新人研修で使えるグループワーク3選|主体性・協調性・チーム理解を引き出す進め方を解説

こんにちは。ゆうせいです。

今回は、新人研修や社内研修で使いやすい「グループワークのテーマ」を3つ紹介します。

いただいた内容では、グループワークの効果や、手軽に実施できるワーク、合意形成を学べるワークが紹介されていました。

今回のテーマは、「楽しいだけのグループワーク」ではありません。

参加者が自分から動き、周囲と話し合い、限られた条件の中で成果を出す体験を通じて、仕事に必要な力を学ぶことが目的です。

たとえるなら、グループワークは「小さな会社経営ゲーム」のようなものです。

限られた時間、限られた材料、違う考えを持つメンバー。

その中で、話し合い、決めて、動いて、結果を出す。

まさに仕事の縮図ですね。

グループワークとは何か

グループワークとは、参加者を数人ずつのチームに分け、話し合いや共同作業を通じて課題に取り組む研修手法です。

講師の話を聞くだけの座学とは違い、参加者自身が考え、発言し、役割を持って動く点が特徴です。

たとえば、次のような活動がグループワークに含まれます。

チームでアイデアを出す
制限時間内に成果物を作る
複数の意見をまとめる
役割分担して課題に取り組む
話し合いの結果を発表する
他チームと成果を比較する

グループワークの良いところは、参加者の「普段の姿」が見えやすいことです。

座学では静かに見える人が、実は作業に入るとリーダーシップを発揮するかもしれません。

よく話す人が、実は人の意見を聞くのが苦手だと分かることもあります。

逆に、控えめな人が、チームの空気を整える重要な役割を果たす場合もあります。

グループワークは、知識を学ぶだけでなく、人の強みやチームの関係性を見える化する時間でもあります。

グループワークで期待できる3つの効果

グループワークには、主に3つの効果があります。

効果意味研修での活かし方
主体性を引き出す参加者が自分で考えて動く新人の受け身姿勢を変える
協調性を育てる周囲と相談しながら進めるチームで働く感覚を学ぶ
相互理解を深める考え方や価値観の違いを知る同期やチーム内の関係性を作る

1. 主体性を引き出す

主体性とは、自分から考えて行動する力です。

グループワークでは、講師がすべてを指示するわけではありません。

参加者自身が、どう進めるかを考える必要があります。

誰がリーダー役をするのか
どの順番で進めるのか
時間配分をどうするのか
意見が割れたらどう決めるのか
成果物をどう発表するのか





こうした判断をチームで行うため、自然と主体性が求められます。

新人研修では、特にこの効果が大きいです。

入社直後の新人は、まだ「正解を待つ姿勢」になりがちです。

しかし仕事では、毎回きれいな正解が用意されているわけではありません。

自分で考え、周囲に相談し、まず動いてみる力が必要です。

2. 協調性を育てる

協調性とは、周囲と協力しながら物事を進める力です。

グループワークは一人では完結しません。

自分の意見を出しつつ、相手の意見も聞く必要があります。

ここが大事です。

協調性とは、ただ相手に合わせることではありません。

自分の考えを持ちながら、チームとして前に進む方法を探す力です。

たとえるなら、バンド演奏に似ています。

ギターだけ目立ちすぎても、ドラムが勝手なリズムで叩いても、良い音楽にはなりません。

それぞれの音を出しながら、全体としてまとまる必要があります。

仕事も同じです。

個人の力だけでなく、チームで成果を出す力が求められます。

3. 相互理解を深める

相互理解とは、お互いの考え方、価値観、得意不得意を知ることです。

普段の業務だけでは、相手の背景や考え方まで知る機会は意外と少ないです。

しかし、グループワークでは会話が生まれます。

この人はアイデアを出すのが得意なんだ
この人は時間管理がうまいな
この人は慎重にリスクを見るタイプだ
この人は場を明るくしてくれる
この人は話を整理するのが上手い





このような発見があると、研修後のコミュニケーションもスムーズになります。

特に新人研修や部署横断の研修では、相互理解の効果が大きいです。

グループダイナミクスとは

グループワークを考えるうえで、「グループダイナミクス」という専門用語があります。

グループダイナミクスとは、集団の中で人の考え方や行動が互いに影響し合う現象のことです。

少し難しく聞こえますよね。

簡単に言えば、「チームになると、一人では出なかった力や考え方が出る」ということです。

たとえば、一人では思いつかなかったアイデアが、誰かの一言をきっかけに生まれることがあります。

逆に、周囲の空気に流されて、自分の意見を言えなくなることもあります。

良いグループダイナミクス悪いグループダイナミクス
意見が重なって新しい発想が生まれる声の大きい人だけで決まる
苦手な部分を補い合える誰かに任せきりになる
チーム全体の集中力が上がる周囲に合わせて無難な意見になる
役割分担が自然に生まれる意見の違いが対立になる

