ベルヌーイ分布と二項分布の公式の覚え方と成功確率を用いた計算手順

こんにちは。ゆうせいです。

確率や統計の基礎を学ぶ際、コイン投げやくじ引きのように結果が2通りしかない試行を扱う場面が数多くあります。このような試行の基礎となるのがベルヌーイ分布であり、その試行を複数回繰り返した結果をまとめたものが二項分布です。

教科書に並ぶ数式を無機質な文字の配列として暗記しようとすると、指数の位置や組み合わせの記号を取り違えてしまうことがあります。両者の関係性は、成功する確率pと失敗する確率1-pという2つの要素の掛け合わせとして整理できます。記事内ではベルヌーイ分布と二項分布の定義を整理し、公式の構造を段階的に理解する手順を解説します。

ベルヌーイ分布の基本概念とコイン投げによる比喩

ベルヌーイ分布とは、結果が互いに相容れない2通りしか存在しない試行を1回だけ行ったときの確率分布です。

歪んだコインを用いた比喩

ベルヌーイ分布の仕組みは、表と裏しか出ないコインを投げる動作に例えられます。

表が出ることを成功、裏が出ることを失敗と定めます。完全に公平なコインであれば成功の確率は2分の1ですが、少し細工が施されたコインでは表が出る確率がpとなります。このとき、裏が出る確率は全体の割合である1からpを差し引いた1-pとして表されます。

ベルヌーイ試行とは、このように成功確率がp、失敗確率が1-pである2者択一の試行を1回行う実験そのものを指します。

ベルヌーイ分布の数式表現

確率変数Xが成功のときに1、失敗のときに0という値を取るものとします。Xが1となる確率がp、Xが0となる確率が1-pであるとき、確率関数は以下の式で1つにまとめられます。

P(X = x) = p^{x}(1 - p)^{1 - x}

この式において、xに1を代入すると、pの1乗かける1-pの0乗となり、結果はpとなります。xに0を代入すると、pの0乗かける1-pの1乗となり、結果は1-pとなります。指数を用いることで、2つの場合分けを単一の計算式で表現しています。

二項分布の仕組みと並べ替えの計算

二項分布は、同じ条件のベルヌーイ試行を独立にn回繰り返したとき、成功が何回起こるかを表す確率分布です。

複数回の試行における組み合わせの比喩

先ほどのコインを合計n回続けて投げる状況を想定します。そのうち、ちょうどk回だけ表(成功)が出る確率を計算します。

例として、特定の順番で成功がk回、失敗がn-k回続けて発生した場合を考えます。成功がk回起こる確率はpをk回掛け合わせた数値であり、残りの失敗がn-k回起こる確率は1-pをn-k回掛け合わせた数値です。特定の発生順序における確率は、pのk乗と1-pのn-k乗の積として求まります。

しかし、成功が出るタイミングは最初とは限らず、途中や最後など様々な出現パターンが存在します。n回の試行の中から成功するk回を選ぶ組み合わせの総数は、コンビネーション記号を用いてnCk通りと計算されます。

二項分布の確率質量関数

二項分布B(n, p)に従う確率変数Xが、ちょうどk回の成功を収める確率は以下の数式で表されます。

P(X = k) = {}_{n}\mathrm{C}_{k} \, p^{k}(1 - p)^{n - k}

この計算式は、3つの要素の掛け算で構成されています。

1番目の要素であるnCkは、成功が発生する配置パターンの総数です。

2番目の要素であるpのk乗は、k回の成功が起こる確率です。

3番目の要素である1-pのn-k乗は、残りのn-k回すべてで失敗が起こる確率です。

公式の全体像は、1つのパターンの確率に対し、配置の総数を掛け合わせるという構成を持っています。

ベルヌーイ分布と二項分布を扱う際のメリットとデメリット

この2つの確率分布を用いて事象をモデル化する手法には、実務上のメリットと留意すべきデメリットの双方が存在します。

メリット

  • 計算手順の規格化:試行回数nと成功確率pの2つの数値を特定するだけで、平均値や分散などの統計量を公式から直接算出できます。
  • 幅広い適用範囲:製品の不良品発生率の検査、ウェブサイトのクリック率の測定、薬の有効率の検定など、2択の結果を伴う多くの実務に応用できます。
  • 大規模試行への拡張性:試行回数nが十分に大きい場合、正規分布やポアソン分布といった計算負荷の小さい別の分布へ近似して処理できます。

デメリット

  • 前提条件の厳密性:各試行が互いに影響を与えない独立試行であること、および成功確率pが常に一定であることが前提となるため、条件が途中で変動する現象には適用できません。
  • 選択肢の限定:結果が3通り以上存在する多肢選択の事象を直接扱うことができず、多項分布などの別のモデルが必要になります。
  • 手計算における負荷:試行回数nや成功回数kの値が大きくなると、組み合わせnCkの計算値が肥大化し、手作業での算出が困難になります。

まとめ

ベルヌーイ分布と二項分布は、どちらも成功確率pと失敗確率1-pという2つの構成要素を土台としています。ベルヌーイ分布が1回きりの判定であるのに対し、二項分布はその試行をn回積み重ね、出現順序の組み合わせnCkを掛け合わせた発展形です。

公式を確実に使いこなすための学習手順は以下の通りです。

  1. 取り扱う問題が成功と失敗の2択のみで完結しているかを確認します。
  2. 1回の試行における成功確率pを特定し、そこから失敗確率1-pを計算して手元に控えます。
  3. 全体の試行回数nと、求めたい成功回数kを問題文から抜き出します。
  4. 成功確率pに成功回数kを指数として乗じ、失敗確率1-pに残りの回数n-kを指数として乗じます。
  5. 成功が起こる位置の選び方として組み合わせnCkを計算し、前項で求めた確率の積に掛け合わせて全体の確率を導出します。

確率の部品を分解し、配置パターンの数と掛け合わせるという流れを把握することで、記号の丸暗記を避けて確実に数式を導けるようになります。

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
海外放浪の末、2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。