整理され、複雑な関係を記録できます。

今後の学習の指針

スカラー・ベクトル・テンソルの概念は物理や数学で幅広く使われます。まずはスカラーとベクトルをしっかり理解してから、テンソルの応用例(たとえば、一般相対性理論や機械学習)に触れてみると良いでしょう。

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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