標準偏差とは何か?
標準偏差(ひょうじゅんへんさ)は、データのばらつきを測るための指標です。データが平均値(へいきんち)からどれくらい離れているかを示す数値で、データの散らばり具合を表します。日常生活では、データがどれだけ「安定しているか」や「予測しやすいか」を理解するために使われます。
たとえば、試験の点数を考えてみましょう。あるクラスの試験の平均点が70点だったとします。しかし、そのクラスの全員がだいたい70点前後を取った場合と、一部の学生が非常に高得点を取り、一部が非常に低い点数を取った場合では、同じ70点でも状況は異なります。この違いを数値で表すのが標準偏差です。
標準偏差の計算方法
標準偏差を計算する手順は以下の通りです。
1. 平均値を求める
まず、データの平均値を求めます。これはデータ全体の中心を見つけるためです。
例:
5人の学生の点数が以下の通りだとします。
50点、60点、70点、80点、90点
平均値は、すべての点数を合計して、データの数で割ることで求められます。
2. 各データと平均値の差を求める
次に、各データが平均値からどれだけ離れているかを計算します。これを「偏差」と呼びます。
例:
50点の偏差: 50 - 70 = -20
60点の偏差: 60 - 70 = -10
70点の偏差: 70 - 70 = 0
80点の偏差: 80 - 70 = 10
90点の偏差: 90 - 70 = 20
3. 偏差の二乗を求める
偏差をそのまま足すと、正と負が打ち消し合ってしまうので、偏差を二乗して、すべての値を正にします。
例:
50点の偏差の二乗: (-20)² = 400
60点の偏差の二乗: (-10)² = 100
70点の偏差の二乗: (0)² = 0
80点の偏差の二乗: (10)² = 100
90点の偏差の二乗: (20)² = 400
4. 二乗した偏差の平均を求める
次に、これらの二乗した偏差の平均を求めます。これを「分散(ぶんさん)」と呼びます。
5. 標準偏差を求める
最後に、分散の平方根を取ることで、標準偏差が求められます。
この14.14が標準偏差です。
この値が大きいほど、データは平均値から大きく離れて散らばっており、小さいほどデータは平均値の周りに集まっていることを意味します。
標準偏差の解釈
標準偏差が大きい場合、それはデータが広範囲にわたって散らばっていることを示します。逆に、標準偏差が小さい場合、データは平均値に近い値が多く、ばらつきが少ないことを示します。
例えば、2つのテストの結果を比べて、どちらが安定しているかを判断するために標準偏差を使います。あるテストで標準偏差が小さい場合、ほとんどの学生が似たような点数を取ったことがわかります。一方、標準偏差が大きい場合、学生の成績に大きなばらつきがあり、成績が安定していないことがわかります。
今後の学習の指針
標準偏差を理解することで、データのばらつきを数値で表し、分析する能力が向上します。次のステップとして、標準偏差を実際のデータに適用してみたり、他のばらつきを測る指標(たとえば、四分位範囲など)を学んでみましょう。また、標準偏差を使って、統計的な検定やリスク分析など、より高度なデータ分析手法にも挑戦してみると良いでしょう。
投稿者プロフィール
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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