ITソリューション営業で商談を前に進める8つの実践スキル|新人営業向けにヒアリング・提案・クロージングを解説

こんにちは。ゆうせいです。

今回は、ITソリューション営業向けに「商談で使える8つの実践スキル」を解説します。

ITソリューション営業は「説明がうまい人」ではなく「商談を設計できる人」が強い

新人営業のうちは、どうしても商品説明を上手に話すことに意識が向きます。

この機能を説明しなきゃ
導入事例を話さなきゃ
料金プランを伝えなきゃ
競合との違いを説明しなきゃ
デモをうまく見せなきゃ

もちろん、説明力は大切です。

しかし、ITソリューション営業では、説明がうまいだけでは受注できません。

なぜなら、お客様は単に機能を買うわけではないからです。

お客様が本当に買いたいものは、業務改善、売上向上、コスト削減、リスク低減、現場定着、経営判断のスピードアップです。

たとえば、SFAを売る場合を考えてみましょう。

SFAとは、Sales Force Automationの略で、営業活動を管理・効率化するシステムです。

お客様は「案件管理画面」そのものが欲しいわけではありません。

本当に欲しいのは、営業マネージャーが案件状況を早く把握でき、失注リスクを早めに見つけられ、チームの売上を伸ばせる状態です。

つまり、ITソリューション営業は、商品説明係ではありません。

お客様が抱える課題を整理し、解決までの道筋を一緒に作る仕事です。

そこで必要になるのが、商談を設計するスキルです。

今回紹介する8つの実践スキル

番号スキル商談での役割
1集中環境を整える商談冒頭でお客様の注意を提案に向ける
2目的・時間・進め方を合意する売り込みではなく共同作業の空気を作る
3第三者の事例で反論を和らげる営業とお客様の対立構造を避ける
4値引きやトライアル要求の背景を聞く表面的な要望ではなく本音を確認する
5感情をヒアリングする課題への本気度や理想像を深掘りする
6お客様の言葉を拾って返す信頼感と理解の深さを示す
7できない約束はしない短期受注より長期信頼を優先する
8お客様自身に選ぶ理由を語ってもらうクロージングの納得感を高める

どのスキルも、特別な才能が必要なものではありません。

新人営業でも、意識すれば明日から使えます。

ただし、丸暗記で使うと不自然になります。

大切なのは、フレーズではなく「なぜその一言が効くのか」を理解することです。

1. 集中環境を整える

最初のスキルは、商談冒頭で集中環境を整えることです。

オンライン商談でも対面商談でも、お客様は必ずしも商談だけに集中しているとは限りません。

Warning

別のメールを見ている
チャット通知が気になっている
直前の会議のことで頭がいっぱい
スマートフォンを見ている
資料を開いているが話は聞けていない





営業側は一生懸命に説明している。

でも、お客様は半分しか聞いていない。

この状態で提案を進めると、後から「結局、何が良いのか分からなかった」と言われます。

怖いですよね。

だから、商談の冒頭で、お客様の注意を整える必要があります。

注意を整えるとは、「今からこの話に集中する時間にしましょう」と場を作ることです。

ITソリューション営業での使い方

たとえば、生成AIツールを営業部門に提案する商談を想像してください。

お客様の営業部長は忙しく、商談時間は30分しかありません。

そのとき、いきなり資料を説明し始めるのではなく、次のように入ります。

本日は30分という限られたお時間ですので、
御社の営業活動に関係するポイントに絞ってお話しします。

特に、営業資料作成、商談準備、議事録整理の3点は、
御社でも効果が出やすい可能性があります。

途中で気になる点があれば、資料よりもそちらを優先して進めます。





このように伝えると、お客様は「自分に関係がある話だ」と感じやすくなります。

ただ資料を読むのではなく、相手の時間を大切にしている姿勢も伝わります。

強く言いすぎないことが大切

注意してほしいのは、「パソコンを閉じてください」「スマホを見ないでください」と強く言いすぎないことです。

関係性ができていない新人営業が、いきなり強い言い方をすると、相手は不快に感じるかもしれません。

ITソリューション営業では、次のようにやわらかく集中を促す方が使いやすいです。

本日は重要な判断材料になる部分を短く整理してお伝えしますので、
最初の10分だけ、ぜひ画面共有の資料を一緒にご確認いただけますと幸いです。

この言い方なら、相手に命令していません。

「お客様にとって大切な情報なので、一緒に確認したい」という形になります。

商談の集中力は、営業が作るものです。

流れに任せるな!

