「正・反・合」について、新人エンジニア向けに分かりやすく解説

こんにちは。ゆうせいです。

今日は、哲学の概念でありながら、エンジニアリングやビジネスの現場でもよく使われる「正・反・合(せい・はん・ごう)」について解説します。新人エンジニアでも理解しやすいように、丁寧に説明していきますね。


正・反・合とは?

「正・反・合」とは、ドイツの哲学者ヘーゲルが提唱した弁証法(べんしょうほう)の考え方です。

ざっくり言うと…

物事が進むときには、次の3つのステップをたどります:

  1. 正(せい):ある一つの主張や状態が生まれる。
  2. 反(はん):その「正」に対して、反対の意見や対立する状態が現れる。
  3. 合(ごう):「正」と「反」を統合し、より高次元の解決策や新しい状態が生まれる。

例を挙げて理解しよう

エンジニアリングの現場で考えてみましょう。

例1: システム開発の議論

  1. :「システムを安定させるためにセキュリティを最優先にすべきだ!」
    あるエンジニアがセキュリティ重視のシステム開発を主張します。
  2. :「いや、ユーザー体験が悪化するからパフォーマンスを最優先にすべきだ!」
    別のエンジニアが反対意見を出します。パフォーマンスとセキュリティが対立していますね。
  3. :「セキュリティを保ちながら、パフォーマンスも両立できる設計を目指そう。」
    両者の意見を取り入れた、新しいバランスの取れた設計案が生まれます。

この「正・反・合」のプロセスを経て、より良い解決策にたどり着きます。


弁証法の構造と流れ

弁証法は「対立からの発展」という考え方です。以下のように進んでいきます。

ステップ内容
正(テーゼ)ある主張や立場が示されるセキュリティ重視
反(アンチテーゼ)それに対して反対の主張や立場が現れるパフォーマンス重視
合(ジンテーゼ)両者を統合し、より高次元の解決策が生まれる両立する設計案

正・反・合を使うメリット

1. 問題解決が進む

「正」と「反」の対立から、「合」という新しい解決策が生まれるため、議論が建設的になります。

2. 客観的に考えられる

「反対意見」に目を向けることで、偏った考えに陥りにくくなります。

3. チームの成長につながる

お互いの意見を尊重しながら議論することで、チーム全体の知見が広がり、成長します。


注意点!「反」で止まらないこと

「反対意見」が出たときに、そのまま対立してしまうと前に進みません。重要なのは「合」にたどり着くことです。

例えば、会議中に意見が対立したときは、「じゃあ、どうすれば両者の意見を取り入れられるか?」という視点を持つと良いですね。


正・反・合の応用例

1. プロダクト開発

  • :新機能を追加しよう!
  • :機能が増えすぎると操作が複雑になる!
  • :ユーザーが使いやすいUIを設計しながら、新機能を追加しよう。

2. コードレビュー

  • :このコードはシンプルに書かれている。
  • :シンプルすぎて保守性が低いかもしれない。
  • :シンプルさを保ちながらコメントやドキュメントで補足しよう。

正・反・合の考え方を身につけよう

エンジニアとして成長するには、対立や意見の違いを「問題」と捉えずに、「発展の機会」として考えることが重要です。

  • 「正(主張)」を疑い、他の意見(反)を聞く。
  • そこから新しいアイデアや解決策(合)を見つける。

この流れを意識することで、技術的な課題にも柔軟に対応できるエンジニアになれますよ!


まとめ

「正・反・合」は、エンジニアリングの議論や問題解決に役立つ考え方です。

  • :最初の主張やアイデア
  • :反対意見や対立する主張
  • :両者を統合して生まれる新しい解決策

この考え方を使いこなすことで、チーム内の議論を深め、より高い次元の成果を生み出せるでしょう。

これから現場で議論や対立に直面したら、「正・反・合」の流れを思い出してみてくださいね!きっと新しい解決策が見つかるはずです。

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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