フリーランスなら知っておきたい契約に関する誤解:知らないと損をする法律の基本
こんにちは。ゆうせいです。
契約というと、「契約書にサインしないと成立しない」と思っている人が多いですが、実はそんなことはありません。意外と誤解されがちな契約の基本について、詳しく解説していきます。
1. 契約書がなくても契約は成立する
多くの人が「契約=契約書を交わすこと」と思い込んでいますが、日本の民法では契約は口約束でも成立します。
契約が成立する条件
契約は「申し込み」と「承諾」があれば成立します。
例えば、
- Aさんが「この商品を1万円で売ります」と言う
- Bさんが「じゃあ、それを買います」と言う
この時点で、法律上は契約が成立しています。
「いやいや、口約束だけじゃダメでしょう?」と思うかもしれませんが、法律的には問題ありません。もちろん、証拠が残らないため、後でトラブルになる可能性が高いのが問題点です。
ポイント:契約書は「契約を証明するための手段」であり、契約そのものを成立させるために必須ではない。
2. 少額の契約では裁判をしても費用倒れ
「契約書を作っておけば、裁判で確実に勝てる!」と思っている人もいますが、それは必ずしも正しくありません。特に少額の契約では、裁判をしても回収できる金額よりも費用がかかることがほとんどです。
裁判にかかる費用と時間
例えば、10万円の未払い代金を回収するために裁判をするとします。
- 裁判所への申立費用:数千円〜1万円
- 弁護士費用:着手金10万円+成功報酬(回収額の〇%)
- 交通費・書類作成費用など:数千円
少なくとも10万円以上かかる可能性があり、勝っても赤字になるケースが多いのです。さらに、判決が出ても相手が払わなければ、強制執行をする必要があり、さらにお金と時間がかかります。
少額の契約では、裁判をするよりも内容証明郵便を送るなどの交渉手段の方が有効な場合が多いです。
3. すべての契約が一方的に解除できるわけではない
「もう嫌だから契約を解除したい!」と思っても、簡単には解除できないケースがあります。
契約解除ができる場合
- 契約書に解除条項がある場合
→ 「○○の理由がある場合は契約解除できる」と書いてあれば、その条件に当てはまれば解除可能。 - 法律上の解除権がある場合
→ 例えば、詐欺や強迫による契約は無効にできる(民法96条)。
しかし、普通の契約では一方的に「やっぱりやめた!」とはできません。違約金が発生することもあります。
4. 「知らなかった」は通用しない
契約書を読まずにサインして、「そんな内容とは思わなかった!」と言っても、法律上は通用しません。契約はサインした時点で同意したとみなされるからです。
よくある失敗例
- スマホの契約で「2年間の縛り」があることを見落として解約金が発生
- サブスクの無料期間が過ぎて自動的に課金された
- 賃貸契約の更新料に気づかず、高額な支払いを求められた
契約書を読むのが面倒でも、重要な部分は必ず確認することが大切です。
5. 会社でも個人でも「契約書のひな形」を鵜呑みにすると危険
ネットには「契約書のひな形」がたくさんありますが、それをそのまま使うとトラブルの原因になります。
契約書のひな形が危険な理由
- ひな形は一般的な内容なので、個別の事情に合っていない
- 法律が改正されていて、内容が古い可能性がある
- 一方的に不利な条項が入っていることがある
契約書を作るときは、自分の状況に合った内容になっているか確認し、不安なら専門家に相談するのがベストです。
まとめ:契約に関する誤解をなくそう!
- 契約書がなくても契約は成立する
- 少額の契約では裁判をしても費用倒れになる可能性が高い
- 一方的に契約を解除できるわけではない
- 「知らなかった」は通用しない
- 契約書のひな形をそのまま使うのは危険
契約は身近なものですが、法律の知識がないとトラブルに巻き込まれることがあります。大切なのは、事前にしっかり確認し、必要に応じて専門家に相談することです。
「ちょっと難しそう…」と思ったかもしれませんが、基本を押さえるだけで、契約トラブルを未然に防ぐことができます!
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投稿者プロフィール

- 代表取締役
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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