二律背反とは何かを新人エンジニア向けに解説 コピー

こんにちは。ゆうせいです。
今日は、新人エンジニア向けに「部分最適」と「全体最適」の違いを分かりやすく解説します。

この二つの概念は、システム開発や業務改善の場面でとても重要です。適切に考えないと、せっかくの努力が無駄になってしまうこともあります。では、一緒に学んでいきましょう!


部分最適とは?

部分最適とは、「システムやプロジェクトの一部だけを最適化すること」です。
わかりやすく言うと、「自分のチームや部署、特定の機能だけを良くする」ことです。

例1:エンジニアチームの作業効率化

ある開発チームが「コードレビューの時間を短縮しよう!」と考え、
・静的解析ツールを導入
・レビューのフォーマットを統一
などの施策を打ったとします。

結果として、レビューのスピードは上がり、チームの生産性も向上しました。しかし、他のチームとの連携がうまくいかず、全体の開発スピードはあまり変わらなかった……。これが「部分最適」です。

例2:交通渋滞の解決策

ある交差点の信号機の制御を最適化して、そこだけスムーズに流れるようにしたとします。しかし、他の交差点とのバランスを考えなかったため、別の場所で大渋滞が発生した…。これも部分最適の典型例です。


全体最適とは?

全体最適とは、「システム全体や組織全体の効率を最大化すること」です。
部分最適と違い、一部だけでなく「全体を見て最適な解決策を考える」のがポイントです。

例1:開発フロー全体の最適化

コードレビューの時間を短縮するだけでなく、
・要件定義の曖昧さを減らす
・テスト自動化を進める
・リリースフローを改善する
といった全体の開発プロセスを見直した結果、チーム全体の生産性が大幅に向上!

このように、システム全体を考慮した改善が「全体最適」です。

例2:工場の生産効率の最適化

製品Aの生産ラインのスピードを2倍にしたけれど、
・次の工程が追いつかない
・在庫が増えすぎて倉庫がパンク
という状況が発生…。

こうならないように、生産ライン全体を見直してバランスを取るのが「全体最適」です。


部分最適と全体最適の違い

部分最適全体最適
対象範囲一部の工程・チーム全体(プロジェクト・組織)
目的その部分の効率化全体の効率化
効果その部分では良くなるが、全体に悪影響を与えることも組織やシステム全体のパフォーマンス向上
開発チームのコードレビュー時間短縮開発フロー全体の効率改善

なぜ全体最適が重要なのか?

部分最適ばかり考えていると、「システム全体としてはうまくいかない」ことがよくあります。特にエンジニアとして開発に関わる場合、
・システム全体のボトルネックを見極める
・他のチームや部署と連携する
・一部の改善が全体にどう影響するか考える

こうした視点が重要です。

例えば、あなたがデータベースの処理を最適化した結果、アプリのレスポンスが速くなったとします。しかし、バックエンドAPIが処理しきれず、結果としてユーザーにはあまり変化がなかった…ということが起こるかもしれません。

これを避けるためには、「システム全体で何が最もボトルネックになっているか?」を考えながら改善することが大切です。


どうすれば全体最適を実現できるのか?

  1. 全体のプロセスを可視化する
    • フローチャートやダッシュボードを活用し、全体の流れを見える化しましょう。
  2. 部分最適が全体に与える影響を考える
    • 改善策を考えるときは、他のチームや工程にどう影響するかをチェック。
  3. ボトルネックを特定する
    • 部分最適ではなく、「どこが本当に問題なのか?」を分析しましょう。
  4. 関係者と協力する
    • 他チームや関連部署と話し合い、全体を良くする方向で改善策を考えましょう。

まとめ

エンジニアとして成長するためには、「部分最適」と「全体最適」の違いを理解し、バランスを取ることが重要です。

部分最適だけを意識すると、結果として全体のパフォーマンスが悪化することもあります。
一方で、全体最適を考えすぎて動けなくなるのも問題です。

大事なのは、「どのレベルで最適化するのが最も効果的か?」を常に意識すること!
これから開発や業務改善をする際には、「これは部分最適になっていないか?」と一度考えてみてくださいね。

あなたの成長を応援しています!

セイ・コンサルティング・グループの新人エンジニア研修のメニューへのリンク

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。