管理職育成:プレイングマネージャーの現実と改革
こんにちは。ゆうせいです。
管理職を育てる研修講師の皆様、日々の現場指導お疲れ様です!
クライアント企業の社長から「うちの管理職がちっとも動かないんだよ」と嘆かれた経験はありませんか。
あるいは、研修を行っても現場に戻ると結局プレイヤー仕事に追われている受講生を見て、もどかしさを感じていないでしょうか。
今日は、そんな悩める研修講師の皆様へ、プレイングマネージャーという日本の現実をどう捉え、彼らをどう変えていくべきかという視点をお届けします。
プレイングマネージャー96.9パーセントという衝撃の現実
日本の企業において、マネジメントだけに専念している人はどれくらいいると思いますか。
実は、部長クラスであっても 96.9パーセント が実務を兼務するプレイングマネージャーだというデータがあります。
1,000名規模の大きな会社でさえ、専任のマネージャーは片手で数えるほどしかいないケースも珍しくありません。
まずは、この圧倒的な現実を認めるところから始めましょう。
受講生に「プレイヤーを捨てろ」と言うのは簡単ですが、彼らは優秀だからこそその役職に就いており、現場も彼らの実力を必要としています。
理想論だけでは、現場の管理職の心には響きません。
抽象的な理念を現場の言葉に翻訳する役割
経営者が語る理念やビジョンは、どうしても抽象的になりがちです。
あえて抽象的にしているのは、時代が変わっても普遍的な価値観として使い続けられるようにするためです。
しかし、現場の管理職からは「うちの理念はふわっとしていてよくわからない」という不満が漏れます。
ここで研修講師として伝えたいのは、抽象的な概念を現場の具体的な行動に翻訳することこそが、管理職の真の仕事であるということです。
例えるなら、経営者が書いた外国語の設計図を、現場の職人が理解できる日本語の手順書に書き換える通訳者のような存在ですね。
この翻訳作業を放棄して「上が何を言っているかわからない」と傍観している管理職は、役割を全うしているとは言えません。
彼らがこの翻訳機能を果たすためには、まずトップマネジメントがミドル層をしっかりと教育する必要があります。
管理職が機能しないのは、彼らがだらしないからではなく、トップが彼らを育てていないからだという厳しい視点も時には必要です。
なぜ管理職は忙しさを理由に動けないのか
研修で課題の解決策まで見えているのに、なぜ実行されないのでしょうか。
答えは決まって「忙しいから」です。
しかし、ここで一つの問いを投げかけてみてください。
仕事がなくて暇な時に、未来のための教育や仕組みづくりをしようと思えるでしょうか。
おそらく、暇な時は「とにかく売上を上げなきゃ」と焦るばかりで、組織づくりどころではありません。
つまり、現場が忙しくて活気がある時こそ、未来をつくるための種まきをする絶好のタイミングなのです。
忙しさを言い訳にさせないためには、管理職としての仕事の重要度を劇的に高める必要があります。
ここで、重要度という概念をわかりやすく理解するための例え話をご紹介します。
例えば、明日までにハンカチを持ってくるように指示したとします。
普通に言えば、忘れる人が数人は出るでしょう。
しかし、こう伝えたらどうでしょうか。
持ってきたら賞与が 2倍、忘れたら賞与は 0円です。
これなら、100パーセント全員が持ってきますよね。
なぜなら、自分にとっての重要度が跳ね上がったからです。
管理職がマネジメント業務を後回しにするのは、彼らの中でその仕事の重要度が、目の前の実務よりも低く見積もられているからです。
スライド型昇進の罠と教育の欠如
日本企業の多くは、プレイヤーとして成果を出した人がそのまま上に上がるスライド型昇進を採用しています。
これは自社のサービスを熟知しているという大きな長所がありますが、一方で致命的な欠陥も抱えています。
それは、プレイヤーのスキルとマネージャーのスキルは、サッカーと野球くらい別物だということです。
新入社員には手厚い研修と現場教育(OJT)があるのに、管理職になった途端、誰からも教わらずに放置されるケースがほとんどです。
外部研修を導入している企業はあっても、現場での継続的な指導まで踏み込んでいる企業は極めて稀です。
研修講師としての私たちの役割は、単なる知識の伝達に留まらず、現場での実践を支える仕組みまで提案することにあるのではないでしょうか。
研修講師が目指すべきゴールは社長の分身づくり
最終的に私たちが目指すべきは、受講生を社長の分身に育てることです。
社長の思いや方針を自分なりに解釈し、部下に熱量を持って伝えられる管理職が増えれば、組織は劇的に変わります。
理念やビジョンが浸透している組織と、そうでない組織では、長期的な業績に明らかな差が出ます。
管理職が自分の役割を正しく認識し、未来をつくる仕事に誇りを持てるよう導いていきましょう。
今後の学習の指針として、まずは受講生一人ひとりに「自分の役割の定義」を書き出してもらうことから始めてみてください。
部長、課長、係長。それぞれの階層で求められる期待が明確になれば、彼らの動きは必ず変わります。
彼らが抱える具体的な忙しさの正体を分解し、どの業務を権限委譲できるかを一緒に考えるワークを取り入れてみてはいかがでしょうか。
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