研修講師はエンターテイナーだ!ダンサーとの意外な共通点から学ぶ「惹きつける」技術
こんにちは。ゆうせいです。
みなさんは、研修やセミナーに参加して「退屈だなあ」「眠たいなあ」と感じたことはありませんか?
逆に、あっという間に時間が過ぎて、すごくやる気が出た!という経験もあるのではないでしょうか。
その違いは一体どこにあると思いますか?
実は、素晴らしい研修講師は、ある意味で「ダンサー」と同じような役割を果たしているのです。
「えっ、講師が踊るの?」と驚くかもしれませんが、もちろんステップを踏むわけではありません。
今日は、研修講師とダンサーという一見まったく異なる職業の共通点と相違点を探りながら、人前で話をするときに最も大切な「伝える技術」について、一緒に学んでいきましょう。
研修講師とダンサーの共通点:デリバリースキル
まず、研修講師とダンサーの最大の共通点は「人前に立ち、身体を使って表現する」という点です。
これを専門用語で「デリバリースキル」と呼びます。
デリバリースキルとは?
デリバリー(Delivery)と聞くとピザの配達を思い浮かべるかもしれませんが、研修の世界では「伝え方」のことを指します。
どれだけ良い教科書(コンテンツ)を持っていても、それを届ける方法(デリバリー)が下手だと、受講生の心には届きません。
高校の授業を思い出してください。教科書をただ棒読みする先生の授業は眠かったですよね?
一方で、身振り手振りを使い、声のトーンを変えて話す先生の授業は面白かったはずです。
非言語コミュニケーションの重要性
ここで重要になるのが「非言語コミュニケーション」という言葉です。
これは、言葉以外の情報、つまり「表情」「視線」「ジェスチャー」「立ち居振る舞い」のことを指します。
ダンサーは言葉を使いません。身体の動きだけで感情やストーリーを伝えますよね。
実は研修講師も同じです。
「ここは重要ですよ!」と言うときに、ただ口で言うのと、受講生の目をしっかり見て、手を広げて力強く言うのとでは、伝わり方がまったく違います。
講師は、ステージ(教壇)の上で、言葉という音楽に合わせてパフォーマンスをするエンターテイナーなのです。
研修講師とダンサーの相違点:目的のゴール
では、講師はダンサーのように振る舞えばそれで良いのでしょうか?
ここで、決定的な違いについてお話ししなければなりません。それは「ゴールの違い」です。
ダンサーのゴールは「感動」
ダンサーやアーティストの目的は、観客の心を動かすこと、つまり「感動」や「表現そのもの」にあります。
観客が「すごかった!」「美しかった!」と感じれば、それは大成功です。
講師のゴールは「行動変容」
一方で、研修講師のゴールは「感動」ではありません。
専門用語で「行動変容」と言いますが、これは受講生の行動が良い方向に変わることを指します。
例えば、営業研修を受けたあとに、受講生が「面白かった!」と言って帰っても、翌日から営業成績が上がらなければ意味がありませんよね。
「面白かった」だけでなく、「明日からこれをやってみよう」と思わせ、実際にできるようにさせることが講師の役割なのです。
成果を出すための公式
ここで、研修の成果を最大化するための考え方を、簡単な式で表してみましょう。
言葉と数式が混ざっていますが、このバランスがとても大切です。
研修の成果 コンテンツの質
デリバリースキル
見てください。足し算ではなく、掛け算になっているところがポイントです。
もし、素晴らしい知識(コンテンツの質が100点)を持っていても、伝え方(デリバリースキル)が0点なら、成果は0になってしまいます。
逆に、どんなに話し方がうまくても、中身がなければやはり成果は出ません。
ダンサーのように「魅せる」力(デリバリー)を持ちつつ、中身(コンテンツ)もしっかり届ける。
これがプロの研修講師の姿なのです。
エンターテイナー性を高めるメリットとデメリット
講師がエンターテイナーとしての意識を持つことには、良い面と悪い面の両方があります。
メリット
- 集中力が続く動きや変化があるため、受講生が飽きずに最後まで話を聞いてくれます。
- 記憶に残る感情が動いたときの記憶は定着しやすいと言われています。「楽しかった」という感情とともに、学びの内容が深く刻まれます。
- 場の空気が良くなる講師が明るくエネルギーに満ちていると、その場の雰囲気(これを「場の空気」や「フィールド」と言います)が活性化し、質問や発言が出やすくなります。
デメリット
- 中身が薄くなるリスクパフォーマンスばかりに気を取られ、肝心の「何を教えるか」が疎かになることがあります。これを「ショーマンシップの罠」と呼ぶこともあります。
- 講師だけが満足してしまう受講生を笑わせたり驚かせたりすることに夢中になり、講師自身が気持ちよくなって終わってしまうパターンです。これでは自己満足のステージになってしまいます。
まとめと今後の学習指針
いかがでしたか?
研修講師は単に知識を話すだけの人ではなく、ダンサーのように身体全体を使ってメッセージを届けるエンターテイナーである、ということがお分かりいただけたでしょうか。
しかし、忘れてはいけないのは、その目的が「受講生の行動を変えること」にあるという点です。
今後の学習へのステップ
もしあなたが「人前で話すのがうまくなりたい」「誰かに何かを教えたい」と思っているなら、次のステップとして以下のことに挑戦してみてください。
- TED Talksを見てみる世界中のプレゼンテーション動画が見られる「TED」を見てみましょう。彼らはまさに、コンテンツとデリバリーを極めたエンターテイナーです。「何を話しているか」だけでなく「どう動いているか」「どんな表情をしているか」に注目してください。
- 自分の動画を撮ってみるスマートフォンで、自分が話している姿を3分間だけ撮影してみてください。自分が思っている以上に、無表情だったり、棒立ちだったりすることに驚くはずです。まずは自分の「デリバリー」を知ることから始めましょう。
伝える力は、一生使える武器になります。
さあ、あなたもまずは鏡の前で、笑顔の練習から始めてみませんか?
それでは、またお会いしましょう!
セイ・コンサルティング・グループでは新人エンジニア研修のアシスタント講師を募集しています。
投稿者プロフィール
- 代表取締役
-
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。
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