その説明、新人に伝わっていますか?難解なAI用語を「パズル」に変える魔法の教え方

こんにちは。ゆうせいです。

新人エンジニア研修を担当されている講師の皆さん、毎日の講義お疲れ様です。

熱心に教えているのに、新人の反応がいまいちだったり、難しい専門用語が出てきた瞬間に彼らの目が「スンッ」と死んでしまったりすること、ありませんか?

特にディープラーニングのような高度なアルゴリズムを教えるときは、数式や複雑な図が登場するため、アレルギー反応を起こす新人も少なくありません。

そこで今回は、一見難しそうな「画像処理のアルゴリズム」を題材に、どうすれば新人が興味を持ち、理解を深められるか、その「教え方のコツ」をご紹介します。

テーマは、情報処理試験などでもよく見かける「Max Unpooling(マックス・アンプーリング)」です。

これを単なる「計算手順」として教えるか、面白い「パズル」として教えるかで、新人の食いつきは劇的に変わりますよ。

なぜ新人は「図」と「用語」でフリーズするのか

まず、教える側の私たちが理解しておかなければならないのは、初心者の心理です。

私たちにとっては当たり前の「特徴マップ」や「ストライド」といった言葉も、彼らにとっては呪文のように聞こえています。

いきなり、

4 \times 4 の特徴マップに対して、ストライド 2 で Max Pooling を適用し……」

と説明を始めていませんか?

これでは、新人の脳内で「勉強モード(=やらされている感)」スイッチが入ってしまい、思考が停止してしまいます。

大切なのは、まず「これは勉強ではなく、ルールの決まったゲームなんだ」と思わせることです。

魔法の言葉「これはただのパズルです」

私がおすすめするのは、難しい概念を日常の言葉や遊びに「翻訳」してしまうアプローチです。

たとえば、Max Unpooling の仕組みを教えるとき、私はこう切り出します。

「今日はAIの勉強を一旦忘れて、ちょっとした図形パズルを解いてみましょう。ルールはたった2つだけです」

こう言うだけで、新人の顔がパッと上がります。

そして、専門用語を次のように言い換えてみてください。

  • Max Pooling → 「クラスで一番背が高い人を代表に選ぶこと」
  • Indices(インデックス) → 「元の席順が書かれた座席表」あるいは「宝の地図」
  • Unpooling → 「代表に選ばれた人を、元の席に座らせること」

難解な「Indices」は「宝の地図」と言い換える

このアルゴリズムで一番の難所は、Max Pooling Indices(インデックス)の理解です。

「最大値のインデックスを保持し、アップサンプリング時に使用する」と説明しても、なかなか伝わりません。

そこで、「宝の地図」という比喩を使ってみましょう。

「画像をギュッと小さくするときに、一番大事な数字(最大値)だけを残しますよね。でも、後で元に戻したくなったとき、その数字が元々どこにあったか忘れてしまったら困ります。だから、数字の『住所』をメモしておくんです。それがこの図(Indices)です。これはいわば、数字を元の場所に戻すための『宝の地図』なんですよ」

こう説明すると、無機質な 01 の行列が、意味のある情報に見えてきます。

実際に解かせて「できた!」という成功体験を

比喩でイメージができたら、実際に問題を解かせてみましょう。

ここでのポイントは、講師が黒板で解いて見せるだけでなく、必ず新人に手を動かさせることです。

  1. エリアを分ける「まず、田んぼの『田』の字に線を引いて、4つのエリアに分けてみよう」
  2. 地図を確認する「右の地図(Indices)を見て、1 がある場所を指差してごらん」
  3. 数字を置く「左の数字を、その指差した場所に置いてみよう」

このステップを踏むことで、新人は「なんだ、ただの場所合わせか!」と気づきます。

この「なんだ、簡単じゃん」という感覚こそが、学習のハードルを下げる一番の特効薬です。

正解したときには、「素晴らしい!これで君も画像生成AIの基本原理をマスターしたね!」と、少し大げさに褒めてあげてください。

「パズルが解けた」という小さな成功体験が、「もっと難しいアルゴリズムも理解できるかもしれない」という自信に繋がります。

まとめ

高度な技術であればあるほど、最初の入り口を低く、広くしてあげることが講師の腕の見せ所です。

  • 専門用語を日常の言葉に「翻訳」する
  • 「勉強」ではなく「パズル」や「ゲーム」として提示する
  • 小さな「できた!」を積み重ねさせる

この3つを意識するだけで、研修の雰囲気はガラッと変わります。

ぜひ、明日の講義から「翻訳者」になったつもりで、難解な技術を噛み砕いて伝えてあげてください。

新人の目がキラキラと輝き出す瞬間を、楽しみにしています!

もし、具体的な比喩のアイデアに詰まったら、また私に相談してくださいね。

一緒に、最高の研修を作り上げていきましょう。

セイ・コンサルティング・グループでは新人エンジニア研修のアシスタント講師を募集しています。

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。

学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。