基本情報技術者試験 科目Aの合格方法5選|新人エンジニア向けに広い出題範囲を効率よく攻略する勉強法を解説

こんにちは。ゆうせいです。

今回は、基本情報技術者試験の科目Aに合格するための方法を、新人エンジニア向けに5つに絞って解説します。

基本情報技術者試験は、IPAが「ITエンジニアの登竜門」と位置づけている試験で、ITエンジニアとしてキャリアを始める人におすすめされています。現在の試験はCBT方式で随時実施され、科目Aは90分、60問、四肢択一式です。

科目Aは、簡単に言うと「ITエンジニアとして知っておくべき基礎知識を、広く確認する試験」です。

新人エンジニア向けにたとえるなら、科目Bが「プログラムを読んで処理を追う試験」だとすると、科目Aは「IT業界全体の地図をどれくらい読めるかを見る試験」です。

ネットワーク、データベース、セキュリティ、ハードウェア、ソフトウェア、プロジェクト管理、経営戦略、法律まで出てきます。

範囲が広いので、最初は「どこから手を付ければいいの?」と感じるかもしれません。

でも大丈夫です。

科目Aは、正しい順番で勉強すれば、かなり安定して得点しやすい試験です。

まず科目Aの特徴を押さえよう

科目Aは、90分で60問を解く試験です。単純計算すると、1問あたりに使える時間は1.5分です。

90 / 60 = 1.5

つまり、科目Aはじっくり長文を読み込む試験ではありません。

知っている問題を素早く解き、迷う問題を深追いしすぎない力が大切です。

項目科目Aの内容
試験時間90分
問題数60問
形式四肢択一
特徴IT基礎知識を広く問う
必要な力知識の整理、用語理解、計算問題への慣れ、時間配分

IPAの変更情報では、科目Aの出題範囲は従来の午前試験に準じると説明されています。つまり、科目Aは「広い範囲から基本知識を問う試験」だと考えると分かりやすいです。

科目Aの出題範囲は大きく3つ

科目Aの学習では、まず出題範囲を大きく3つに分けて考えましょう。

分野内容新人エンジニア向けのイメージ
テクノロジ系コンピュータ、ネットワーク、データベース、セキュリティ、アルゴリズムなどエンジニアとしての技術の土台
マネジメント系プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査などチームで安全に開発・運用するための知識
ストラテジ系経営戦略、システム戦略、企業活動、法務などITをビジネスでどう使うかを考える知識

IPAの基本情報技術者試験シラバスでは、テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系にまたがる大分類が示され、基礎理論、コンピュータシステム、技術要素、開発技術、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム戦略、経営戦略、企業と法務などが整理されています。

この範囲を全部完璧に覚えようとすると大変です。

だから、科目Aでは「全部を深く」ではなく、「広く押さえて、頻出分野を厚く」が基本戦略になります。

科目A合格方法1:まずテクノロジ系を最優先で固める

1つ目の合格方法は、テクノロジ系を最優先で固めることです。

テクノロジ系とは、エンジニアとして直接使う技術知識の分野です。

たとえば、次のような内容です。

基数変換
論理演算
アルゴリズム
ハードウェア
OS
ネットワーク
データベース
セキュリティ
システム開発

新人エンジニアにとって、テクノロジ系は実務にもつながりやすい分野です。

たとえば、ネットワークを学ぶと、HTTP、IPアドレス、DNS、ポート番号の意味が分かりやすくなります。

データベースを学ぶと、SQL、正規化、トランザクション、排他制御の理解が深まります。

セキュリティを学ぶと、認証、認可、暗号化、脆弱性対策の重要性が見えてきます。

テクノロジ系の分野実務でのつながり
ネットワークWebアプリの通信、API接続、障害調査に役立つ
データベースSQL、テーブル設計、データ不整合の理解に役立つ
セキュリティログイン、権限管理、脆弱性対策に役立つ
OSプロセス、メモリ、ファイル、権限の理解に役立つ
アルゴリズム処理の流れ、計算量、科目B対策にも役立つ

テクノロジ系は、科目Bにもつながります。

特に、アルゴリズム、データ構造、セキュリティは科目Bでも重要です。

つまり、科目Aのテクノロジ系を固めることは、科目B対策にもなるのです。

一石二鳥ですね!

