書いて終わりじゃない!「機会損失」を知れば、新人エンジニアのあなたの市場価値は爆上がりする

こんにちは。ゆうせいです。

エンジニアとしての一歩を踏み出したあなた、きっと「一日でも早く一人前になりたい!」「たくさんのタスクをこなして、自分の価値を証明したい!」と、燃えるような情熱でいっぱいなのではないでしょうか。

その気持ち、めちゃくちゃ大事です!どんどんコードを書いて、スキルを磨いていってください。

でも、もしあなたが「ただ言われたことを、がむしゃらにこなす」だけで満足しているとしたら、それは非常にもったいない!あなたの成長を加速させ、周りの同期と差をつけるために、絶対に知っておいてほしいビジネスの考え方があります。それが、今回お話しする「機会損失」です。

「え、ビジネスの話?エンジニアの自分に関係あるの?」と思ったあなた。大ありです!この視点を持つだけで、あなたの仕事の質は劇的に変わります。さあ、一緒に見ていきましょう!

「機会損失」って、一体なんだろう?

機会損失(きかいそんしつ)と聞くと、なんだか難しそうに感じますよね。でも、考え方はとってもシンプルです。

一言でいうと、「何かを選んだことで、選ばなかった方で得られたはずの利益を逃してしまうこと」です。

週末の予定で考えてみましょうか。あなたの週末の選択肢が2つあったとします。

  1. 最新技術のセミナーに参加して勉強する。
  2. 友人たちとキャンプに出かける。

もしあなたが1番の「セミナー」を選んだとします。それによって、新しい知識やスキルという「利益」を得られますよね。でもその代わり、2番の「キャンプ」を選んでいれば得られたはずの「友人たちとの楽しい思い出」という利益は手放すことになります。この、手に入れられなかった「キャンプの楽しい思い出」が、機会損失です。

逆もまた然り。キャンプを選べば、セミナーで得られたはずの「知識やスキル」が機会損失になります。

ポイントは、時間は有限であり、何かを選ぶことは、同時に何かを捨てることである、という事実です。これは、エンジニアの仕事、特にあなたの貴重な「時間」というリソースの使い方に、深く関わってくるんですよ。

新人エンジニアが陥りがちな「機会損失」の具体例

では、実際の開発現場で、新人エンジニアがどんな機会損失を生んでしまうのか、具体的な例を見ていきましょう。あなたの身にも、覚えがあるかもしれませんよ…?

例1:「完璧な開発環境」を追求しすぎて、本質的な学びを逃す罠

配属されて最初の1週間。あなたは、これから共に戦う自分のPCの開発環境をセットアップしています。

「最高の環境で、最高のスタートを切るぞ!」

あなたは意気込み、エディタの見た目を美しくカスタマイズし、生産性が上がると言われる無数のプラグインを試し、コマンド一つで全てが実行できるような、自分だけの最強のシェルスクリプトを書き始めました。気づけば、数日が経過。あなたは満足げに、完璧に仕上がった自分の開発環境を眺めています。

さて、この行動の機会損失は何だったでしょうか?

あなたが環境構築に夢中になっていた数日間。もし、そこそこの設定で切り上げて、チームのコードを読み始めたり、簡単なバグ修正に挑戦したりしていたら、どうだったでしょう?

  • チームのプロダクトが、どんな技術で、どんな構造で動いているのかを学べたかもしれない。
  • 初めてのプルリクエストを出し、先輩からレビューをもらうという実践的な経験ができたかもしれない。
  • チームのメンバーに質問することで、コミュニケーションのきっかけが掴めたかもしれない。

これら全てが、あなたが「完璧な環境」を追求したことで失った「機会」です。もちろん、開発環境の整備は大切です。しかし、それに数日もかけることと、チームの一員としてプロダクトへの理解を深めること、どちらが今のあなたにとって価値ある時間の使い方だったでしょうか。答えは、明白ですよね。

例2:「車輪の再発明」に情熱を注いで、ビジネスのスピードを落とす罠

あなたは、ユーザーがアップロードしたCSVファイルを処理する機能の実装を任されました。

「ライブラリに頼るのは、本当の実力がつかない。ここは自力でCSVパーサー(ファイルを解析するプログラム)を作って、技術力をアピールしよう!」

あなたは、CSVの仕様を調べ上げ、エッジケースを考慮し、パフォーマンスにもこだわった、自分だけのCSVパーサーをゼロから作り始めました。確かに、この経験はあなた自身の深い学びに繋がったかもしれません。

しかし、その裏で失われたものは何でしょう?

世の中には、すでに多くのエンジニアによってテストされ、広く使われている、信頼性の高いCSV解析ライブラリが存在します。それを使えば、おそらく半日もかからずに、あなたの本来の目的である「CSVファイルを処理する機能」は完成していたはずです。

あなたがパーサー開発にかけた1週間という時間は、ビジネスの観点から見れば、1週間ぶん機能のリリースが遅れたことを意味します。その1週間で、競合他社が似たような機能をリリースして、あなたの会社は顧客を奪われていたかもしれません。

この「自分で作ること」へのこだわりが生んだ機会損失は、「ビジネスチャンス」そのものだったのです。このような、すでに確立された技術や解決策があるのに、それを知らずに(あるいは意図的に無視して)同じものをゼロから作ることを、「車輪の再発明」と呼びます。エンジニアが最も避けるべきことの一つです。

機会損失の視点を、どう仕事に活かすか?

では、この機会損失という考え方を、これからのエンジニア人生でどう活かしていけば良いのでしょうか。ポイントは3つです。

  1. 常に「目的」を意識する!「この作業は、何のためにやっているんだっけ?」と常に自問自答してください。あなたの目的は、完璧な環境を作ることでも、難しいプログラムを自作することでもありません。あなたの目的は「事業やサービスに貢献すること」のはずです。
  2. 「やらないこと」を決める!時間は有限です。一つのことに時間を使うということは、別のことをやらない、と決めることです。「今、本当にやるべきことは何か?」「もっと価値の高い仕事はないか?」と考え、優先順位をつけましょう。
  3. 迷ったら、すぐに相談する!今のあなたにとって、何が最も価値ある時間の使い方なのか。その判断は、まだ難しいかもしれません。だから、迷ったらすぐに先輩やリーダーに相談してください!「AとBのタスク、どちらを優先すべきですか?」「この機能、ライブラリを使おうと思うのですが、どう思いますか?」と聞ける素直さも、新人エンジニアの重要なスキルです。

あなたの時間は、会社の資産だ

新人エンジニアの皆さん、あなたの時間は、あなただけのものではありません。会社が給料を払っている以上、あなたの時間は会社の貴重な資産でもあります。

その時間を、どんなことに投資するのか。

「機会損失」の視点を持つことは、自分の時間を「最も価値が高まる使い方」へと最適化していくことです。それは、あなたの評価を上げ、エンジニアとしての市場価値を高めることに直結します。

ただコードが書けるだけの「プログラマー」で終わるのか、ビジネス価値を考えて動ける「エンジニア」へと成長するのか。その分かれ道は、この「機会損失」という視点を持っているかどうかにかかっていると言っても、過言ではありません。

さあ、明日から、あなたの「時間」の使い方を少しだけ意識してみませんか?応援しています!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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