研修担当者は、良いグループダイナミクスが生まれるように設計する必要があります。

そのために、テーマ選びがとても重要です。

新人研修でおすすめのグループワーク3選

ここからは、実際に使いやすいグループワークを3つ紹介します。

テーマ特徴おすすめ場面
マシュマロチャレンジ限られた材料でタワーを作る新人研修、アイスブレイク、チームビルディング
ペーパータワー紙だけで高い構造物を作る低予算研修、短時間ワーク、急な研修企画
コンセンサスゲームチームで話し合い合意形成するコミュニケーション研修、選考会、リーダー研修

この3つを押さえておけば、多くの研修シーンに対応できます。

場を温めたいなら、マシュマロチャレンジ。

とにかく手軽に実施したいなら、ペーパータワー。

話し合いや合意形成を学ばせたいなら、コンセンサスゲーム。

目的に合わせて選びましょう。

1. マシュマロチャレンジ

マシュマロチャレンジは、チームでタワーを作るグループワークです。

材料は、乾燥パスタ、ひも、テープ、マシュマロなどを使います。

チームで制限時間内にできるだけ高いタワーを作り、最後に上部へマシュマロを乗せます。

シンプルですが、かなり盛り上がります。

基本ルール

数人で1チームを作る
材料を各チームに配る
制限時間内にできるだけ高いタワーを作る
タワーの上にマシュマロを乗せる
自立している高さを測る
最も高いチームを発表する




ポイントは、ただ高く作ればよいわけではないことです。

最後にマシュマロを乗せると、重みで崩れることがあります。

つまり、見た目の高さだけでなく、構造の安定性も考える必要があります。

ここが仕事に似ています。

勢いだけで進めると、最後に崩れる。

計画ばかりで手を動かさないと、時間切れになる。

試しながら改善するチームが強いのです。

学べること

学べる力内容
役割分担設計する人、組み立てる人、時間を見る人が自然に分かれる
試行錯誤一度作って終わりではなく、崩れたら改善する
コミュニケーション短時間で意見を出し合う必要がある
時間管理制限時間内に完成させる判断が求められる
プロトタイピング小さく試して改善する考え方を体験できる

プロトタイピングとは、完成品をいきなり作るのではなく、試作品を作って改善する考え方です。

IT開発や新規事業でもよく使われます。

マシュマロチャレンジは、このプロトタイピングの感覚を体で学びやすいワークです。

おすすめの対象

マシュマロチャレンジは、次のような場面に向いています。

対象向いている理由
新人研修短時間で会話が生まれ、同期の関係づくりに役立つ
チームビルディング役割分担や協力の癖が見えやすい
アイスブレイク難しい知識が不要で、すぐに盛り上がる
企画職・開発職試作と改善の重要性を体験できる

進行のコツ

進行する際は、最初に細かく説明しすぎない方がよいです。

ルールはシンプルに伝え、あとはチームに任せます。

制限時間は15分です。
配られた材料だけを使ってください。
完成時点で自立しているタワーの高さを測ります。
一番上にはマシュマロを乗せてください。
途中で崩れても、時間内なら作り直して大丈夫です。

研修後の振り返りでは、次の質問が使えます。

最初にどんな作戦を立てましたか。
役割分担は自然に決まりましたか。
途中で失敗したとき、チームはどう対応しましたか。
時間配分はうまくいきましたか。
仕事に置き換えると、どんな場面に似ていますか。




注意点

マシュマロチャレンジは楽しいワークですが、勝ち負けだけに寄せすぎないことが大切です。

高いタワーを作ったチームだけが優秀、という見方にしないでください。

大事なのは、チームがどのように考え、協力し、失敗から修正したかです。

結果だけ見るな。

プロセスを振り返りましょう!

