「専門用語を噛み砕いて説明する」ことが新人エンジニア研修講師になぜ必要か?
こんにちは。ゆうせいです。
新人エンジニア研修では、専門用語の解説が講師の重要な役割の一つです。しかし、専門用語をそのまま説明しても、受講者が理解しづらいことがありますよね。そのため、専門用語を噛み砕いて説明する技術は、講師にとって欠かせないスキルです。
今日は、専門用語をわかりやすく伝える方法と、それを効果的に研修に活用するポイントをお伝えします。
専門用語を噛み砕いて説明する重要性
1. 受講者の理解を深める
新人エンジニアは、専門用語を初めて聞くことが多いです。その用語の意味がわからないと、以降の研修内容に影響が出ることもあります。たとえば、「クラス」や「メソッド」といった基本的なプログラミング用語を理解していないと、オブジェクト指向を説明しても受講者は混乱してしまいます。
2. 専門用語へのアレルギーを減らす
専門用語は初めて聞くと難しそうに感じるものです。しかし、例え話や身近な例を使って説明することで、受講者は「実はそれほど難しくない」と感じられるようになります。
3. 実際の業務につながる
業務では専門用語が飛び交う場面が多いです。新人のうちに専門用語の基礎をしっかり理解しておくことで、実務での会話やドキュメント理解がスムーズになります。
噛み砕いて説明するためのステップ
ステップ1:用語の意味をシンプルに説明する
まず、その専門用語が何を意味しているのかを簡単な言葉で説明します。
たとえば、「アルゴリズム」を説明する場合:
- 難しい説明:アルゴリズムとは、計算問題を解決するための有限の手順を指します。
- 噛み砕いた説明:アルゴリズムとは、「問題を解決するための料理のレシピ」のようなものです。手順通りに進めれば結果が出ます。
ステップ2:具体例を挙げる
実際の例を用いて説明することで、受講者がイメージしやすくなります。
たとえば、「スタック」を説明するとき:
- シンプルな説明:スタックは「後入れ先出し(LIFO)」のデータ構造です。
- 具体例:スタックは、洗い物の積み重ねと同じです。一番最後に置いたお皿を最初に洗いますよね。
ステップ3:専門用語の背景を補足する
専門用語の背景や用途を伝えることで、理解が深まります。
たとえば、「データベース」を説明するとき:
- 背景補足:「データベースは、たくさんの情報を効率的に整理して、必要なときにすぐ取り出せる仕組みです。大規模なショッピングサイトでは、商品の在庫や価格がデータベースで管理されています。」
ステップ4:受講者に問いかける
説明のあとに、「この例えでわかりますか?」や「他に思いつく例はありますか?」と問いかけて、受講者の理解度を確認しましょう。
より効果的に説明するためのコツ
1. 身近な例えを使う
新人エンジニアは、まだ技術的な知識が少ない場合が多いので、日常生活に関連する例えを使うと効果的です。
- 例:「クラス」
クラスは設計図で、そこから作られる「オブジェクト」は製品です。たとえば、「車のクラス」を使って「トヨタの車」「ホンダの車」を作る、といったイメージです。
2. 図解やフローチャートを活用する
文章だけで説明するのが難しい場合は、図やフローチャートを用いると視覚的に理解しやすくなります。
- 例:ネットワークの構造を説明するときに、単に「サーバーとクライアントの関係」を話すのではなく、図で矢印を描いてデータの流れを示します。
3. 関連する用語を比較する
似ているけれど違う用語がある場合は、違いを明確にすることで理解が深まります。
- 例:「スタック」と「キュー」
- スタックは最後に入れたものが最初に出る(後入れ先出し)。
- キューは最初に入れたものが最初に出る(先入れ先出し)。
→「スタックは洗い物、キューは列に並ぶ行列」と例えると違いがわかりやすくなります。
4. 難易度を段階的に上げる
最初から専門用語を細かく説明しすぎると、受講者は混乱します。基本的な用語を簡単に説明したあと、徐々に詳しい内容を追加していきます。
5. 受講者に用語を説明させる
受講者にその用語を他の人に説明する役割を与えることで、理解が定着します。間違いがあれば講師がフォローする形で進めると良いでしょう。
注意点
- 専門用語の多用を避ける
初心者に説明するとき、専門用語を連続して使うと混乱を招きます。必要最低限の用語に絞り、後で補足説明を加えるのが良いです。 - 聞き手の知識レベルを考慮する
受講者がどの程度の知識を持っているかを事前に把握し、そのレベルに合わせた説明を心がけましょう。 - 話を簡略化しすぎない
噛み砕いて説明しすぎて、本来の意味が失われないよう注意します。技術的な正確性も大切です。
まとめと今後のステップ
新人エンジニア研修において、専門用語を噛み砕いて説明する技術は、受講者の理解を深め、学びのモチベーションを高める効果があります。この技術を身につけることで、講師自身も知識を整理し、より効果的な指導ができるようになります。
次のステップとして、研修資料を作成するときに「簡単な例え」や「図解」をあらかじめ組み込む練習をすると良いでしょう。実際の現場でこのスキルをぜひ活用してください!