テクノロジ系の勉強順

おすすめの順番は次のとおりです。

1. 基数変換と論理演算
2. コンピュータ構成
3. OSとソフトウェア
4. ネットワーク
5. データベース
6. セキュリティ
7. アルゴリズムとプログラミング
8. システム開発

いきなり全分野を同じ重さで進めると、頭が混乱します。

まずは、コンピュータの基本、ネットワーク、データベース、セキュリティを優先しましょう。

土台から固めろ!

科目A合格方法2:用語を「説明できるレベル」まで理解する

2つ目の合格方法は、用語をただ暗記するのではなく、自分の言葉で説明できるようにすることです。

科目Aには、たくさんの専門用語が出てきます。

キャッシュメモリ
仮想記憶
スループット
正規化
トランザクション
公開鍵暗号方式
ディジタル署名
ウォータフォールモデル
アジャイル開発
SLA
ERP
BCP
著作権
不正アクセス禁止法

用語が多すぎて嫌になりますよね。

でも、暗記カードのように言葉だけ覚えると、本番で選択肢に少し違う表現が出たときに迷います。

たとえば、「正規化」という用語を見たときに、「データベースのやつ」とだけ覚えていると弱いです。

次のように説明できると強くなります。

正規化とは、データの重複や更新時の不整合を減らすために、テーブルを適切に分ける考え方です。

たとえるなら、正規化は「ぐちゃぐちゃの引き出しを、文房具、書類、コード類に分けて整理する作業」です。

どこに何があるか分かりやすくなり、同じものを何か所にも置かなくて済みます。

用語丸暗記説明できる理解
キャッシュメモリ速いメモリCPUがよく使うデータを一時的に置き、主記憶へのアクセスを減らす高速な記憶領域
トランザクションDBの処理単位複数の処理を一まとまりとして扱い、全部成功か全部失敗にする考え方
公開鍵暗号方式鍵が2つある暗号公開鍵と秘密鍵を使い、暗号化や署名に利用する方式
SLAサービスの契約サービス提供者と利用者が、稼働率や応答時間などの品質条件を合意する文書

科目Aの勉強では、用語を見たら次の3点を確認してください。

何のために使うのか
どんな場面で出るのか
似た用語と何が違うのか

用語は単語帳で終わらせるな。

説明できるまで噛み砕け!

科目A合格方法3:計算問題をパターン化する

3つ目の合格方法は、計算問題をパターン化することです。

科目Aには、毎回のように計算系の問題が出ます。

代表的なものは次のとおりです。

基数変換
論理演算
補数
稼働率
平均応答時間
待ち行列
通信速度
データ転送時間
正規化
損益分岐点
期待値
PERT

計算問題が苦手な人は多いです。

でも、科目Aの計算問題は、大学入試の数学のような難問ばかりではありません。

多くは、公式と手順を覚えて、同じ型で解ける問題です。

たとえるなら、料理で「カレーの作り方」を覚えるようなものです。

毎回まったく違う料理を作るわけではなく、材料が少し変わっても、基本の手順は似ています。

よく出る計算1:稼働率

稼働率とは、システムが正常に使える割合です。

たとえば、あるサーバーの稼働率が0.99なら、99%の割合で使えるという意味です。

availability = uptime / total_time
稼働率 = 稼働時間 ÷ 全体時間

並列構成や直列構成の問題では、次の考え方がよく使われます。

構成考え方イメージ
直列構成全部動いていないとシステムが動かない電池を直列につないだ懐中電灯
並列構成どれか1つ動いていればシステムが動く予備サーバーがある構成

よく出る計算2:通信時間

通信時間は、データ量と通信速度から考えます。

time = data_size / transfer_rate
時間 = データ量 ÷ 転送速度

ここで注意が必要なのは、ビットとバイトです。

1バイトは8ビットです。

1 byte = 8 bit
一バイト = 八ビット

この変換を忘れると、選択肢で大きくズレます。

単位を見ろ!

