なぜ、「日本人は論理的に考えるのが苦手」と言われてしまうのか?
こんにちは。ゆうせいです。
みなさんは「論理的に考える」と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?
ビジネスシーンでの説得力あるプレゼン?
数学の証明問題?
それとも、誰かと議論をするときに筋の通った主張をすること?
実は、この「論理的に考える」という発想自体が、日本の文化の中では比較的新しいものなのです。
江戸時代まで、日本には「論理」という概念が存在しなかったと言われています。
一体どういうことなのでしょうか?
そして、なぜ日本人は「論理的に考える」のが苦手だと言われるのでしょうか?
今回は、このテーマについて掘り下げていきます!
「論理的に考える」とはどういうことか?
「論理的に考える」とは、簡単に言うと 「目的を持って、一定の結論を根拠とともに導くこと」 です。
たとえば、
「今日はお腹が減ったな。だからカレーを食べよう。」
という選択をしたとしましょう。
このとき、なぜ蕎麦ではなくカレーなのか?
「カレーだからカレーを食べる」のではなく、「なぜカレーが最適なのか?」 を説明できることが論理的思考のポイントです。
つまり、
- 目的(お腹を満たす)
- 選択肢(カレー、蕎麦、ラーメン)
- 結論(カレー)
- 根拠(スパイスが食べたかった、前回は蕎麦を食べたから変化をつけたかった、栄養バランスがいい)
このように整理して考えることが、論理的思考なのです。
江戸時代まで日本には「論理」の概念がなかった!?
実は、日本語にはもともと「論理」に相当する言葉がありませんでした。
明治時代に「ロジック(logic)」という概念が西洋から輸入され、それを翻訳するために「論理」という言葉が作られました。
日本には、元々「空気を読む」「あうんの呼吸」「腹の探り合い」など、論理ではなく場の雰囲気や直感で物事を決める文化 がありました。
これが、「日本人は論理的に考えるのが苦手」と言われる要因の一つです。
日本と西洋の思考法の違い
日本の伝統的な思考 | 西洋の思考 | |
---|---|---|
考え方の基本 | 直感・空気を読む | 二元論(AかBか) |
主語の明確さ | 「私たち」など集団意識が強い | 「I(私)」がはっきり |
物事の捉え方 | 全体をぼんやりと把握 | 論理的に切り分けて考える |
議論の特徴 | 共感を大切にする | 相手と意見を戦わせる |
この違いは、言語の特徴にも表れています。
英語では主語をはっきり言うのが基本ですが、日本語では主語を省略することが多いですね。
これも、日本人が「論理的思考」を苦手にしてしまう一因かもしれません。
なぜ日本人は「論理的思考」が苦手なのか?
① 二元論的な思考が少ない
西洋の思考は、「神」と「人間」など、何かと何かを対立構造で考えます。
たとえば、法律では「Aは正しい」「Bは間違い」という形で白黒をつけることが基本です。
一方、日本の文化は「みんなで仲良く」することを大切にし、対立を避ける傾向があります。
そのため、論理的に白黒をはっきりつける思考に馴染みにくいのです。
② 「空気を読む文化」が強い
日本では、論理よりも 「相手の気持ちを察すること」 が重視されます。
たとえば、会議の場で「このアイデアは良くない」と思っても、あえて否定せずに「なるほど、面白いですね」と言うことがあります。
これは「和を乱さない」ための配慮ですが、論理的な議論が難しくなる原因にもなっています。
③ 議論をする文化があまりない
西洋では、学校教育でもディベート(討論)が重視されます。
一方、日本の教育では「正解を覚える」ことに重点が置かれがちです。
そのため、「意見を戦わせる」という習慣があまり根付いていないのです。
どうすれば論理的に考えられるようになる?
① 「なぜ?」を繰り返す
物事を考えるときに、「なぜ?」と問い続ける習慣をつけましょう。
たとえば、「この商品は売れるだろうか?」と考えたときに、
- なぜ売れるのか?(根拠)
- なぜ売れない可能性があるのか?(反対の視点)
- 他の選択肢はないのか?
このように、多角的に考えることで論理的思考が鍛えられます。
② 意識的に「主語」を明確にする
会話の中で、あえて「私は」と主語をつけて話してみましょう。
たとえば、
✖️「こうしたほうがいいと思います。」
◯「私はこうしたほうがいいと思います。その理由は〜です。」
これだけでも、論理的に考える練習になります。
③ ディベート(討論)をしてみる
友人や同僚と、あえて意見を戦わせるディベートをしてみるのも効果的です。
「スマホの利用時間を制限すべきか?」など、身近なテーマで意見を交わしてみましょう。
最初は難しく感じるかもしれませんが、論理的に考えるトレーニングになりますよ!
まとめ:日本人は論理的思考を「意識的に」鍛えよう
江戸時代まで「論理」という概念がなかった日本では、論理的思考をする習慣があまり根付いていません。
しかし、現代社会では「論理的に考える力」が必要不可欠です。
論理的思考を身につけるためには、
✔ 「なぜ?」を繰り返す
✔ 意識的に「主語」を明確にする
✔ ディベートを通じて意見を戦わせる
こういったトレーニングを積むことで、日本人でも十分に論理的な思考力を磨くことができます!
ぜひ、今日から試してみてくださいね!
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投稿者プロフィール
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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