冒頭で場を整えましょう。

2. 目的・時間・進め方を合意する

2つ目のスキルは、商談の目的、時間配分、進め方を最初に合意することです。

新人営業は、商談が始まるとすぐに自己紹介や会社説明に入りがちです。

Warning

弊社は〇〇年創業で
〇〇社に導入実績があり
今回ご紹介する製品は
まず会社概要からご説明します





この入り方が必ず悪いわけではありません。

ただし、お客様からすると「今日は何の時間なのか」が見えにくいことがあります。

ITソリューション営業では、商談の最初に進め方を合意した方がよいです。

なぜなら、IT商材は説明できることが多すぎるからです。

機能、価格、導入事例、連携、セキュリティ、サポート、導入ステップ、競合比較。

全部話そうとすると、時間が足りません。

進め方を合意するトーク例

Success

本日は30分いただいていますので、
最初の10分で御社の現状と課題感を伺い、
次の15分で関係しそうな解決策をご紹介し、
最後の5分で次回確認事項を整理する流れでいかがでしょうか。

もしお話を伺った結果、
弊社のサービスが合わないと判断した場合は、
無理にご提案せず、今後検討すべき観点だけ整理して終えられればと思います。





この一言には、いくつかの効果があります。

要素効果
時間配分を伝えるお客様が安心して参加できる
先にヒアリングすると伝える売り込み感が下がる
合わなければ提案しないと伝える信頼感が生まれる
最後に整理すると伝える次のアクションが曖昧になりにくい

