前回のGPT-1からさらにパワーアップした、GPT-2の世界へようこそ!
こんにちは。ゆうせいです。
前回の記事では、AIが言葉を予測する言語モデルの基礎をお話ししましたね。今回ご紹介するGPT-2は、その兄貴分であるGPT-1を「そのまま巨大化」させたようなモデルです。
しかし、ただ大きくなっただけではありません。この進化によって、AIはついに「教えられていないことまで勝手にこなし始める」という、魔法のような力を手に入れました。一体どんな進化を遂げたのか、一緒に見ていきましょう!
圧倒的なボリュームアップ!10倍の衝撃
GPT-2を語る上で外せないのが、その規模の大きさです。
前作のGPT-1に比べて、学習に使ったデータの量も、脳の細胞にあたるパラメーターの数も、なんと 倍以上に増えました。
- パラメーター数:約
個から約
個へ
- 学習データ:本
冊分から、インターネット上の膨大な記事
ページ分へ
例えるなら、近所の図書館で勉強していた秀才が、突然「世界中のウェブサイトをすべて記憶した超天才」にアップデートされたようなものです。この圧倒的な知識量の増加こそが、GPT-2の驚異的な能力の源となりました。
究極の応用力、Zero-shot Learning
GPT-2の最も衝撃的な特徴は、Zero-shot Learning(ゼロショット・ラーニング)という能力です。
前回のGPT-1では、特定の仕事(翻訳や要約など)をさせるために、最後に少しだけ「追加の練習(ファインチューニング)」が必要でした。しかし、GPT-2は違います。追加の練習を一切せずに、いきなり難問を解き始めたのです!
Zero-shotとは、つまり「練習 回」という意味です。
これをスポーツに例えるとこうなります。
- 普通のAI:サッカーのルールを教え込み、何度も練習させてようやく試合に出る。
- Zero-shotができるAI:サッカーの試合を外から眺めていただけなのに、いきなりフィールドに立って完璧なシュートを決める。
「次に来る言葉を予想する」という基本を極め続けた結果、AIは「翻訳の次には翻訳された言葉が来るはずだ」「質問の次には答えが来るはずだ」という、世界のルールそのものを理解してしまったのです!
GPT-2の光と影:賢すぎたゆえの懸念
GPT-2はあまりにも自然な文章を書くことができたため、リリース当時は「危険すぎる」として全データがすぐには公開されないという異例の事態になりました。
メリット
- 汎用性の爆発:追加学習なしで、翻訳、要約、回答など、あらゆる文章作成に対応できます。
- 一貫性の向上:GPT-1よりもずっと長い文章を、矛盾なく書き続けることができるようになりました。
デメリット
- フェイクニュースの懸念:人間と見分けがつかないほど巧妙な嘘のニュースを、大量に作り出すことができてしまいます。
- 偏見の吸収:インターネット上の偏った意見や差別的な表現まで学習してしまい、それをそのまま出力してしまうリスクがあります。
進化した計算の舞台裏
GPT-2が言葉を処理する際、文脈をどれくらい広く捉えられるかを示す「コンテキストウィンドウ」も進化しました。
処理できる長さ = トークン
前作の トークンから
倍に広がったことで、より長い物語の伏線を回収したり、複雑な指示を理解したりすることが可能になりました。
数式的に表現すると、単語ごとの重要度を決める計算式において、考慮できる範囲が
へと拡大したことになります。これにより、文章の最初の方に書いた内容を、最後の方まで忘れずに反映できるようになったのです!
学びを深めるための次のステップ
GPT-2の登場により、AIは「特定の目的のために作るもの」から「何にでも使える万能な道具」へと姿を変えました。
みなさんが次にステップアップするための指針を提案します!
- 「指示の出し方(プロンプト)」で、AIの役割がどう変わるか実験してみる。
- 「ハルシネーション(もっともらしい嘘)」という言葉を調べて、AIの限界を知る。
- さらに
倍以上巨大化した次世代、GPT-3がどんな「奇跡」を起こしたのか調べてみる。
GPT-2が切り拓いた「汎用AI」への道は、このあとさらに驚くべき方向へと進んでいきます。
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投稿者プロフィール
- 代表取締役
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。