2. ペーパータワー

ペーパータワーは、紙を使ってできるだけ高いタワーを作るグループワークです。

材料が紙だけでも実施できるため、非常に手軽です。

急な研修や、予算を抑えたい研修にも向いています。

基本ルール

数人で1チームを作る
各チームに同じ枚数の紙を配る
紙を折る、丸める、重ねるなどしてタワーを作る
制限時間内に完成させる
自立している高さを測る





紙だけで高いタワーを作るのは、意外と難しいです。

紙は軽いですが、安定しません。

高くしようとすると倒れやすくなります。

つまり、挑戦と安定のバランスが必要です。

仕事でも同じですよね。

新しい挑戦をしたい。

でも、品質や納期も守らなければいけない。

高く積むには、土台が必要です。

学べること

学べる力内容
創意工夫紙という限られた材料から形を考える
試行錯誤折り方や積み方を試しながら改善する
役割分担設計、作成、測定、時間管理に分かれる
リスク判断高くするか、安定を取るかを決める
短時間の意思決定迷いすぎず、限られた時間で決める

おすすめの対象

対象向いている理由
新人研修準備が簡単で、初対面でも取り組みやすい
短時間研修10分から20分程度でも実施できる
低予算研修紙だけで実施できる
アイスブレイク自然に会話と笑いが生まれる

進行のコツ

ペーパータワーは、制限時間を短めにすると盛り上がります。

時間が長すぎると、考えすぎて動きが止まるチームが出ます。

おすすめは、作戦会議2分、作成8分、測定と振り返り10分程度です。

作戦会議:2分
タワー作成:8分
測定:3分
振り返り:10分




振り返りでは、次の問いが有効です。

最初にどのような形を考えましたか。
途中で作戦を変えましたか。
高くすることと安定させることのバランスをどう考えましたか。
誰の意見がチームに影響しましたか。
仕事に置き換えると、どんな学びがありますか。

デメリット・注意点

ペーパータワーは手軽な反面、ただの遊びで終わりやすいです。

研修として実施するなら、必ず目的を伝えましょう。

今回の目的は、高いタワーを作ることだけではありません。
限られた材料と時間の中で、チームがどう意思決定し、役割分担し、改善するかを体験することです。

この一言があるだけで、参加者の意識が変わります。

3. コンセンサスゲーム

コンセンサスゲームは、チームで話し合いながら合意形成を行うグループワークです。

コンセンサスとは、「合意」や「納得して決めること」を意味します。

多数決とは違います。

多数決は、人数が多い意見を選ぶ方法です。

コンセンサスは、意見の違いを話し合い、チームとして納得できる結論を作る方法です。

ここが重要です。

仕事では、多数決だけで決められない場面がたくさんあります。

関係者の事情、リスク、目的、優先順位を踏まえて、合意を作る必要があります。

基本ルール

ある状況設定を提示する
参加者が個人で優先順位や判断を考える
その後、チームで話し合う
チームとして1つの結論を出す
個人回答とチーム回答を比較する
振り返りを行う




たとえば、災害時に必要な持ち物を順位づけするテーマや、緊急時にどの行動を優先するか考えるテーマがあります。

重要なのは、正解を当てることだけではありません。

なぜその順番にしたのか。

誰の意見をどう取り入れたのか。

納得感を持って決められたのか。

このプロセスが学びになります。

学べること

学べる力内容
論理的思考理由を持って意見を説明する
傾聴力他者の意見を最後まで聞く
合意形成力違う意見をまとめる
説明力自分の考えを分かりやすく伝える
リーダーシップ話し合いを前に進める
フォロワーシップチームの決定を支える

フォロワーシップとは、リーダーを支えながらチームの成果に貢献する力です。

リーダーだけが偉いわけではありません。

意見を整理する人、反対意見を出す人、静かな人に発言を促す人も、チームにとって重要です。

おすすめの対象

対象向いている理由
新人研修意見を伝える練習と、相手の意見を聞く練習になる
リーダー研修合意形成や場の進行力を確認できる
選考会話し方、聞き方、協調性、論理性が見えやすい
オンライン研修資料共有とブレイクアウトルームで実施しやすい

オンラインでも実施しやすい

コンセンサスゲームは、オンライン研修でも実施しやすいです。

なぜなら、材料を配る必要がなく、資料と話し合いだけで進められるからです。

全体説明
        ↓
個人回答
        ↓
小グループに分かれて話し合い
        ↓
チーム回答を作成
        ↓
全体共有
        ↓
振り返り