このように進めると、営業とお客様が対立しにくくなります。

営業は売り込む人ではなく、課題を整理するパートナーに見えます。

IT商談では「提案許可」を取る

特におすすめなのが、提案に入る前に許可を取ることです。

ここまで伺った内容ですと、
営業会議前の集計工数と案件の見える化が大きなテーマだと理解しました。

この課題に対して、弊社のSFAでお役に立てそうな部分がありますので、
ここから5分ほど具体的な解決イメージをご紹介してもよろしいでしょうか。





このように言うと、お客様は提案を聞く準備ができます。

いきなり説明するのではなく、「聞く理由」を作ってから話すのです。

商談は、営業の独演会ではありません。

お客様と一緒に進める共同作業です。

3. 第三者の事例で反論を和らげる

3つ目のスキルは、第三者の事例を使うことです。

お客様から反論や懸念が出たとき、営業はつい正面から否定したくなります。

高いですね
        ↓
高くありません

現場が使わないと思います
        ↓
いえ、使いやすいです

今は必要ないです
        ↓
いえ、今導入すべきです




この返し方は、営業とお客様が対立しやすくなります。

お客様は自分の意見を否定されたと感じます。

そこで使えるのが、第三者の事例です。

第三者の事例とは、自分の主張ではなく、他社や過去のお客様の経験を使って説明する方法です。

価格が高いと言われた場合

たとえば、勤怠管理システムの提案で「月額費用が高い」と言われたとします。

悪い返し方は、次のようなものです。

Danger

高くはありません。
この機能なら妥当な価格です。





これでは、お客様の感覚を否定しています。

第三者の事例を使うと、次のように言えます。

Success

たしかに、初期費用だけを見ると高く感じられるお客様もいらっしゃいます。

一方で、同じように複数拠点の勤怠管理をされていた企業様では、
月末の集計作業と修正対応にかなり時間がかかっていました。

導入後は、管理部門の確認時間が減ったことで、
費用だけでなく、運用負荷の削減を評価いただいたケースがあります。





この言い方なら、お客様の感覚を否定していません。

「同じように感じた企業もあった」と受け止めています。

そのうえで、別の判断軸を提示しています。

第三者事例を使うときの注意点

第三者事例は便利ですが、盛ってはいけません。

実在しない事例や、効果が確認できていない数字を使うと信頼を失います。

避けるべき言い方安全な言い方
どの会社でも必ず効果が出ます同じ課題を持つ企業様で効果が出たケースがあります
絶対に現場へ定着します定着支援を行うことで利用率が上がった事例があります
確実にコスト削減できます現在の運用工数によって削減余地は変わります
他社も全員使っています同業界で導入が進んでいる領域です

第三者事例は、お客様を説得するための武器ではありません。

お客様が判断する材料を増やすための情報です。

事例を使って、選択肢を広げましょう。

4. 値引きやトライアル要求の背景を聞く

4つ目のスキルは、値引きやトライアル要求の背景を聞くことです。

ITソリューション営業では、次のような要望を受けることがあります。

Warning

もう少し安くなりませんか。
無料トライアル期間を延ばせませんか。
半年くらい試してから決めたいです。
まずは小さく無償で使えませんか。
成果が出たら本契約を考えます。





新人営業は、こう言われると焦ります。

「値引きしないと失注するかも」と思うからです。

しかし、すぐに金額や期間の話に入ると危険です。

なぜなら、お客様の本当の不安が見えないまま交渉に入ってしまうからです。

悪い対応

Danger

いくらならご検討いただけますか。
何か月ならよろしいでしょうか。
上司に確認してみます。
特別に値引きします。





この対応は、一見お客様に寄り添っているように見えます。

しかし、実際にはお客様の要望に引っ張られているだけです。

背景を聞く対応

値引きやトライアルの話が出たら、まず背景を確認します。

Success

ありがとうございます。
金額や期間についてご相談いただいた背景を確認させてください。

今回、価格面が一番の懸念でしょうか。
それとも、現場に定着するかどうかを見極めたいという意味合いが大きいでしょうか。





この質問をすると、値引きの裏側が見えます。

表面的な要望裏側にある可能性
安くしてほしい予算が足りない、効果に確信がない、比較材料が不足している
トライアルを延ばしたい現場定着が不安、判断者が多い、評価基準が曖昧
成果が出たら契約したい導入効果を測る指標が決まっていない
まず無料で試したい本気度がまだ低い、社内合意が取れていない

背景が分かれば、対応は変わります。

価格が問題なら、プラン調整や段階導入を考えます。

定着が不安なら、オンボーディングや利用促進施策を提案します。

効果測定が不安なら、評価指標を一緒に設計します。

値引き要求は、ピンチではありません。

お客様の本音を聞くチャンスです。

5. 感情をヒアリングする

5つ目のスキルは、感情をヒアリングすることです。

ITソリューション営業では、数字や機能の話が多くなります。

月間工数
削減率
利用人数
ライセンス数
API連携
セキュリティ要件
導入スケジュール
費用対効果




どれも大切です。

しかし、人は数字だけで意思決定しているわけではありません。

お客様の中には、感情もあります。

現場から不満を言われてつらい
経営会議で説明できず悔しい
過去のシステム導入失敗が怖い
部下にもっと前向きに働いてほしい
営業チームを変えたい
このままではまずいと感じている





この感情を聞ける営業は強いです。

なぜなら、本気度が分かるからです。

感情を聞く質問例

Success

この状況が続いていることで、現場の皆さんはどのように感じていそうですか。
営業会議で毎回同じ課題が出るとき、マネージャーとしてはどのようなもどかしさがありますか。
過去にシステム導入がうまくいかなかったとき、何が一番大変でしたか。
今回のプロジェクトがうまくいったら、チームの雰囲気はどう変わりそうですか。
部門長として、今回一番変えたい空気感は何ですか。





