受講生の心の声を読み解く3つの測定法

こんにちは。ゆうせいです。

新人研修の講師をしていて、一番怖いこと。それは、自分だけがノリノリで話を進めてしまい、受講生が置いてけぼりになっていることに気づかないことです。全員理解している、という講師の思い込みは、研修において最も危険な落とし穴と言えるでしょう。

今回は、受講生のわかったつもりをその場で見抜き、リアルタイムで理解度を測るための秘訣をお伝えします。

受講生の心の声を読み解く3つの測定法

言葉に頼らずとも、受講生は常にサインを発しています。そのサインを見逃さないための具体的な方法をマスターしましょう。

1. 目の動きを観察する:非言語情報のキャッチ

まずは会場全体をぐるりと見渡し、受講生の視線に注目してください。視線が宙を浮いていたり、講師と目を合わせようとしなかったりする場合、それは思考が停止しているサインです。

これを専門用語で、非言語コミュニケーションの観察と呼びます。言葉以外の情報、例えば顔の表情や視線、仕草などから相手の心理状態を読み取ることです。

例えるなら、車の運転中に歩行者の動きを見て、飛び出してきそうだな、と察知する感覚に似ています。受講生の目が泳いでいたら、ブレーキを踏んで説明を丁寧にやり直すタイミングかもしれません。

2. 言語化させてみる:アウトプットによる確認

講義の区切りで、今の内容を隣の人に1分で説明してください、と促してみましょう。人間は、自分の中で整理できていないことは、決して言葉にして説明できません。

もし部屋が静かだったり、会話がすぐに途切れたりする場合は、理解が不足している決定的な証拠です。プログラミング研修の世界では、このように頭の中で処理を再現させることを、人間コンパイラと名付けています。

コンパイラとは、人間が書いたプログラムをコンピュータが理解できる言葉に翻訳する仕組みのことです。つまり、学んだ知識を自分の言葉というプログラムに変換できるかを確認する作業なのです。

3. 再現させてみる:演習・実技での確証

最も確実な測定法は、実際にやらせてみることです。

  • IT研修なら、実際にコードを書かせる
  • ビジネスマナーなら、名刺交換をさせてみる

このように、学んだことをその場で再現させることで、どこまでが身についていて、どこでつまずいているのかが明白になります。

質問ありますか?は禁句です

理解度を確認しようとして、つい、わかりましたか?や、質問ありますか?と聞いていませんか。実は、これは新人研修では禁句に近い言葉です。

慣れない環境にいる新人は、萎縮してしまい、はい、や、ありません、としか答えられないからです。

質問を引き出すには、問いかけの形を工夫しましょう。

  • なにか私が言い忘れたことはありますか?
  • 確認したいことはありますか?

このように、相手が答えやすい、ハードルの低い問いに変えることで、隠れた疑問を自然に引き出すことができます。

理解度を測るための数式とメリット

研修の理解度を、簡単な計算で考えてみましょう。

理解度 = 正しく言語化できた受講生の数 / 全受講生の数

もし受講生が 20人 いて、隣の人への説明がスムーズにできたのが 10人 なら、理解度は 10 / 20 = 0.5 、つまり 50 パーセント ということになります。

この数値を知るメリットとデメリットは以下の通りです。

  • メリット:受講生のつまずきにすぐ気づけるため、研修の脱落者をゼロに近づけられます。
  • デメリット:確認に時間を割く分、予定していたカリキュラムが後ろにずれ込む可能性があります。

しかし、理解されないまま進むことこそが最大のロスです。勇気を持って立ち止まりましょう!

今後の学習の指針

まずは次の講義で、受講生の目を見ることから始めてください。そして、一区切りついたら、隣の人への1分説明を導入してみましょう。

受講生の変化に敏感になることで、あなたの教えるスキルは格段に向上します。次は、受講生がもっと自発的にアウトプットしたくなるような、アイスブレイクの技術を学んでみるのがおすすめです。

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。