「良いWBS(Work Breakdown Structure)」について、新人エンジニアの皆さんにもわかりやすく解説

こんにちは。ゆうせいです。

今日は「良いWBS(Work Breakdown Structure)」について、新人エンジニアの皆さんにもわかりやすく解説していきますね。WBSはプロジェクト管理の基礎となる重要なツールです。名前だけ聞くと少し難しそうに感じるかもしれませんが、簡単に言えば「プロジェクトのやることリスト」を体系的に整理したものです。

まずは、WBSが何なのか、そしてどんなポイントを押さえると「良いWBS」になるのかを順に見ていきましょう!


WBSとは何か?

WBSは「Work Breakdown Structure」の略で、日本語では「作業分解構成」と訳されます。

簡単に言うと、大きなプロジェクトを 「小さな作業単位」 に分けて整理した図やリストのことです。
例えば、家を建てるプロジェクトを考えてみましょう。

  1. 家の設計をする
  2. 土地を整備する
  3. 基礎を作る
  4. 建物を建てる
  5. 内装を仕上げる

これがプロジェクト全体の流れですが、さらに各工程をもっと細かく分けていくんです。

例えば、「家の設計をする」を分解すると、

  • 必要な機能を洗い出す
  • 間取りを決める
  • 設計図を描く

といった具合に、具体的な作業内容が見えてきます。このように、 「最終ゴールから逆算して、やるべきことを階層的に整理する」 のがWBSです。


良いWBSの条件

良いWBSにはいくつかの条件があります。これらを守ることで、プロジェクトの進行がスムーズになり、トラブルを防ぐことができます!

1. 作業が明確に分かれている

各作業単位が明確で、誰が見ても何をするべきかがわかる状態にしましょう。
例えば、「データベースの設計」というタスクだけだと漠然としていますよね。
「テーブル構造を決める」「ER図を作成する」「パフォーマンスを検討する」など、具体的に分けることで、担当者が迷わず作業に取りかかれます。


2. 階層構造が整理されている

WBSはツリー状に整理するのが基本です。以下のように、階層的に見ることで全体像と細部がわかりやすくなります。

1. システム開発
1.1 要件定義
1.1.1 ユーザーインタビュー
1.1.2 仕様書作成
1.2 設計
1.2.1 データベース設計
1.2.2 UI設計


このように、 「親タスク」→「子タスク」 という関係性を作ることがポイントです。


3. すべての作業を網羅している

漏れがあるWBSはプロジェクト失敗の原因になります。
たとえば、システム開発で「テスト」を抜かしてしまうとどうなるでしょう?納品直前で問題が発覚し、スケジュールが大幅に遅れる可能性があります。
漏れを防ぐために、 「最終目標から逆算する」「複数人でレビューする」 などの工夫をしましょう。


4. 適切な粒度で分割されている

WBSを作るとき、作業を細かく分けすぎても、大雑把すぎてもいけません。
目安としては、1つのタスクが 「1日〜1週間程度で終わる規模」 にするのがおすすめです。


5. 担当者と納期が明記されている

WBSはタスクだけを並べるものではありません。それぞれのタスクに「誰がやるのか」「いつまでにやるのか」を明確にすることで、実行可能な計画になります。


図で見るWBSの例

下のような図を思い浮かべてみてください。

Success

プロジェクト名
├── タスク1: 企画
│ ├── サブタスク1.1: アイデア出し
│ └── サブタスク1.2: 企画書作成
├── タスク2: 開発
│ ├── サブタスク2.1: 要件定義
│ ├── サブタスク2.2: 設計
│ └── サブタスク2.3: 実装
└── タスク3: テスト
├── サブタスク3.1: 単体テスト
└── サブタスク3.2: 結合テスト


このように、WBSを「ツリー構造」で表現すると視覚的にとてもわかりやすくなりますね!


良いWBSがもたらすメリット

最後に、良いWBSを作ると何が良いのかも見てみましょう。

  1. 全体像がわかる
    プロジェクトの進行状況を簡単に把握できます。
  2. コミュニケーションがスムーズになる
    チーム内で「誰が何をするか」が明確なので、無駄な議論や混乱が減ります。
  3. リスクを早期に発見できる
    タスクを詳細に分けることで、遅れや問題点が早い段階で見つけやすくなります。
  4. モチベーションを維持しやすい
    小さなタスクが終わるたびに進捗を実感できるので、チーム全体のやる気が維持しやすくなります。

まとめ

WBSはプロジェクト管理を効率的に進めるための強力なツールです。
最初は少し手間に感じるかもしれませんが、慣れるとその効果を実感できるはずです。

新人エンジニアとしては、「漏れがないか」「作業が具体的か」を意識して、まずは小さなプロジェクトからWBS作成に挑戦してみてください。

それでは、次回は「WBSをさらに活用するためのツール」についてお話ししましょう!スケジュール管理」など、プロジェクトの安定運営に不可欠な要素です。プロジェクトにおけるさまざまな制約やリスクを見極めながら、効率的に進行させるスキルを習得していきましょう。

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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