このような質問は、単なる情報収集ではありません。

お客様が課題を自分ごととして捉えるきっかけになります。

IT商談で感情を扱うときの注意点

感情を聞くといっても、深く踏み込みすぎてはいけません。

特に初回商談では、相手との関係性がまだ浅いです。

いきなり個人的な感情を聞くと、不自然になります。

最初は、業務上の感情から聞くとよいです。

聞きやすい感情聞き方
現場の負担感この作業について、現場の方から不満や負担の声は出ていますか。
管理者のもどかしさマネージャーとして、今の運用で一番もどかしい点はどこですか。
過去の失敗への不安過去の導入で、今回繰り返したくないことはありますか。
理想への期待この仕組みが定着したら、チームにどんな変化を期待されますか。

感情を聞けると、提案の言葉が変わります。

単なる機能説明ではなく、お客様の思いに沿った提案になります。

数字だけ見るな。

お客様の気持ちも見ましょう。

6. お客様の言葉を拾って返す

6つ目のスキルは、お客様の言葉を拾って返すことです。

ヒアリング中、お客様は何気なく独自の言葉を使うことがあります。

営業の属人化を何とかしたい
現場力を取り戻したい
案件管理を再起動したい
勘と経験の営業から脱却したい
データで会話できる組織にしたい
情報共有の温度差をなくしたい




こうした言葉には、お客様の考えや問題意識が詰まっています。

営業は、その言葉を聞き流してはいけません。

言葉を拾うトーク例

Success
今、「勘と経験の営業から脱却したい」とおっしゃいましたが、
その言葉にはどのような背景がありますか。
「情報共有の温度差」という表現をされましたが、
具体的にはどの部門間で差を感じていますか。
「営業会議を報告の場から改善の場にしたい」とおっしゃった点が印象的でした。
今の会議では、どの部分が報告中心になっているのでしょうか。
このように返すと、お客様は「ちゃんと聞いてくれている」と感じます。

さらに、自分が使った言葉をきっかけに、深く話してくれることがあります。

提案書にもお客様の言葉を使う

お客様が使った印象的な言葉は、提案書にも反映しましょう。

たとえば、お客様が「営業会議を報告の場から改善の場にしたい」と言ったなら、提案書のタイトルや課題整理に使えます。

営業会議を「報告の場」から「改善の場」へ変えるSFA活用提案

このタイトルは、一般的な提案書よりも刺さります。

なぜなら、お客様自身の言葉を使っているからです。

営業が勝手に作った言葉ではなく、お客様が感じている課題をそのまま反映しています。

言葉を拾え!

お客様の言葉は、提案の材料になります。

7. できない約束はしない

7つ目のスキルは、できない約束をしないことです。

ITソリューション営業では、お客様から強い確認を受けることがあります。

Warning

導入すれば必ず売上が上がりますか。
3か月で利用率80%まで持っていけますか。
必ず残業時間を半分にできますか。
絶対に現場に定着しますか。
既存システムとは問題なく連携できますよね。