計算問題では、数字より先に単位を確認しましょう。

計算問題の練習方法

計算問題は、次のように勉強すると伸びやすいです。

1. 公式を覚える
2. 例題を1問解く
3. 解き方を声に出して説明する
4. 類題を3問解く
5. 間違えた単位や変換をメモする

計算問題は、解説を読んで分かった気になりやすい分野です。

必ず手を動かしてください。

科目A合格方法4:公開問題とサンプル問題を「ミスノート化」する

4つ目の合格方法は、公開問題やサンプル問題を解き、間違いをミスノートにまとめることです。

IPAは、基本情報技術者試験のサンプル問題や公開問題を案内しています。2025年度の公開問題ページでは、基本情報技術者試験の科目Aは実際の試験では60問で構成され、そのうち一部の問題が公開されていると説明されています。

問題演習で大切なのは、正解数だけを見ることではありません。

むしろ、間違えた問題をどう復習するかが合否を分けます。

新人エンジニアの勉強でよくある失敗は、次のような進め方です。

問題を解く
答え合わせする
正解数を見る
解説を読む
次の問題へ進む

これだけだと、同じミスを繰り返します。

大切なのは、間違えた理由を分類することです。

間違いの種類対策
用語を知らないSLAの意味が分からない用語カードに説明を書く
似た用語と混同した認証と認可を間違えた違いを表にする
計算手順を間違えたビットとバイトを間違えた単位変換をメモする
問題文を読み落とした「適切でないもの」を見落とした否定表現に印を付ける
勘で選んだ選択肢を消去できなかったなぜ正解か、なぜ不正解かを説明する

ミスノートは、きれいに作る必要はありません。

次に同じミスを防げれば十分です。

問題:
SLAの説明を選ぶ問題

間違えた理由:
SLAとSLMを混同した

正しい理解:
SLAはサービス提供者と利用者の合意内容。
SLMはサービスレベルを維持・改善する管理活動。

次回の注意:
AはAgreement、MはManagement。

このように書くと、知識が整理されます。

ミスは宝です。

間違えた問題を捨てるな!

科目A合格方法5:時間配分を練習する

5つ目の合格方法は、時間配分を練習することです。

科目Aは90分で60問です。平均すると1問1.5分ですが、実際にはすべての問題を同じ時間で解くわけではありません。

すぐ分かる用語問題は30秒で解けることもあります。

一方、計算問題や長めの問題は2〜3分かかることもあります。

つまり、科目Aでは「全問を均等に頑張る」のではなく、「解ける問題を確実に拾う」ことが重要です。

問題の状態対応
すぐ分かる即答して次へ進む
2択まで絞れる一度選び、見直し候補にする
計算すれば解ける落ち着いて式を書く
まったく分からない時間を使いすぎず後回しにする
問題文が長い先に何を問われているか確認する

本番では、分からない問題にこだわりすぎるのが一番危険です。

1問に5分使ってしまうと、他の問題に使える時間が減ります。

分からない問題は、いったん飛ばして大丈夫です。

戻ればいいのです。

詰まったら飛ばせ!

おすすめの時間配分

時間帯やること
開始〜60分分かる問題を優先して最後まで進める
60〜75分計算問題や迷った問題に戻る
75〜85分見直し候補を確認する
85〜90分未解答がないか確認する

練習の段階からタイマーを使ってください。

時間制限なしで解けることと、本番時間内に解けることは別です。

科目Aで特に得点源にしたい分野

科目Aは範囲が広いので、全部を同じ深さで勉強すると効率が悪くなります。

新人エンジニアが得点源にしやすい分野を整理します。

分野得点源にしやすい理由勉強ポイント
セキュリティ実務でも重要で、用語と考え方が結びつきやすい認証、認可、暗号、脆弱性、マルウェアを整理する
ネットワークWeb開発と関係が深いIP、DNS、HTTP、TCP、ポート番号を理解する
データベースSQLや業務アプリと関係が深い正規化、主キー、外部キー、トランザクションを理解する
システム開発新人研修や実務の流れとつなげやすい要件定義、設計、テスト、保守の流れを押さえる
プロジェクトマネジメント用語を理解すれば安定しやすいWBS、PERT、リスク、品質、進捗管理を押さえる