オンラインでは、発言量に偏りが出やすいです。

そのため、ファシリテーターは次のようにルールを設定するとよいです。

最初に全員が1回ずつ意見を出す
理由を必ず添える
反対意見は否定ではなく確認として伝える
最後にチームとして納得できるか確認する

ファシリテーターとは、話し合いがスムーズに進むように支援する人です。

司会者に近いですが、単に進行するだけでなく、参加者の意見を引き出し、合意形成を助ける役割があります。

注意点

コンセンサスゲームでは、声の大きい人だけで決まらないように注意しましょう。

研修担当者は、次のような観点で観察するとよいです。

全員が発言しているか
理由をもとに話しているか
反対意見を聞けているか
時間内に結論を出せているか
納得感を確認しているか
誰かが置いていかれていないか





合意形成は、単に早く決めることではありません。

チームとして納得して前に進むことです。

3つのグループワークの使い分け

ここまで紹介した3つのグループワークは、それぞれ向いている場面が違います。

目的おすすめテーマ理由
場を温めたいマシュマロチャレンジ会話と笑いが生まれやすい
予算をかけずに実施したいペーパータワー紙だけで実施できる
初対面の緊張をほぐしたいマシュマロチャレンジ、ペーパータワー共同作業で自然に会話が生まれる
話し合う力を見たいコンセンサスゲーム説明力、傾聴力、合意形成力が見える
オンラインで実施したいコンセンサスゲーム資料共有と会話中心で進めやすい
チームの役割分担を見たいマシュマロチャレンジ、ペーパータワー自然に役割が生まれる

研修テーマは、参加者の人数、時間、目的、会場、オンライン可否によって選びましょう。

「有名だから」ではなく、「今回の研修目的に合っているから」で選ぶことが大切です。

グループワークを成功させる進行のポイント

1. 目的を最初に伝える

グループワークを始める前に、目的を伝えましょう。

目的がないと、参加者は「ただ遊んでいる」と感じる場合があります。

今回のワークでは、チームで役割分担し、限られた時間内に成果を出すことを体験します。
結果だけでなく、話し合い方や進め方も振り返ります。

このように伝えると、参加者は学びの視点を持って取り組めます。

2. ルールはシンプルにする

ルールが複雑すぎると、参加者は動き出せません。

特に新人研修では、最初の説明を短くすることが大切です。

制限時間
使える材料
禁止事項
勝敗や評価の基準
最後に発表する内容




この5つが伝われば、多くのワークは進められます。

3. 途中で口を出しすぎない

研修担当者は、つい助けたくなります。

でも、グループワークでは参加者自身が考える時間も大切です。

失敗しそうでも、危険がない限り少し見守りましょう。

失敗も学びです。

タワーが崩れた瞬間に、チームの対応力が見えます。

意見が割れた瞬間に、合意形成力が見えます。

すぐ助けるな。

学びの場面を奪わないようにしましょう。

4. 振り返りを必ず行う

グループワークは、体験だけで終わると学びが浅くなります。

必ず振り返りを入れてください。

何がうまくいったか
何がうまくいかなかったか
誰の行動がチームに良い影響を与えたか
時間配分はどうだったか
仕事に置き換えると何に似ているか
明日から何を変えるか





この振り返りが、体験を学びに変えます。

まとめ

グループワークは、新人研修や社内研修で非常に使いやすい手法です。

参加者の主体性、協調性、相互理解を引き出し、チームで働く感覚を体験できます。

テーマ特徴主な学び
マシュマロチャレンジ材料を使って高いタワーを作る役割分担、試行錯誤、時間管理
ペーパータワー紙だけでタワーを作る創意工夫、短時間の意思決定、リスク判断
コンセンサスゲーム話し合いでチームの結論を作る合意形成、傾聴、説明力、論理的思考

一言でまとめるなら、グループワークは「楽しく協力しながら、仕事に必要な力を見える化する研修」です。

新人研修では、まず楽しく参加できることが大切です。

そのうえで、ただ盛り上がるだけでなく、振り返りを通じて実務につなげましょう。

研修目的を決める
        ↓
目的に合うテーマを選ぶ
        ↓
ルールをシンプルに伝える
        ↓
参加者に任せて取り組ませる
        ↓
結果だけでなくプロセスを観察する
        ↓
振り返りで仕事に結びつける
        ↓
学びが定着する




今後の学習では、グループワークの種類だけでなく、ファシリテーション、心理的安全性、チームビルディング、合意形成、振り返り設計について学ぶとよいです。まずは次の研修で、「参加者に何を体験してほしいのか」を一文で書き出し、その目的に合うグループワークを選ぶところから始めてみましょう!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
海外放浪の末、2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。