営業としては、前向きに答えたくなります。

受注が近い場面なら、なおさらです。

しかし、保証できないことを約束してはいけません。

短期的には受注できるかもしれません。

でも、導入後に成果が出なければ信頼を失います。

悪い対応

Danger

はい、必ず売上は上がります。
絶対に定着します。
問題なく連携できます。
3か月で成果が出ます。





この言い方は危険です。

自社だけでコントロールできない要素まで約束しているからです。

ITソリューションの成果は、ツールだけで決まりません。

現場の利用状況
管理者の関わり方
入力ルール
運用設計
社内教育
経営層のコミット
既存システムとの関係

さまざまな要素で変わります。

誠実な対応

Success

現時点で、売上向上を必ず保証するとは申し上げられません。

ただし、案件情報の入力ルールを整え、
マネージャーが週次で活用し、
失注リスクの早期発見まで運用に組み込めれば、
売上改善につながる可能性は高められます。

そのために、導入前に成功条件を一緒に設計させてください。





この言い方なら、できないことはできないと伝えています。

同時に、成果を高めるための条件も示しています。

お客様から見ると、誠実な営業に見えます。

できないと言うだけで終わらない

「できません」と言うだけでは、商談が止まります。

大切なのは、できない理由と、できる範囲をセットで伝えることです。

聞かれたこと誠実な返し方
売上向上を保証できますか売上そのものは保証できませんが、営業活動の見える化と改善サイクルづくりは支援できます。
必ず現場に定着しますか定着を保証することは難しいですが、管理者研修、利用ルール設計、定着レポートで支援できます。
絶対に連携できますか現時点では断定できません。API仕様と既存システムの条件を確認したうえで可否を判断します。
3か月で成果が出ますか成果指標によります。まずは3か月で見るべきKPIを一緒に定義するのが現実的です。

受注はゴールではありません。

お客様と課題解決を始めるスタートです。

だから、できない約束をしてはいけません。

8. お客様自身に選ぶ理由を語ってもらう

最後のスキルは、お客様自身に選ぶ理由を語ってもらうことです。

クロージングの場面で、営業が一方的に押すと、お客様は引いてしまうことがあります。

Warning

ぜひ導入してください
今決めてください
このプランが一番おすすめです
他社より弊社の方が良いです

このように営業が言い続けるより、お客様自身に「なぜ良いと思うのか」を話してもらう方が強いです。

人は、他人に説得されるより、自分の言葉に説得されやすいからです。

クロージングで使える質問

Success
ここまでご覧いただいて、御社に合いそうだと感じた点はどこでしょうか。
今回の課題に対して、弊社の提案が役に立ちそうだとすると、どの部分が一番大きいでしょうか。
他の選択肢と比べたときに、今回の提案で評価いただけそうな点はありますか。
社内で説明するとしたら、どの価値を一番伝えると前に進みやすそうでしょうか。

この質問をすると、お客様は自分の言葉で価値を整理します。

たとえば、SFA提案なら次のような答えが出るかもしれません。

営業会議の前に集計しなくてよくなるのは大きいです。
マネージャーが案件状況を見やすくなる点は評価できます。
入力画面が分かりやすいので、現場にも使ってもらいやすそうです。
社内説明では、失注リスクを早めに見つけられる点を伝えたいです。





ここまでお客様が言葉にできれば、商談はかなり前に進みます。

特に大企業の商談では、目の前の担当者が社内で説明する必要があります。

担当者自身が価値を語れる状態を作ることが重要です。

他社ではダメなのかを丁寧に確認する

クロージングでは、競合との違いも整理する必要があります。

ただし、競合を悪く言ってはいけません。

次のように聞くとよいです。

Success
他社様のご提案もある中で、
今回の選定で最も重視したい条件は何でしょうか。
弊社の提案が合いそうだと感じていただいている場合、
それは機能面、運用支援、導入後の定着支援のどの部分が大きいでしょうか。
この聞き方なら、競合批判になりません。

お客様の判断基準を整理できます。

クロージングは、押し込む時間ではありません。

お客様が自分で納得する理由を言語化する時間です。

商談の流れに8つのスキルを組み込む

ここまで紹介した8つのスキルは、バラバラに使うものではありません。

商談の流れに合わせて使うと効果的です。

商談フェーズ使うスキル目的
冒頭集中環境を整えるお客様の注意を商談に向ける
冒頭目的・時間・進め方を合意する安心して参加できる流れを作る
ヒアリングお客様の言葉を拾って返す本音と背景を引き出す
ヒアリング感情をヒアリングする課題への本気度を確認する
提案第三者の事例で反論を和らげる判断材料を増やす
交渉値引きやトライアル要求の背景を聞く表面的な要望の裏側を見る
終盤できない約束はしない長期的な信頼を守る
クロージングお客様自身に選ぶ理由を語ってもらう納得感を高める

