相乗平均の由来と意味:なぜ「相乗」と呼ばれるのかを分かりやすく解説 コピー

調和平均の由来と意味:なぜ「調和」と呼ばれるのかを分かりやすく解説

こんにちは。ゆうせいです。

本日は、データの平均を求める計算手法の一つである調和平均について解説します。調和平均という名称の由来から、計算手法、そしてどのような場面で活用されるのかについて説明します。

調和平均という名前の由来

調和平均の「調和」は、音楽における和音(ハーモニー)の調和に由来しています。古代ギリシャの数学者ピタゴラスは、弦楽器の弦を弾いた際、弦の長さが特定の比率にあるときに心地よい和音が生まれることを発見しました。

弦の長さを1としたとき、長さが3分の2の弦、2分の1の弦などを弾くと、美しい和音が生じます。弦の長さである1、3分の2、2分の1という数値の逆数(分子と分母を入れ替えた数)をとると、それぞれ1、2分の3、2となります。算出された逆数は、隣り合う数値の差が常に等しくなるように並んでいます。数値の並びを調和数列と呼び、調和数列の中間に位置する値を求める計算が、調和平均の起源となっています。

計算方法と具体的な比喩

調和平均は、複数の数値の逆数を足し合わせて相加平均(一般的な平均)を求め、算出した結果の逆数をとることで計算します。対象となるデータがn個あり、それぞれの値をx1、x2、そしてxnとした場合、調和平均を求める数式は以下の通りです。

\frac{n}{\frac{1}{x_1} + \frac{1}{x_2} + \dots + \frac{1}{x_n}}

調和平均の概念を、自動車で移動する際の平均速度に例えて説明します。

ある目的地まで自動車で往復するとします。行きの道のりは時速60km、帰りの道のりは渋滞に巻き込まれて時速40kmで走行しました。往復の平均速度を求める際、60と40を足して2で割る計算を行うと、時速50kmとなります。しかし、行きと帰りでは走行距離が同じであるため、速度が遅い帰りの道のりの方が長い時間を走行しています。走行時間が異なる状況において、単純に時速を足して割る方法では正確な平均速度を求めることができません。

往復の正確な平均速度を求めるには、速度の逆数を用いて調和平均を計算します。調和平均の数式に時速60kmと時速40kmを当てはめると、正確な平均速度は時速48kmとなります。時間や距離のように、単位あたりの量が設定されているデータを扱う際には、調和平均を用いることで正確な平均値を導き出すことができます。

買い物における具体的な計算例

調和平均の活用場面を、文化祭の準備でりんごを買い出しに行く高校生の状況に例えて説明します。

あるクラスが、2つの異なるスーパーマーケットでりんごを購入することになりました。予算はそれぞれのスーパーマーケットにつき1200円と決まっています。A店ではりんご1個が200円、B店ではりんご1個が300円で販売されていました。このとき、りんご1個あたりの平均価格を求めます。

相加平均(一般的な平均)を用いて200円と300円を足して2で割ると、250円になります。しかし、算出した250円という価格は、両方の店舗で同じ個数のりんごを買った場合の平均値です。今回の買い物は同じ予算を使っているため、単価の安いA店ではより多くのりんごを購入しており、全体の平均価格は安い店舗の価格に引っ張られるはずです。

定額の予算という条件がある場面では、調和平均を用います。A店の価格である200と、B店の価格である300を先ほどの数式に当てはめます。扱うデータの個数nは2つです。

\frac{2}{\frac{1}{200} + \frac{1}{300}}

はじめに、分母の逆数の足し算を行います。200分の1と300分の1を足し合わせると、通分して600分の5、約分すると120分の1になります。次に、データの個数である2を、算出した120分の1で割ります。2割る120分の1は、2掛ける120となり、答えは240になります。

したがって、りんご1個あたりの正確な平均価格は240円と求められます。検証として、A店では1200円で6個、B店では1200円で4個のりんごを購入しており、合計2400円で10個のりんごを手に入れています。2400円を10個で割ると240円となり、調和平均の計算結果と一致します。

メリットとデメリット

調和平均を利用する際のメリットとデメリットは以下の通りです。

  • 調和平均のメリット:速度や作業効率など、分子と分母の単位が異なる比率のデータに対して、正確な平均値を算出できる。
  • 調和平均のデメリット:計算の過程で数値を逆数に変換するため、計算手順が複雑になる。また、データの中に0が含まれている場合は分母が0となり、計算を適用できない。

まとめと次の学習ステップ

調和平均という名称は、音楽の弦の長さと心地よい和音の関係性から名付けられました。速度や効率といった特定の単位を持つデータの平均を正確に求める役割を持っています。

調和平均の基礎を理解した後の学習手順は以下の通りです。

  1. 相加平均、相乗平均、調和平均の3つの計算手法の違いを整理する
  2. データの中に極端に大きい数値が存在する場合、調和平均の計算結果がどのような影響を受けるかを確認する
  3. 作業時間の見積もりや燃費の計算など、身近な課題を用いて調和平均を計算する練習を行う

学習の手順を踏むことで、データの性質に合わせた最適な計算手法を選択する力が身につきます。

セイ・コンサルティング・グループでは新人エンジニア研修のアシスタント講師を募集しています。

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
海外放浪の末、2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。

学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。