【初心者向け】TypeScriptが開発された理由とその背景をやさしく解説!

こんにちは。ゆうせいです。
今回は「TypeScript(タイプスクリプト)がなぜ開発されたのか?」というテーマについて、一つひとつ丁寧に紐解いていきます。
「TypeScriptってよく聞くけど、JavaScriptと何が違うの?」
「なんで新しい言語を作る必要があったの?」
こんな疑問を持ったことはありませんか?
この記事では、開発の背景やTypeScriptが解決しようとした問題、なぜ多くのエンジニアに受け入れられたのかについて、やさしく解説していきます!
TypeScriptって何?
まずは簡単に定義を押さえておきましょう。
TypeScriptの概要
TypeScript(タイプスクリプト)とは、JavaScriptに「型(Type)」の仕組みを加えた言語です。
JavaScriptに“型のパワー”を与えたもの、と考えるとイメージしやすいです。
たとえば、JavaScriptでは次のように変数に何でも代入できます:
let message = "こんにちは";
message = 123; // エラーにはならない(ただし、意図しない動作を生む可能性あり)
一方、TypeScriptではこう書きます:
let message: string = "こんにちは";
message = 123; // エラーになる(型が違うから)
このように、「どんな型のデータが入るのか」を明確にすることで、バグを防ぎやすくなるのです。
なぜTypeScriptが生まれたのか?
JavaScriptの成長と限界
2000年代後半から、JavaScriptは大きく進化しました。
特に、Webアプリケーションがリッチになるにつれて、大量のJavaScriptコードを書く必要が出てきました。
例えるなら、最初はノート1冊で済んでいたのが、いつの間にか図書館レベルの管理が必要になったようなものです。
ここで問題になったのが、JavaScriptの**「動的型付け」**という特徴でした。
動的型付けの落とし穴
「動的型付け」とは、変数の型をあらかじめ決めずに使える仕組みです。
たしかに柔軟ですが、以下のような問題が出てきます:
問題点 | 内容 |
---|---|
型ミスによるバグ | 意図しないデータが入っても気づかないことがある |
大規模開発に不向き | 誰がどんな値を使っているのか追うのが大変 |
保守が難しい | 書いた本人以外が読みにくくなる |
つまり、スピーディに開発できるけれど、ミスもしやすいという両刃の剣だったのです。
マイクロソフトが開発に着手
こうした中、マイクロソフト社のアンダース・ヘルスバーグ(Anders Hejlsberg)氏が中心となり、2012年にTypeScriptが発表されました。
彼は元々、DelphiやC#の設計者でもあり、「型安全」や「静的解析」に強い関心を持っていました。
JavaScriptはパワフルだけど、安全性が足りない。
C#のような型の力をJavaScriptに持ち込めば、もっと良い開発体験になる!
そんな想いから、TypeScriptは生まれたのです。
TypeScriptがもたらすメリットとデメリット
メリット
項目 | 内容 |
---|---|
型によるバグ防止 | 書いている段階でエラーを発見できる |
コード補完が強化される | エディタが自動的に補完してくれるため開発がスムーズ |
大規模開発に強い | 複数人での開発でも安全性が高まる |
JavaScriptとの互換性 | 既存のJavaScriptもそのまま使える |
デメリット
項目 | 内容 |
---|---|
学習コストがある | 「型」や「コンパイル」など新しい概念を覚える必要あり |
セットアップがやや面倒 | JavaScriptに比べて初期設定が多い |
実行にはJavaScriptへの変換が必要 | ブラウザは直接TypeScriptを理解できないため、トランスパイルが必要 |
まとめ:TypeScriptはなぜ必要だったのか?
TypeScriptは、JavaScriptの弱点である「型のなさ」や「保守性の低さ」を解決するために開発されました。
特に、中~大規模な開発プロジェクトでは、コードの見通しが良くなり、バグも減るため、現在では多くの企業やエンジニアに支持されています。
今後の学習の指針
TypeScriptを学ぶには、まず以下のステップをおすすめします:
- JavaScriptの基本を復習する(変数、関数、オブジェクトなど)
- TypeScriptの型の仕組み(プリミティブ型、オブジェクト型、配列型など)を学ぶ
- 実際に小さなプロジェクトをTypeScriptで書いてみる
- エディタ(例:VS Code)で型補完の便利さを体感する
- ReactやVueとの連携も視野に入れると実践力がアップします!
次回は「TypeScriptの型ってどんな種類があるの?」というテーマでお話ししようと思います。
ぜひ、お楽しみに!
質問や気になることがあれば、どんどん聞いてくださいね!
セイ・コンサルティング・グループの新人エンジニア研修のメニューへのリンク
https://icons8.jp/icon/Xf1sHBmY73hA/typescript
投稿者プロフィール

- 代表取締役
-
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。
最新の投稿
山崎講師2025年4月2日f文字列の中の「:>10,」はどういう意味?
山崎講師2025年4月2日プログラミング言語別「メインメソッド」徹底解説|エントリーポイントの違いとその意味とは?
山崎講師2025年4月2日コメントの正しい書き方とは?—読みやすく、伝わるコードにするためのルールとコツ
山崎講師2025年4月2日セミコロンは必要?不要?—言語ごとのルールと本当の意味を徹底解説!