新人営業は、まず商談冒頭の2つから始めるとよいです。

集中環境を整える。

目的、時間、進め方を合意する。

この2つだけでも、商談の空気は変わります。

ITソリューション営業で使える実践トーク集

商談冒頭

本日は30分いただいていますので、
最初に御社の現状を確認し、
その後、関係しそうな解決策だけ絞ってご紹介します。

もし合わないと感じた場合は、無理に提案を進めず、
今後検討すべき観点だけ整理できればと思います。




集中を促す

最初の10分で、御社に関係しそうなポイントを整理してお伝えします。
特に、現場定着と費用対効果の部分は重要だと思いますので、
一緒に画面をご確認いただけますと幸いです。




値引き要求の背景確認

価格面についてご相談いただきありがとうございます。
確認させていただきたいのですが、
今回の懸念はご予算とのギャップが大きいでしょうか。
それとも、効果に対してまだ確信が持てないという意味合いが大きいでしょうか。




トライアル要求の背景確認

トライアルをご希望される背景を確認させてください。
現場が使えるかを見たいということなのか、
効果測定の基準を確認したいということなのか、
どちらの意味合いが近いでしょうか。




できない約束への対応

現時点で、売上向上を必ず保証するとは申し上げられません。

ただ、案件情報を見える化し、
マネージャーが週次で改善アクションを取れる状態を作ることで、
売上改善につながる可能性を高めることはできます。

その前提条件を一緒に整理させてください。




クロージング

ここまでお話しした中で、
御社にとって一番価値がありそうだと感じた点はどこでしょうか。

もし社内で説明される場合、
どのポイントを中心に伝えると前に進みやすそうですか。




新人営業がやりがちな失敗

失敗なぜ問題か改善策
商談冒頭から会社説明を始めるお客様が聞く準備をできていない目的と進め方を先に合意する
反論を正面から否定する対立構造になる第三者事例で判断材料を出す
値引き要求にすぐ応じる本当の不安が見えないなぜ必要なのか背景を聞く
機能と数字だけで提案するお客様の感情や本気度が見えない業務上のもどかしさや理想も聞く
できない効果を約束する導入後に信頼を失うできる範囲と条件を明確にする
最後に押し込むお客様が納得しないまま進むお客様自身に選ぶ理由を語ってもらう

営業は勢いだけでは続きません。

特にITソリューション営業では、導入後の成果まで問われます。

だからこそ、商談中から誠実に、丁寧に、お客様の本音を確認する必要があります。

まとめ

ITソリューション営業では、商品説明のうまさだけでは商談は進みません。

お客様が集中して話を聞ける場を作る。

商談の目的と進め方を合意する。

反論には第三者の事例で向き合う。

値引きやトライアル要求の背景を聞く。

感情や独自の言葉を拾う。

できない約束をせず、最後はお客様自身に選ぶ理由を語ってもらう。

この積み重ねが、信頼される営業につながります。

スキル一言でいうと
集中環境を整える商談に向き合う場を作る
目的・時間・進め方を合意する売り込みではなく共同作業にする
第三者の事例を使う反論を対立にしない
要求の背景を聞く値引きやトライアルの裏側を見る
感情を聞く課題への本気度をつかむ
言葉を拾うお客様の認識に寄り添う
できない約束はしない長期の信頼を守る
選ぶ理由を語ってもらう納得感あるクロージングにする

一言でまとめるなら、ITソリューション営業の商談力とは「話す力」ではなく「お客様が安心して考え、話し、選べる場を作る力」です。


目的と進め方を合意する

お客様の言葉と感情を拾う

反論や要求の背景を聞く

できることとできないことを誠実に伝える

お客様自身に選ぶ理由を語ってもらう

信頼される営業になる

商談の場を整える

今後の学習では、今回の8つのスキルに加えて、SPIN話法、BANT、課題整理、潜在ニーズの発見、反論対応、ROI提案、提案書作成、テストクロージングを順番に学ぶとよいです。まずは次の商談で、冒頭に「本日の目的、時間配分、最後に確認したいこと」を伝えるところから始めてみましょう!

セイ・コンサルティング・グループでは新人エンジニア研修のアシスタント講師を募集しています。

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
海外放浪の末、2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。

学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。