「WBSを使ったプロジェクト進行時のトラブル対処法」について、新人エンジニアの皆さんにもわかりやすく解説

こんにちは。ゆうせいです。

今回は「WBSを使ったプロジェクト進行時のトラブル対処法」についてお話しします。プロジェクトを進めていく中で、どんなに良いWBSを作っても予期せぬトラブルはつきものです。そのため、 トラブルにどう対応するか を事前に考えておくことが重要です。

この記事では、トラブルの種類とその対処法を具体的に解説します。さらに、WBSを活用してトラブルを未然に防ぐ方法も紹介しますね!


トラブルの種類と原因

プロジェクト進行中に起きやすいトラブルを、大きく3つに分類してみます。

1. スケジュールの遅延

最もよくあるトラブルです。例えば、作業が予定通りに進まず、次のタスクに影響を与えてしまうケースがあります。

主な原因

  • タスクが過小評価されていた(思ったより時間がかかる)。
  • 依存関係のあるタスクが遅延。
  • 人員のリソース不足。

2. リソース不足

プロジェクトに必要な人員や予算、設備が足りなくなる問題です。

主な原因

  • 見積もりが甘かった。
  • 突発的なリソースの消失(メンバーの離脱、予算の削減など)。
  • 優先順位の変化。

3. 要求の変更

プロジェクトの途中で仕様や目標が変わることもあります。特にクライアントワークでは頻繁に起こる問題です。

主な原因

  • クライアントや上層部からの新しい要望。
  • 市場や競合の動きによる目標の変更。
  • 初期の要件定義の不備。

トラブルの対処法

では、それぞれのトラブルに対して、どのように対応すれば良いのでしょうか?具体的な方法を見ていきましょう。


1. スケジュールの遅延を防ぐ・対応する方法

WBSを活用する

  • 作業の細分化
    WBSでタスクを細かく分けておくと、遅れがどの部分で発生しているか早期に把握できます。
  • バッファ(予備時間)の設定
    特にリスクの高いタスクには、あらかじめ余裕を持ったスケジュールを設定しましょう。

実際に遅延した場合の対応

  • 優先順位を見直す
    全タスクを再確認し、重要な作業を優先的に進めることで最小限の影響にとどめます。
  • リソースを再分配
    他のメンバーに協力を依頼したり、外部リソース(フリーランスやパートナー企業など)を活用することも検討しましょう。

2. リソース不足に対応する方法

WBSを活用する

  • タスクの割り当てを明確化
    WBSに担当者を明記し、誰がどの作業を行うかを一目でわかるようにします。
  • 見積もりを定期的に見直す
    進行中のプロジェクトの実績を元に、必要なリソースを再評価します。

実際にリソース不足が発生した場合

  • タスクの削減や順延
    プロジェクト全体を見直し、「今やらなくても良い作業」を後回しにすることでリソースを確保します。
  • 外部の支援を求める
    必要であれば外部パートナーやクラウドソーシングを活用して人員不足を補うのも一つの手です。

3. 要求の変更に対応する方法

WBSを活用する

  • 影響範囲を可視化
    仕様変更がどのタスクに影響を及ぼすか、WBSを使って洗い出します。
    例えば、新しい機能の追加が「設計」「開発」「テスト」の全工程に波及するかもしれません。

実際に変更が起きた場合

  • 顧客や関係者と優先順位を再設定
    変更内容を具体化し、既存のタスクと新しいタスクの優先順位を整理します。
  • スコープを調整する
    プロジェクト全体のゴールを改めて確認し、スコープ(プロジェクトの範囲)を調整しましょう。すべてを取り入れようとすると失敗の原因になります。

トラブルを未然に防ぐために

WBSを使ってトラブルを予防する方法もあります。以下のようなポイントを意識してみましょう。

1. リスクマネジメントを行う

プロジェクト開始時にリスクを洗い出し、WBSに反映しておくと効果的です。
例えば、「技術的な課題の解決に時間がかかるリスクがある」場合、タスクに「検証時間」を追加しておくなどの対応が考えられます。


2. 定期的に進捗をチェックする

WBSを基に進捗状況を定期的に確認することで、問題が大きくなる前に対応できます。
チェックの頻度としては、 週次ミーティングデイリースタンドアップミーティング がおすすめです。


3. 柔軟なWBSを作る

「計画は計画通りにいかない」という前提で、変更があっても対応しやすいWBSを設計しましょう。
たとえば、依存関係が強いタスクをまとめておくと、変更箇所の影響範囲を限定しやすくなります。


まとめ

プロジェクトの進行中には、トラブルが起こるのはある意味当たり前です。その際に焦らず、 WBSを活用して計画を見直し、適切に対応する力 をつけることが大切です。

次回は、「プロジェクトを成功に導くためのチームコミュニケーション術」についてお話しします。
それではまた!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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