AIが画像を理解する魔法の箱?GoogLeNetの画期的な仕組みをプロが徹底解説

こんにちは。ゆうせいです。

みなさんは、スマートフォンで写真を撮ったときに、自動で「猫」や「風景」と分類してくれる機能に驚いたことはありませんか?実は、その裏側には人工知能の歴史を塗り替えた革新的な技術が隠されているんです。

今回は、2014年の画像認識大会で世界を驚かせた GoogLeNet というモデルについて、皆さんに分かりやすくお話しします。難しそうな名前ですが、中身を知ると「なるほど、そんな工夫が!」と納得できるはずですよ。

GoogLeNetとは何か

GoogLeNetを一言で表すと、Googleが開発した、非常に頭が良く、かつ効率的な「画像の鑑定士」です。

それまでのAIは、精度を上げようとして脳の層を厚くすればするほど、計算が複雑になりすぎて動かなくなるという壁にぶつかっていました。しかし、GoogLeNetはこの壁を壊し、深い層を持ちながらもサクサク動くという、魔法のような仕組みを実現したのです。

ここで、画像認識に欠かせない「畳み込み」という専門用語について説明しましょう。

畳み込みとは

畳み込みとは、画像の一部を小さな窓でのぞき込み、その特徴を抜き出す作業のことです。

例えるなら、巨大な間違い探しをするときに、虫眼鏡を使って一部分ずつチェックしていくようなものです。この虫眼鏡の役割を果たすのが、フィルターと呼ばれる部品です。

革命児!インセプションモジュールの正体

GoogLeNetが最も新しかったポイントは、インセプションモジュールという部品を導入したことです。

これまでのモデルは、1つの層に対して1種類の虫眼鏡(フィルター)しか使えませんでした。しかし、インセプションモジュールは「どのサイズの虫眼鏡がいいか迷うなら、全部いっぺんに使っちゃえ!」という豪快なアイデアを採用しました。

具体的には、以下の4つの処理を横並びで同時に行います。

  • 1 \times 1 の畳み込み:点のような細かい特徴を見る
  • 3 \times 3 の畳み込み:標準的な大きさの特徴を見る
  • 5 \times 5 の畳み込み:広範囲の大きな特徴を見る
  • 3 \times 3 のマックスプーリング:多少のズレを無視して重要な場所を探す

皆さんは、何かを探すときに「虫眼鏡」と「広角レンズ」を同時に使えたら便利だと思いませんか?それを実現したのが、この仕組みなのです。

1x1畳み込みの魔法

ここで「1 \times 1 の畳み込みなんて意味があるの?」と疑問に思った方もいるでしょう。実は、これがGoogLeNetの影の主役です。

1 \times 1 の畳み込みは、画像の見た目の大きさは変えずに、情報の密度(チャンネル数)だけをギュッと凝縮する役割を持っています。

例えるなら、たくさんの具材が入ったスープを煮詰めて、味の濃さはそのままに量を減らすようなものです。情報の種類を減らすことで、その後の重たい計算(3 \times 3 や 5 \times 5)を楽にさせているのです。

GoogLeNetのメリットとデメリット

この画期的なモデルには、当然良い面もあれば、苦労した面もあります。

メリット

  • 計算効率が抜群に良い:情報の凝縮を行っているため、スマホのような限られたパワーでも動きやすいです。
  • 多様な特徴を捉えられる:大小様々なフィルターを同時に使うため、画像の中の小さな物体も大きな物体も見逃しません。

デメリット

  • 構造が非常に複雑:設計図が迷路のように入り組んでいるため、一から自分で作るのは一苦労です。
  • 学習が難しい:層が深すぎて、後ろの方まで正解のヒント(勾配)が届きにくいという問題がありました。

この「ヒントが届かない問題」を解決するために、GoogLeNetは途中の層にも「テスト(補助分類器)」を設けて、こまめに答え合わせをするという工夫まで凝らしています。至れり尽くせりですね!

知識を整理しよう

これまでの内容を、表でまとめてみました。

項目内容
核心技術インセプションモジュール
計算削減の手法1 \times 1 畳み込みによる次元削減
構造の特徴横に広く、縦に深い(22層)
最大の武器少ない計算量で高い精度を出せる効率性

今後の学習の指針

GoogLeNetの登場によって、AIの設計は「ただ深くする」から「いかに賢く効率化するか」というフェーズに進化しました。

もし皆さんがさらに深く学びたいなら、次は以下のステップに進んでみてください。

  1. ResNetを調べる:GoogLeNetの後に登場した、さらに層を深くするための「近道」を作る技術です。
  2. Pythonで動かしてみる:PyTorchやTensorFlowという道具を使えば、この複雑なGoogLeNetを数行のコードで呼び出して使うことができます。
import torchvision.models as models
# GoogLeNetの学習済みモデルを呼び出す
model = models.googlenet(pretrained=True)
# これだけで、世界一を獲った頭脳があなたの手元に!

最新のAI技術を知ることは、未来の目を持つことと同じです。今回の話が、皆さんのワクワクする第一歩になれば嬉しいです!

次は、さらに進化したResNetの驚きの仕組みについて一緒に見ていきませんか?

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。

学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。