グリッドサーチ(Grid Search)とランダムサーチ(Random Search)の名前の由来について

こんにちは。ゆうせいです。
今回は、グリッドサーチ(Grid Search)とランダムサーチ(Random Search)の名前の由来について、やさしく、でも本質的に解説していきます!
グリッドサーチ(Grid Search)の名前の由来
「Grid(グリッド)」とは、格子状のマス目を意味する英単語です。
ノートの方眼紙やチェス盤のような、整然と並んだ点の集まりを想像してみてください。
なぜ「グリッド」なのか?
グリッドサーチでは、すべてのハイパーパラメータの候補を組み合わせて試します。
たとえば:
これらを組み合わせると、次のようなマス目状の候補点になります:
gamma=0.001 | gamma=0.01 | |
---|---|---|
C=0.1 | 組み合わせ1 | 組み合わせ2 |
C=1 | 組み合わせ3 | 組み合わせ4 |
C=10 | 組み合わせ5 | 組み合わせ6 |
このように、すべてのパラメータを「格子(grid)」状に配置して、そのすべてを試すため、
Grid Search(グリッドサーチ)=格子探索と呼ばれるのです!
ランダムサーチ(Random Search)の名前の由来
「Random(ランダム)」はご存知の通り、無作為・ランダムに選ぶことを意味します。
どうやって探索するの?
グリッドサーチと違って、ランダムサーチでは候補の中からランダムに選んで試すだけです。
つまり、格子状に全体を舐めるのではなく、
広い範囲から、何点かランダムに選んで調べる
という発想です。
なぜそんな方法を使うの?
一見「適当に選ぶなんて精度が下がりそう…」と思うかもしれませんが、
実はランダムサーチは、限られた計算リソースで効果的な探索をしたいときに非常に有効なんです。
グリッド vs ランダム:探索の違いを図でイメージ!
2次元のハイパーパラメータ空間(例:学習率 × 正則化)
グリッドサーチ:
● ● ●
● ● ●
● ● ● ← すべての交点を試す(格子状)
ランダムサーチ:
◯ ◯
◯
◯
◯ ← 無作為に点を選んで試す(偏りなし)
使い分けのポイント
観点 | グリッドサーチ | ランダムサーチ |
---|---|---|
名前の意味 | 格子状の点をすべて試す | ランダムに点を抽出して試す |
特徴 | 全探索型(取りこぼしがない) | 広域探索型(時間が限られても効果的) |
試行回数 | 候補数が増えると爆発的に増える | 自由に試行数をコントロールできる |
最適化の効率 | 時間があればベスト | 限られた時間で良い値を見つけやすい |
高次元パラメータ空間への適応 | 苦手(組み合わせ爆発) | 得意(無駄な計算を減らせる) |
まとめ:名前が意味する探索戦略!
名前 | 意味の由来 | どんな戦略? |
---|---|---|
グリッドサーチ | 格子(grid)をすべて探索 | 全通りを1つずつ試す(exhaustive search) |
ランダムサーチ | 無作為(random)に選ぶ | 限られた数をランダムに試す(random sampling) |
今後の学習の指針
ここまで理解できたら、次は以下のような発展学習に挑戦してみましょう!
- ベイズ最適化(Bayesian Optimization)
→ より賢く効率的に探索できる手法 - 交差検証(cross-validation)との組み合わせ
→ 過学習を防ぎながらチューニングする方法 - 実際にPythonで
GridSearchCV
やRandomizedSearchCV
を使って実験してみる
ハイパーパラメータのチューニングは、「モデルの性能を最大限に引き出す」鍵です。
その第一歩として、「名前の意味」から入るのはとても良いアプローチです!
質問や実装の相談も、いつでもどうぞ!
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投稿者プロフィール

- 代表取締役
-
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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