研修講師が道徳的免罪符(moral licensing)に陥らないためにできること
こんにちは。ゆうせいです。
研修講師として、多くの人に影響を与える立場にある皆さんが、「道徳的免罪符(moral licensing)」という心理的な落とし穴に陥らないための工夫についてお話しします。
道徳的免罪符という言葉を聞いたことがありますか? これは、「良い行い」をした後に、無意識のうちに「多少の悪い行動も許される」と感じてしまう心理のことを指します。例えば、健康のために運動をした後に、高カロリーなスイーツを食べてしまう、という経験がある方もいるかもしれません。それが道徳的免罪符の典型的な例です。
では、研修講師における道徳的免罪符とはどういう形で現れるのでしょうか。そして、それを防ぐにはどうすれば良いのでしょうか? 一緒に見ていきましょう。
道徳的免罪符が研修講師に影響を与える仕組み
研修講師は多くの場合、教育的・啓発的なテーマを扱い、参加者に良い行動を促す役割を担います。このため、以下のような状況で道徳的免罪符が発生する可能性があります。
1. 「自分は十分良いことをしている」という認識
たとえば、「この研修を通じて、多くの人に貢献している」という満足感が、無意識のうちに自分自身の言動を甘く評価するきっかけになるかもしれません。
2. 「自分は特別だ」という錯覚
社会的な影響力が強い立場であるがゆえに、「多少の不適切な行動でも問題ない」という免罪符が生まれやすくなるのです。例えば、準備不足の研修や参加者の意見を軽視するような態度がこれに該当します。
道徳的免罪符を防ぐための具体的な方法
1. 自己認識を高める
自分自身が道徳的免罪符の影響を受ける可能性があることをまず認めましょう。これは、意識を変える第一歩です。自分の行動を振り返る時間を定期的に設け、以下の質問を自問してみてください。
- 「この行動は本当に正しいか?」
- 「講師としての行動基準を守れているか?」
2. 透明性を保つ
他者の目を意識することは、行動の歯止めになります。例えば、以下のような工夫が有効です。
- フィードバックを積極的に求める:参加者や同僚から率直な意見をもらい、自分の行動をチェックします。
- 研修内容をオープンにする:資料や進行方法を事前に共有して透明性を高めましょう。
3. 自己研鑽を怠らない
「学び続ける姿勢」を持つことで、謙虚さを保ちやすくなります。定期的に以下のような活動を取り入れてみてください。
- 新しい研修技術や心理学の知見を学ぶ
- 他の講師の研修を観察し、良い点を吸収する
4. 行動基準を設定する
具体的な基準を持つことで、自分の行動がぶれにくくなります。例えば、以下のようなガイドラインを作成してみてください。
- 参加者の声を大切にする
- どの研修でも全力を尽くす
- 自己利益を優先しない
5. 周囲に支援を求める
信頼できる同僚やメンターに、自分の行動や態度を見てもらいましょう。第三者の視点を取り入れることで、免罪符に陥りにくくなります。
心がけたい3つの習慣
- 「振り返り」の時間を定期的に設ける
- 「フィードバック」を恐れず受け入れる
- 「自分の行動基準」を見直す
まとめ:影響力ある立場としての責任
研修講師は、多くの人に影響を与える重要な役割を担っています。そのため、自分自身の行動や考え方を意識し続けることが大切です。道徳的免罪符に陥らないためには、自分の行動を謙虚に見直し、常に学び続ける姿勢を持つことが鍵です。
「人に教える立場だからこそ、自分にも教え続ける」という考えを大切にしてください!
今後も参加者に良い影響を与え続けるために、ぜひこれらの方法を実践してみてくださいね。応援しています!
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投稿者プロフィール
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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