【新人研修講師向け】MIROでUML図を描く方法完全ガイド

〜クラス図・シーケンス図もこれでバッチリ教えられる!〜

miro

こんにちは。ゆうせいです。
今回は新人エンジニア研修の講師の方向けに、「MIRO(ミロ)を使ってUML図を書く方法」を丁寧に解説していきます。

UMLは難しそうに見えて、ポイントを押さえればとても教えやすい技術です。MIROを活用すれば、図解による直感的な理解も促せて、教育効果も高まりますよ!


そもそもUMLとは?

まず前提知識として、新人エンジニアにこう説明してみましょう。


UML(Unified Modeling Language)とは?

ソフトウェアの設計や仕様を図で表現するための共通言語のようなものです。
「図で考える技術書」のようなイメージを持たせましょう。


UML図の代表例

UML図の種類用途説明例
クラス図構造を表すクラスとその関係性(継承・集約など)
シーケンス図動作を表す処理の流れ(誰が誰にどう働きかけるか)
ユースケース図要件を表すユーザーとシステムのやりとり

MIROを使う理由とメリット

MIROのメリットを講師視点で整理しておきましょう:

  • 複数人でリアルタイム編集が可能(ペア設計に最適)
  • 矢印やラベル、図形の扱いが直感的で教えやすい
  • UMLテンプレートが豊富(時短可能)
  • 無料プランでも十分利用可能(社内教育に向いている)

UML図の描き方(クラス図とシーケンス図)

ここでは、最もよく使う2つのUML図にフォーカスします。順を追ってMIROでの作り方を解説します。


クラス図の描き方(Class Diagram)

ステップ①:長方形でクラスを描く

  1. 左ツールバーから「Rectangle」を選択
  2. 上段にクラス名(例:User)、中段に属性(例:+name: String)、下段にメソッド(例:+login())を入力
---------------------
|     User          |
---------------------
| - name: String    |
| - email: String   |
---------------------
| + login(): void   |
| + logout(): void  |
---------------------

👉 「+」は public、「-」は private を表すUML記法です。

ステップ②:クラス同士の関係を矢印で描く

  • 継承(Generalization) → 空白の三角矢印(◁──)
  • 集約(Aggregation) → 白いひし形付き矢印(◇──)
  • 依存(Dependency) → 点線矢印(--->)

例:

Admin ◁── User
Order ◇── Product

💡 注意:MIROはUML専用ツールではないため、矢印のラベル(説明)を自分で追加すると正確性が上がります。


シーケンス図の描き方(Sequence Diagram)

ステップ①:登場人物(オブジェクト)を並べる

  1. 横に長方形を配置し、オブジェクト名を書く(例:User、System)
  2. 下方向に「ライフライン」を引く(点線)

ステップ②:処理の流れを矢印で描く

  1. 水平方向に矢印を描画(メッセージの送信)
  2. テキストで「login()」や「認証処理」などのメッセージを記入
  3. 応答がある場合は戻り矢印も書く
User           System
 |               |
 |── login() ──> |
 |<── OK ─────── |

MIROの便利な機能を使おう

MIRO内のUMLテンプレート

  1. 左サイドバー「Templates」→「Search templates」
  2. 「UML diagram」または「Sequence diagram」などと検索
  3. 既存の図をベースに、文字や構成を変更するだけで時短!

ショートカットと操作のコツ

操作内容ショートカット・コツ
クラス図の3段構造を描く「Table」機能で区切ると便利
矢印の種類変更選択後「スタイル」→「線の種類」変更
図形の整列「整列ツール(Align)」で見やすく

実際の研修での教え方アドバイス

1. 書きながら解説する

画面共有しながら「今はUserクラスを書いています。属性はnameとemailですね」と実況スタイルで解説しましょう。

2. 手を動かすワークを入れる

5分だけ時間を取り、「UserとAdminのクラス図を描いてみましょう」など、小さな課題を出すと記憶に定着します。

3. チェックリストを配布

チェック項目内容
クラス名は大文字で始まっているか?User, Orderなど
属性やメソッドにアクセス修飾子が付いているか?+, -, #
関係の矢印に説明がついているか?「継承」「依存」など明記

今後の学習指針

MIROでUMLを描けるようになったら、次のステップとして:

  • PlantUMLなどのコードベースUMLツールにも挑戦
  • システム全体設計を複数UML図で表現する演習
  • ER図(データベース設計図)との違いを理解する

UMLは「伝える技術」です。手書きでもMIROでも、「何をどう伝えたいか」を意識するだけで、ぐっと理解度が変わります。

講師の方はぜひ、図を描きながらしゃべることで、視覚+聴覚の両方から学習をサポートしてみてください!

ご希望があれば、テンプレートやワーク課題例もご提供しますので、ぜひご相談ください。

セイ・コンサルティング・グループでは新人エンジニア研修のアシスタント講師を募集しています。

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。