ストリームAPIの学習は新人エンジニアには不要であるという話

こんにちは。ゆうせいです。

今日は「新人エンジニアにはストリームAPIは不要である」というテーマについて考えてみましょう。ストリームAPIはJava 8で導入された重要な機能ですが、これが新人エンジニアにとって必要なのか、それとも不要なのか、詳しく掘り下げていきます。


ストリームAPIとは?

まずはストリームAPIの基本を押さえましょう。これは、データの操作や処理を簡潔に書けるようにする仕組みです。

ストリームAPIを使うと、リストや配列などのデータを、繰り返し処理やフィルタリング、マッピングといった操作で効率的に扱えます。従来のforループや条件分岐を使った方法を置き換えるものとして注目されました。


ストリームAPIを使わない場合

次の例を見てみましょう。リストから偶数だけを取り出して合計を計算する場合です。

List<Integer> numbers = Arrays.asList(1, 2, 3, 4, 5, 6);
int sum = 0;
for (int number : numbers) {
    if (number % 2 == 0) {
        sum += number;
    }
}
System.out.println(sum);


ストリームAPIを使う場合

同じ処理をストリームAPIで書くと次のようになります。

List<Integer> numbers = Arrays.asList(1, 2, 3, 4, 5, 6);
int sum = numbers.stream()
    .filter(number -> number % 2 == 0)
    .mapToInt(Integer::intValue)
    .sum();
System.out.println(sum);

どうでしょうか?ストリームAPIを使うと、処理の流れが分かりやすく、コードも簡潔に書けることがわかります。


新人エンジニアには不要なのか?

ストリームAPIが新人エンジニアにとって必要か不要かを考えるには、そのメリットとデメリットを整理する必要があります。


不要と考える理由

1. 学習コストが高い

ストリームAPIはラムダ式や関数型プログラミングの知識が必要です。新人エンジニアにとっては、一度に覚えることが増えるため、混乱の原因になることがあります。

例え話:

これは、初心者が自転車の乗り方を覚える前にギア付きの自転車を渡されるようなものです。基本操作を理解する前に、複雑な機能を覚えなければならない状態です。


2. 基本的なコードスタイルを習得する方が優先

新人エンジニアは、まず従来のループ構文や条件分岐、メソッドの作り方を習得する必要があります。これを飛ばしてストリームAPIに進むと、基礎が身につかないまま次のステップに進んでしまう恐れがあります。


3. 可読性の問題

ストリームAPIは簡潔ですが、初見では読みにくいことがあります。特に初心者には、次のようなコードが何をしているのか理解しづらいです。

numbers.stream()
    .filter(n -> n % 2 == 0)
    .map(n -> n * 2)
    .forEach(System.out::println);

このようなコードは、「ストリーム」「フィルタ」「マップ」といった専門用語を理解していないと意味が分からなくなる可能性があります。


ストリームAPIが必要な理由

一方で、ストリームAPIを学ぶことで得られるメリットもあります。


1. コードの簡潔化

ストリームAPIを使えば、従来の冗長なコードを短く書けます。これは、読みやすさやメンテナンス性の向上につながります。


2. 現代的なプログラミングへの対応

ストリームAPIは、Javaだけでなく多くの言語で使われている「関数型プログラミング」に基づいています。この考え方を理解することで、他のモダンな言語(KotlinやPythonなど)への適応力も高まります。


3. 並列処理のサポート

ストリームAPIには、並列処理を簡単に導入できる仕組みがあります。大量データの処理を効率化する場合には必須のツールです。


結論:新人エンジニアにとって本当に不要か?

ストリームAPIが「不要」とは言い切れませんが、以下のように考えるのが妥当です。

  1. 最初の段階では不要
    • 新人エンジニアには、まず基本的なループ構文や条件分岐を学ぶ方が優先されます。
  2. 基本が身についたら活用すべき
    • Javaの基礎が理解できた段階で、ストリームAPIを学ぶとスムーズに活用できるようになります。

今後の学び方

新人エンジニアの皆さんは、次の手順で学習を進めるのがおすすめです。

  1. 基本構文を習得
    • forループ、if文、配列操作などをしっかり学ぶ。
  2. ラムダ式に挑戦
    • 簡単なラムダ式を使い、コードの簡潔化を経験する。
  3. ストリームAPIを試す
    • フィルタリングやマッピングなど、基本的な操作から始める。

ストリームAPIは、最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れると強力な武器になります。少しずつステップアップしていきましょう!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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