「無線LANの仕組み」とは? 新人エンジニア向けに解説

こんにちは。ゆうせいです。
今日は、新人エンジニアの皆さんに「無線LAN(Wi-Fi)の仕組み」をお話しします。
Wi-Fiは、私たちの生活に欠かせない技術のひとつですが、その仕組みを理解していますか?無線LANの基本を知ることで、ネットワーク技術の基盤をしっかり身につけることができますよ。

それでは、無線LANの構造と動作について、一つずつ丁寧に解説していきますね。


無線LAN(Wi-Fi)とは?

無線LANは、「ケーブルを使わずにインターネットやネットワークに接続する技術」です。一般的には「Wi-Fi(ワイファイ)」という名前で親しまれています。Wi-Fiは、無線LAN技術を使った通信方式の一つで、特定のブランド名でもあります。

無線LANの目的は、ケーブルの代わりに「電波」を使ってデータをやり取りすることです。


無線LANの基本構造

無線LANは、次の3つの主要な要素から構成されています。

1. アクセスポイント(AP)

無線LANの中継役を担う機器で、家庭では「Wi-Fiルーター」と呼ばれることが多いです。アクセスポイントは、電波を使って端末(スマートフォン、PCなど)とインターネットを繋ぎます。

2. 無線端末

無線LANに接続するデバイスです。スマートフォン、タブレット、ノートPC、IoT機器などが該当します。

3. 電波

データを運ぶ役割を果たします。無線LANでは、主に2.4GHz帯と5GHz帯の周波数が使われます。


無線LANの動作原理

無線LANは、どのようにデータを送受信しているのでしょうか?以下の流れで動作します。

1. 無線通信の確立

無線端末がアクセスポイントの電波を検知し、接続要求を送ります。その後、認証プロセスが実行され、接続が確立します。

認証方式

無線LANでは、セキュリティを守るために暗号化方式が使われます。代表的なものには以下があります:

  • WEP: 初期の暗号化方式ですが、現在では安全性が低いため推奨されません。
  • WPA/WPA2/WPA3: より安全性が高い最新の方式。

2. データの送受信

データは「電波」を介して送られます。アクセスポイントは、無線端末から受け取ったデータをインターネットに送信し、逆にインターネットから受け取ったデータを端末に送ります。

3. 周波数とチャネルの管理

無線LANは、周波数帯(2.4GHzや5GHz)を利用して通信します。それぞれの周波数帯には「チャネル」という小さな通信路があり、これを切り替えることで混線を防ぎます。


周波数帯とその特徴

無線LANでは、主に以下の2つの周波数帯が使われます。それぞれにメリットとデメリットがあります。

周波数帯特徴メリットデメリット
2.4GHz広い範囲をカバー、障害物に強い電波が遠くまで届く他のデバイス(電子レンジなど)と干渉しやすい
5GHz高速通信が可能、混雑が少ない通信速度が速い電波が届く距離が短い

無線LANの通信方式

無線LANは、以下の規格に基づいて動作しています。

IEEE 802.11規格

無線LANの通信方式は、IEEE(米国電気電子学会)が策定した「802.11」という規格を元にしています。この規格は、通信速度や周波数帯に応じて進化してきました。

規格最大通信速度周波数帯特徴
802.11b11 Mbps2.4GHz初期の標準規格
802.11g54 Mbps2.4GHz速度向上
802.11n600 Mbps2.4GHz/5GHz現在でも広く使われる規格
802.11ac6.9 Gbps5GHz高速通信
802.11ax(Wi-Fi 6)9.6 Gbps2.4GHz/5GHz高密度環境での安定性向上

電波の仕組みとアンテナ

無線LANは「電波」を使ってデータを送ります。電波の範囲や速度はアンテナの設計にも大きく依存します。

電波の拡散

無線LANでは、データを電波として「OFDM(直交周波数分割多重)」という方式で送信します。これにより、ノイズに強く安定した通信が可能になります。

アンテナの役割

アクセスポイントには複数のアンテナがあり、これを使って信号の送受信を効率化します。
特に、「MIMO(マイモ)」という技術では、複数のアンテナで同時にデータを送受信し、通信速度を向上させています。


無線LANの応用例

無線LANは、多くの場面で活用されています。以下はその一例です。

  1. 家庭用ネットワーク
    Wi-Fiルーターを使ってインターネットに接続。
  2. 公共Wi-Fi
    カフェや駅での無料Wi-Fiサービス。
  3. IoT(モノのインターネット)
    家電やセンサーがWi-Fi経由でネットワークに接続。
  4. 産業用途
    工場や医療機関でのデータ収集や制御。

実際に試してみよう!

無線LANの仕組みを理解したら、以下のような実験を試してみると理解が深まります。

  1. Wi-Fiの設定変更
    自宅のWi-Fiルーターにアクセスし、SSIDやチャネルの設定を変更してみましょう。
  2. 速度テスト
    2.4GHzと5GHzの周波数帯で通信速度を比較してみてください。
  3. セキュリティ設定の確認
    WPA3に設定されているか、暗号化方式をチェックしてみましょう。
  4. 範囲測定
    Wi-Fiの電波が届く範囲を家の中で調べてみるのも面白いですよ。

まとめと次のステップ

無線LAN(Wi-Fi)は、現代の生活を支える重要な技術ですが、その背後には電波や通信規格の仕組みがあります。次は以下のテーマを学ぶと、さらに理解が深まりますよ。

  • ネットワークのセキュリティ
  • Wi-Fi 6と次世代の通信技術
  • ルーティングとプロトコルの設計

実際に触れながら学ぶことで、ネットワークの知識をしっかり身につけていきましょう! 次回もお楽しみに!


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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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