逆に、最初から難しい数学や細かい法務にこだわりすぎると、進みが遅くなります。

苦手分野を捨てろ、という意味ではありません。

ただし、最初は得点に結びつきやすい分野から固めましょう。

科目Aでやってはいけない勉強法

次に、科目A対策でやってはいけない勉強法を紹介します。

NG勉強法なぜ危険か改善方法
参考書を最初から最後まで読むだけ問題で使える知識になりにくい章ごとに問題を解く
用語を丸暗記するだけ選択肢の言い換えに弱い自分の言葉で説明する
計算問題を避ける得点源を失う公式と型を覚える
正解数だけ見る弱点が分からないミスの理由を記録する
本番直前まで時間を測らない本番で時間不足になる週1回は時間を測って演習する

特に危険なのは、参考書を読んで満足することです。

読んで分かることと、問題で選べることは違います。

インプットしたら、すぐアウトプットしましょう。

新人エンジニア向けの4週間学習プラン

科目Aを4週間で対策するなら、次のような流れがおすすめです。

期間重点テーマやること
1週目テクノロジ基礎基数変換、論理演算、コンピュータ構成、OSを学ぶ
2週目ネットワーク・DB・セキュリティ実務と結びつけながら用語を整理する
3週目マネジメント・ストラテジプロジェクト管理、サービス管理、経営、法務を広く押さえる
4週目問題演習と見直し公開問題・サンプル問題を解き、ミスノートで弱点を潰す

1日あたりの学習時間が短くても、毎日少しずつ進めるほうが効果的です。

科目Aは、筋トレよりも単語学習に近い面があります。

1日で大量に詰め込むより、何度も見て、何度も解いて、記憶を定着させるほうが強いです。

科目Aの学習を実務につなげる考え方

科目Aは、単なる資格勉強ではありません。

新人エンジニアの実務にもかなりつながります。

科目Aの知識実務での活用
ネットワークAPI接続エラー、DNS設定、通信障害の理解に役立つ
データベースSQL、テーブル設計、トランザクション処理に役立つ
セキュリティログイン、権限管理、脆弱性対策に役立つ
プロジェクト管理進捗報告、WBS、リスク管理に役立つ
法務著作権、個人情報、ライセンスの判断に役立つ

たとえば、Spring BootでWebアプリを作っている新人エンジニアなら、HTTPステータスコード、セッション、Cookie、DBトランザクション、入力チェック、脆弱性対策はすぐ実務で関係します。

資格のためだけに覚えると苦しいです。

実務で使う知識として見ると、かなり面白くなります。

科目A合格方法5選のまとめ

合格方法内容
1. テクノロジ系を最優先で固めるネットワーク、DB、セキュリティ、OS、アルゴリズムを重点的に学ぶ
2. 用語を説明できるレベルまで理解する丸暗記ではなく、目的・場面・似た用語との違いを押さえる
3. 計算問題をパターン化する基数変換、稼働率、通信時間、損益分岐点などを型で覚える
4. 公開問題とサンプル問題をミスノート化する間違えた理由を分類し、同じミスを防ぐ
5. 時間配分を練習する90分60問を意識し、分からない問題は後回しにする

最後に

基本情報技術者試験の科目Aは、範囲が広いので最初は圧倒されます。

しかし、出題範囲が広いということは、逆に言えば「浅く広く得点できるチャンスがある」ということでもあります。

完璧主義になりすぎないでください。

まずは頻出分野を押さえる。

用語を説明できるようにする。

計算問題の型を覚える。

問題演習でミスを集める。

本番時間で解く練習をする。

この流れで進めれば、科目Aの合格はかなり現実的になります。

全体像を知る
        ↓
テクノロジ系を固める
        ↓
用語を説明できるようにする
        ↓
計算問題を型で解く
        ↓
問題演習でミスを記録する
        ↓
時間配分を練習する
        ↓
科目A合格に近づく

今後の学習では、まずネットワーク、データベース、セキュリティ、基数変換、論理演算を優先してください。その後、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、ストラテジ、法務へ広げると効率がよいです。まずは今日、科目Aの問題を10問だけ解き、間違えた問題を「用語不足」「計算ミス」「読み落とし」に分類するところから始めてみましょう!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。