新人エンジニアが知るべき深さ優先探索(中間順)の仕組みと活用場面

こんにちは。ゆうせいです。

システム開発において、階層構造を持つデータを扱う場面は多岐にわたります。データを効率よく読み解く手法として深さ優先探索が存在します。深さ優先探索の走査方法の一つである中間順アルゴリズムが、実際の開発現場でどのように機能しているのかを解説します。

中間順の仕組みと比喩による解説

中間順とは、二分木と呼ばれるデータ構造において、左の子ノード、親ノード、右の子ノードの順番でアクセスしていく探索手法です。通りがけ順と呼ばれることもあります。

中間順の動きを高校生の学校生活に例えると、体育の授業における背の順の整列に該当します。ある生徒を基準としたとき、まず基準の生徒より背の低い左側のグループ全員を確認し、次に基準の生徒自身を確認し、最後に基準の生徒より背の高い右側のグループ全員を確認するという手順をとります。特定の規則に従って配置されたデータを、小さいものから順に規則正しく把握していく流れが、中間順の最大の特性です。

中間順が使われている具体的な場面

中間順アルゴリズムは、データの順序を維持したまま抽出する処理や、特定の規則に基づく出力処理で広く利用されています。

二分探索木からのデータ抽出

二分探索木というデータ構造では、親ノードよりも小さい値を持つデータを左側に、大きい値を持つデータを右側に配置する規則があります。二分探索木に対して中間順でデータ探索を実行すると、取得されるデータは自動的に小さい値から順に整列された状態となります。データを昇順に取り出したい場面において、中間順は非常に有効な手段となります。

数式木の解析と中置記法への変換

プログラムが計算を行う際、数式は木構造としてメモリ上に展開されます。数式を表す木構造に対して中間順で探索を行うと、人間が日常的に使用している 1 + 2 のような中置記法の形式で数式を復元することが可能です。計算式を出力して確認する用途などで応用されています。

データベースのインデックス走査

データベースにおいて検索を高速化するために用いられるB木などのインデックス構造でも、中間順の考え方が利用されています。範囲検索などを行う際、データの並び順を保ったまま効率よく該当するデータを順次読み込んでいくために、中間順に相当するアクセス順序が採用されています。

中間順のメリットとデメリット

客観的な事実として確認できる中間順の利点と欠点を提示します。

メリット

対象が二分探索木である場合、追加の並び替え処理を行うことなく、取得するだけでデータが完全に昇順に整列されることが数学的に保証されています。また、プログラム上で再帰呼び出しと呼ばれる手法を用いることで、非常に短い記述で木構造全体の探索処理を実装することが可能です。

デメリット

探索処理の過程でスタックと呼ばれる一時的な記憶領域を利用するため、木構造の階層が深くなるほどメモリ消費量が比例して増大します。階層が極端に深い木構造を処理する場合、スタックオーバーフローというエラーが発生し、システムが停止する危険性が存在します。

まとめ

中間順は、データの並び順を意識して階層構造を読み解く際に不可欠なアルゴリズムです。データの整列と密接に関係している特性を理解しておく必要があります。

今後の学習ステップとして、以下の順序で理解を深めることを推奨します。

  1. スタックというデータ構造の仕組みを学習し、一時記憶領域がどのように消費されるかを把握する。
  2. 再帰関数を用いて二分探索木からデータを昇順に出力するプログラムを記述し、中間順の動作を実際のコードで確認する。
  3. 行きがけ順、帰りがけ順と探索の順序を比較し、それぞれのアルゴリズムが適している用途の違いを論理的に整理する。

データ構造の特性とアルゴリズムの順序を正しく紐づけることで、状況に応じた最適な処理を設計できるようになります。

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。