倒置ツッコミとは? 新人エンジニア研修の講師の立場から

こんにちは。ゆうせいです。

今回は「倒置ツッコミ」について解説します。この言葉、普段あまり耳にしないかもしれませんが、コミュニケーションや説明スキルを磨くうえで大切なポイントを含んでいます。特に新人エンジニア研修の講師として、どのように活用できるかを考えてみましょう。


倒置ツッコミとは?

倒置ツッコミとは、話の結論を先に言い、理由や背景を後から説明する方法です。「倒置」というのは、通常の順序を逆にすることを意味します。普通は「理由→結論」という流れになりますが、「結論→理由」の順番にすることで、聞き手の注意を引きやすくなります。

たとえば、こんな感じです。

  • 通常の順序:「コードレビューが大切なのは、バグの早期発見ができるからです。」
  • 倒置ツッコミ:「コードレビューは大事です。だって、バグの早期発見ができるから!」

どうでしょう?後者のほうが、直感的で親しみやすい印象を受けませんか?


なぜ倒置ツッコミが効果的なのか?

1. 結論を先に示すことで聞き手が迷わない

新人エンジニアにとって、技術の話は複雑に感じられることが多いです。「何を言いたいのか」が最初に分かることで、その後の説明を安心して聞けるようになります。特に研修では「結論がどこにあるのか分からない」と混乱することがよくあります。倒置ツッコミはその混乱を防ぎます。

2. 注意を引きつけるインパクト

突然、核心を突く言葉が出てくることで、相手は「どうしてそうなるの?」と考えるようになります。これにより、次の説明に集中してもらいやすくなります。

3. 感情を伝えやすい

倒置ツッコミは、言葉に感情が乗りやすい特徴があります。例えば、「これはすごい技術です。だって、実行速度が3倍速くなるんですから!」という言い方をすることで、話者の興奮や情熱が伝わります。新人にモチベーションを伝える際にも有効です。


講師としての活用法

1. 概念や技術の重要性を強調する

新人研修では、なぜ特定のスキルやツールが重要なのかを説明する場面が多いですよね。倒置ツッコミを使えば、たとえば次のように話せます。

  • 通常:「Gitを学ぶべき理由は、チーム開発で履歴管理が必要だからです。」
  • 倒置:「Gitは必須です。だって、チーム開発で履歴管理がこれほど簡単にできるんですよ!」

「Gitは必須」と最初に言い切ることで、新人は「確かに」と納得しやすくなります。


2. 失敗例や注意点を伝える

研修中には、間違えやすいポイントを教える場面もあります。この場合、倒置ツッコミを使うと注意が引きやすくなります。

  • 通常:「SQLインジェクションを防ぐために、パラメータ化クエリを使いましょう。」
  • 倒置:「SQLインジェクションは危険です!だから、パラメータ化クエリが必要なんです。」

「危険」と最初に警告することで、聞き手の危機感を高められます。


3. 問題解決の流れを示す

新人に課題を解かせるとき、「なぜその方法を選ぶのか」を分かりやすく伝えるのも大切です。倒置ツッコミを使えば、次のように説明できます。

  • 通常:「テストケースを書く理由は、コードが意図通りに動くか確認するためです。」
  • 倒置:「テストケースを書くのは必須です。動かないコードを納品したくないですよね?」

こういった説明は、実際の業務を意識させるうえで効果的です。


倒置ツッコミの注意点

ただし、この手法にもデメリットがあります。

  1. 使いすぎると軽く感じられる 倒置ツッコミはカジュアルな印象を与えます。正式な場面や厳密な説明が必要なときには、通常の順序を使ったほうが良いでしょう。
  2. 論理性が欠けるように見える場合がある 「結論→理由」の流れは、論理の筋道が分かりづらいと感じる人もいます。その場合は、具体例やデータを補足して信頼感を高める必要があります。

まとめと今後の研修の工夫

倒置ツッコミは、結論を先に述べることで相手に分かりやすく、興味を引く効果的な話し方です。新人研修では特に、複雑な技術を説明する際に活用できます。ただし、場面に応じて適切に使い分けることが重要です。

次回の研修では、この手法を試してみませんか?「これが大事なんだ!」というポイントを先に示し、理由を後から補強することで、新人エンジニアの理解度や関心がぐっと高まるはずです。

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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