ONUとは?

ONU(Optical Network Unit、光ネットワークユニット)とは、光ファイバー通信において、デジタル信号を家庭や企業のネットワーク機器に伝えるために使われる装置です。光ファイバー通信は、データを光信号に変換して送信する技術です。その光信号を電気信号に変換し、ルーターやパソコンなどに接続可能な形にするために、このONUが必要になります。

少し難しく感じるかもしれませんが、簡単に言えば、光ファイバーで送られてくる高速なインターネット信号を、私たちが普段使っているネット機器が理解できる形に「変換する機械」がONUです。

ONUの役割

1. 光信号を電気信号に変換する

光ファイバーはデータを光として送信しますが、私たちのパソコンやスマートフォンはその光信号を直接扱うことができません。ここでONUが登場し、光ファイバーで送られてきた信号を、電気的な信号に変換して機器に伝える役割を果たします。

2. 逆方向も対応可能

逆に、インターネットへ情報を送り返す場合も、ONUが電気信号を光信号に変換し、データセンターなどに送り返すことができます。

実生活での例え

ONUを、郵便物を翻訳する「翻訳機」と考えてみてください。あなたが書いた手紙が異なる言語で相手に届けられる場合、そのままでは相手は理解できません。ここで「翻訳機」が登場し、手紙を相手の分かる言語に変えてくれます。そして、逆に相手が書いた手紙も、あなたの分かる言語に変換してくれます。ONUは、光の信号(光信号)を私たちの機械が理解できる「言語」(電気信号)に変換し、また逆に私たちが送り返す信号を光の信号に変える、という働きをします。

ONUとルーターの違い

「ONUってルーターとどう違うの?」と疑問に思うかもしれません。ルーターとONUは、似たような場所に設置されますが、実際には異なる役割を持っています。

1. ONUの役割

前述のように、光信号と電気信号の変換を行います。インターネットの入り口で、光ファイバーを使った通信を家庭やオフィスのネットワークに届けます。

2. ルーターの役割

ルーターは、家の中やオフィスの中で複数のデバイス(パソコン、スマホ、ゲーム機など)をインターネットに接続させる役割を担います。ONUと直接接続されたルーターが、各デバイスにネットワークを分配します。

ONUを使うメリットとデメリット

メリット

  • 高速なインターネット接続
    光ファイバー通信は、一般的に非常に高速です。特に、大量のデータを送受信するストリーミングやオンラインゲーム、ビデオ会議に適しています。
  • 安定した接続
    光ファイバーは外部の電磁波の影響を受けにくいため、接続が安定しやすいです。これにより、通信障害が少なく、安定したインターネット環境が確保できます。

デメリット

  • 設置が必要
    ONUを使用するためには、光ファイバーが自宅やオフィスまで引かれている必要があります。新たに光回線を設置するには、工事が必要で、その分時間と費用がかかる場合があります。
  • 物理的なスペースが必要
    ONUは比較的小さな装置ですが、設置するための場所が必要です。また、ルーターやその他のネットワーク機器とともに使うため、配線が増える可能性もあります。

今後の学びの指針

ONUの役割を理解すると、インターネットがどのように私たちのデバイスに届くかの仕組みがよりクリアになります。次のステップとして、光ファイバー通信の技術や、インターネットの基盤となる「ネットワークトポロジー(ネットワークの構造)」について学んでみると、さらに知識が深まります。

また、ONUが果たす役割は、5G通信や将来のネットワーク技術においても重要です。これらの新しい通信技術との関連性についても学んでみると、次世代の通信がどう進化していくのかを予測できるようになります。