インボイス未登録のフリーランスと取引先の税負担の関係
こんにちは。ゆうせいです。
フリーランスとして活動する際、インボイス制度(適格請求書等保存方式)への登録を検討する場面が増えています。この制度は、消費税の納税に関わるルールを定めたものです。研修講師が、インボイス未登録のフリーランスへ発注する企業の立場を理解することは、円滑な取引を継続するために重要です。
ここでは、インボイス未登録のフリーランスへ発注した場合に、なぜ発注先企業の消費税負担が増えるのかという仕組みを解説します。
消費税の納税と仕入税額控除の仕組み
日本の消費税制度には、二重課税を防ぐための仕入税額控除というルールがあります。事業者は、売上とともに受け取った消費税から、仕入れや経費で支払った消費税を差し引いた金額を国に納めます。
仕入税額控除の具体例
例えば、企業が顧客から1,100円(うち消費税100円)を受け取り、外部の講師に報酬として550円(うち消費税50円)を支払った場合を考えます。 本来であれば、企業は顧客から預かった100円から、講師に支払った50円を差し引いた、残りの50円を国に納税します。
インボイス未登録の場合の変化
インボイス制度が導入されたことにより、この差し引き計算を行うためには、相手方が発行する適格請求書(インボイス)が必要となりました。 フリーランスがインボイス未登録の場合、発注先企業は支払った50円を差し引くことができません。結果として、企業は顧客から預かった100円をそのまま全額納税する必要があります。
この状態を比喩で表現すると、バケツ(企業)に溜まった水(消費税)を、以前は穴(仕入税額控除)から逃がすことができましたが、インボイスがないとその穴が塞がってしまうようなものです。企業は、手元に残るはずだった資金から、本来ならフリーランスが納めるべき性質の税金を肩代わりして納めている状態になります。
インボイス未登録によるメリットとデメリット
この状況における影響を、客観的な事実に基づいて整理します。
発注先企業(買い手)側の視点
- デメリット:仕入税額控除が適用できないため、実質的な納税額が増加し、キャッシュフローが悪化します。
- デメリット:納税負担を回避するために、登録済みの別の講師へ発注先を変更する、あるいは価格交渉を行うといった事務的・心理的なコストが発生します。
フリーランス(売り手)側の視点
- メリット:適格請求書発行事業者の登録申請を行わないことで、消費税の申告・納税義務を免除される免税事業者の地位を維持できます。
- デメリット:取引先から消費税相当分の値下げを求められたり、新規案件の獲得において競争力が低下したりするリスクが生じます。
取引継続に向けた学習のステップ
インボイス制度が取引に与える影響を正しく理解した後は、以下の順序で学習と対応を進めることを推奨します。
- 経過措置の確認 制度開始から一定期間は、インボイスがなくても支払った消費税の一定割合(80%や50%)を差し引くことができる経過措置が設けられています。まずはこの期間と割合を正しく把握してください。
- 自身の収益シミュレーション 課税事業者になった場合の納税額と、免税事業者のまま値下げを受け入れた場合の収益を比較検討します。
- 取引先との合意形成 現状の負担関係を理解した上で、価格設定や契約条件について取引先と論理的な話し合いを行い、双方が納得できる着地点を見つけてください。
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投稿者プロフィール

- 代表取締役
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。

