【徹底解説】生成AIが人間に勝てないたった一つのこと「価値を感じる心」とは?

こんにちは。ゆうせいです。

最近、ニュースやSNSで「生成AI」という言葉をよく見かけますよね。「AIが仕事を奪うかも…」なんて不安に思っている人もいるかもしれません。でも、安心してください!実は、今の生成AIには絶対に真似できない、人間ならではの素晴らしい能力があるんです。

それは、物事に「価値を感じる」ということです。

「え、価値を感じるってどういうこと?」と思いましたか? 今回は、この「価値を感じる心」という、人間がAIに対して持つ最大の強みについて、誰にでもわかるように、じっくりお話ししていこうと思います。

そもそも「生成AI」って何?

まず、基本の「き」からいきましょう。生成AI(ジェネレーティブAI)って、一体何者なのでしょうか?

一言でいうと、「新しいものを創り出すのが得意なAI」のことです。

例えば、有名な「ChatGPT」は文章を創り出しますし、「Midjourney」や「Stable Diffusion」は美しいイラストや写真を創り出します。

料理に例えるなら、生成AIは「超優秀なレシピ再現ロボット」みたいなものです。たくさんのレシピ(データ)を学習して、その知識を元に「新しいサラダのレシピを考えて!」とお願いすれば、既存のレシピを組み合わせて、もっともらしい新しいレシピをパッと作ってくれます。材料の組み合わせや調理手順など、膨大な情報を元に、最適な答えを出してくれるんですね。

AIにはできない「価値を感じる」ということ

さて、ここからが本題です。先ほど、生成AIはレシピを創れると言いました。でも、そのAIは創り出したサラダを食べて「わ、このドレッシング、最高に美味しい!」と感じることはできるでしょうか?

答えは「ノー」です。

AIは、過去のデータから「美味しいサラダとは、こういう材料の組み合わせである」というパターンを学習しているにすぎません。そのサラダが持つ「瑞々しさ」や「食べた時の幸福感」、あるいは「大切な誰かのために作った」というストーリーまでを理解し、そこに「価値」を見出すことはできないのです。

これが、人間とAIの決定的な違い、「価値を感じる心」の有無なんです。

私たち人間は、ただお腹を満たすためだけに食事をするわけではありませんよね。友人との楽しい会話と共に味わう食事、疲れた心と体を癒してくれる一杯のコーヒー、おばあちゃんが作ってくれた思い出の卵焼き。私たちは、食べ物そのものだけでなく、それに付随する経験や感情、ストーリーに「価値」を感じています。

この主観的で、一人ひとり違う「価値」という感覚こそ、AIが持ち得ない、人間だけの宝物なのです。

なぜAIは「価値」を感じられないの?

「でも、AIはどんどん進化してるんでしょ?いつかは価値もわかるようになるんじゃない?」

そう思う方もいるかもしれません。なぜAIには価値がわからないのか、少し専門的な言葉も使いながら解説しますね。

AIが学習するときには、「目的関数(Objective Function)」というものが設定されます。

目的関数とは、AIが学習する上での「最終目標」や「評価基準」のことです。料理ロボットの例で言えば、「栄養バランスが良く、見た目が美しいサラダのレシピを創る」といったものが目的関数にあたります。AIは、この目的関数を最大化(つまり、最も良い評価を得られるように)学習を進めていきます。

しかし、「食べた人が幸せな気持ちになる」とか「作り手の愛情が感じられる」といった、私たちの感じる「価値」は、数値で測ることが非常に難しいですよね。目的関数として設定できない、曖昧で、主観的なものなのです。

AIは、与えられたデータと評価基準(目的関数)の中で、最適解を出すプロフェッショナルです。しかし、その基準の外側にある、私たちの心の中の「価値」という物差しを理解することはできません。まるで、楽譜は完璧に読めるけど、その曲に込められた作曲家の魂の叫びを感じ取れない演奏家のようなものかもしれません。

人間生成AI
得意なこと主観的な価値判断、共感、文脈の理解、創造データに基づいたパターンの発見、高速な情報処理、最適化
判断の基準経験、感情、価値観、倫理観データ、アルゴリズム、目的関数
限界処理速度、記憶容量、客観性価値の理解、感情、意識、身体性
例えるなら魂を込めて一品を作るシェフ膨大なレシピから最適な一品を提案するレシピサイト

「価値を感じる心」がもたらすメリットとデメリット

この人間とAIの違いは、私たちの未来にどんな影響を与えるのでしょうか?

メリット:人間の仕事はなくならない!

最大のメリットは、人間の「創造性」や「共感力」が、これまで以上に重要になるということです。

AIがどれだけ優れた文章や絵を生成できるようになったとしても、そこに「魂」を吹き込み、人の心を動かす「価値」を与えるのは、人間の役割です。

例えば、ある小説家が、自らの辛い失恋体験を元に物語を書いたとします。その物語には、経験した人にしか書けない生々しい感情や、葛藤、そして希望が描かれ、多くの読者の心を打ち、共感を呼ぶでしょう。これは、AIが失恋ソングの歌詞データを100万曲学習しても、決して生み出せない「価値」です。

デザイン、カウンセリング、教育、企画開発など、人の心に寄り添い、新しい価値を提案する仕事の重要性は、ますます高まっていくはずです。あなたのそのユニークな感性や経験こそが、最高の武器になる時代が来たのです!

デメリット:価値を生まない仕事は代替されるかも

一方で、デメリットとして考えられるのは、情報の整理やデータ入力、定型的な文章作成といった、「価値を感じる心」を必要としないタスクは、AIに代替されていく可能性が高いということです。

これは少し厳しい現実かもしれませんが、見方を変えればチャンスでもあります。

面倒な作業はAIに任せて、私たち人間は、もっと創造的で、人間らしい活動に時間を使えるようになる、と考えることもできるのではないでしょうか。

これからの私たちに必要なこと

さて、ここまで生成AIにはできない「価値を感じる心」についてお話ししてきましたが、いかがでしたか?

AIの進化を恐れるのではなく、その特性を正しく理解し、良きパートナーとして付き合っていくことが大切です。

では、これから私たちは何を学んでいけば良いのでしょうか。

一つは、あなた自身の「好き」や「面白い」、「大切にしたい」という感覚を、もっともっと大事にすることです。色々なものを見たり、聞いたり、体験したりして、あなただけの「価値の物差し」を磨いていってください。その物差しこそが、AI時代を生き抜くための羅針盤になります。

もう一つは、AIを使いこなすスキルを学ぶことです。AIは、私たちの創造性を増幅してくれる素晴らしい道具です。AIに何ができて、何ができないのかを知り、自分の「やりたいこと」を実現するために、AIをどう活用できるか考えてみましょう。

AIは、あくまで計算機です。感動したり、夢中になったり、誰かを想ったりする、熱い心は私たち人間にしかありません。

あなたは何に価値を感じますか? その答えを、ぜひ探求し続けてくださいね。

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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