なぜDXはこんなに難しいのか?

こんにちは。ゆうせいです。

最近、多くの企業が「DX(デジタルトランスフォーメーション)」に取り組んでいます。でも、「DXを進めようとしたけれど、うまくいかなかった」「結局、何が変わったのかわからない」という声をよく聞きます。

なぜDXはこんなに難しいのか?その理由を詳しく解説していきます!


DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

まず、「DXとは何か?」をおさらいしましょう。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用してビジネスモデルや業務プロセスを抜本的に変革し、競争力を高めることです。

例えば:

  • 製造業 → IoTを活用して工場の生産性を向上させる
  • 小売業 → ECサイトやAIレコメンドを導入して売上を増やす
  • 金融業 → ブロックチェーンやフィンテックを活用して新しい金融サービスを提供する

単に「ITツールを導入すること」ではなく、ビジネスの仕組み自体を変えることがDXの本質です。


DXが難しい理由

1. 「デジタル化」と「DX」の違いが理解されていない

DXがうまく進まない最大の理由は、「デジタル化=DX」と誤解されていることです。

例えば:

  • 紙の書類をデータ化する
  • Excelの管理をクラウドツールにする
  • 社内の稟議(りんぎ)を電子申請にする

これらは確かに「デジタル化」ですが、業務プロセスやビジネスモデル自体は変わっていません。本来のDXは、単なるデジタル化ではなく、「デジタルを活用して企業の価値提供の仕方を変えること」が目的です。

例:本当のDX

単なるデジタル化:「紙のカタログを電子カタログに変える」
DX:「AIを活用して、顧客ごとに最適な商品をレコメンドする」

DXは、単に業務をデジタル化するだけではなく、「どうすればデジタル技術を使って、競争力を高められるのか?」を考えなければなりません。


2. 社内の意識改革が進まない

DXは、単なるIT導入ではなく、組織の文化や働き方を変えることが求められます。しかし、多くの企業では「今までのやり方の方が楽だ」と考える人が多く、DXの推進が難しくなります。

DXが進まない組織の特徴:

  • 「今までの方法で問題ない」と考える
  • 「新しいツールの使い方を覚えるのが面倒」
  • 「自分たちの仕事がなくなるのでは?」という不安

特に、日本の企業では「前例主義」「失敗を避ける文化」が強いため、新しい変化を受け入れにくい傾向があります。そのため、DXを進めるには、「なぜDXが必要なのか?」を社員にしっかり理解してもらうことが重要になります。


3. デジタル人材が不足している

DXを成功させるには、ITの知識があり、ビジネスの課題をデジタルで解決できる人材が必要です。しかし、多くの企業では「DXを推進できる人材がいない」という課題を抱えています。

デジタル人材とは?

  • データサイエンティスト(データ分析を活用してビジネスの課題を解決)
  • クラウドエンジニア(クラウド環境でシステムを構築・運用)
  • DX戦略担当者(デジタル技術を活用して事業戦略を立案)

しかし、こうした人材は市場に少なく、企業が育成するにも時間がかかります。そのため、DXがなかなか進まないのです。


4. 既存のシステムとの統合が難しい

DXを進める際、既存のITシステム(レガシーシステム)との統合が大きな課題になります。

例:

  • 銀行:古いメインフレームシステムがDXの足かせに
  • 製造業:古い生産管理システムと新しいIoTシステムの連携が難しい
  • 自治体:役所の古いデータベースを新しいクラウドシステムに移行できない

レガシーシステムを維持しながらDXを進めるには、高度な技術力と多くのコストが必要です。そのため、「DXをやりたくても、古いシステムが足かせになって進められない」という企業が多いのです。


5. ROI(投資対効果)が見えにくい

DXには多額の投資が必要ですが、その効果がすぐに見えにくいことも問題です。

例えば:

  • AIを導入したが、最適化に時間がかかる
  • データ活用の仕組みを作ったが、業務改善に結びつかない
  • クラウド化したが、コストが増えてしまった

経営層が「DXの投資でどれくらいの利益が出るのか?」を判断しづらいため、DXの予算が承認されにくくなることがあります。


DXを成功させるためのポイント

1. 「デジタル化」ではなく「ビジネス変革」を目指す

DXは、単にツールを導入することではなく、ビジネスの仕組み自体を変えることが目的です。そのため、「どんなデジタル技術を使うか?」ではなく、「デジタルを使ってどう価値を生み出すか?」を考えることが重要です。


2. 社内の意識改革を進める

DXを推進するためには、経営層だけでなく、現場の社員にもDXの重要性を理解してもらうことが必要です。研修やワークショップを実施し、DXの目的を共有することで、意識改革を進めましょう。


3. デジタル人材の育成・確保

DXを成功させるには、社内でデジタル人材を育成することが重要です。また、社外の専門家と連携することで、スムーズなDX推進が可能になります。


4. レガシーシステムの段階的な移行

古いシステムを一気に変えるのは難しいため、段階的な移行計画を立てることが重要です。クラウドとのハイブリッド運用など、現実的な移行戦略を考えましょう。


5. 小さな成功を積み重ねる

DXの効果をすぐに出すのは難しいため、**「スモールスタート」**で小さな成功を積み重ねるのがポイントです。例えば、特定の部署や業務で試験的にDXを導入し、その成功を全社に広げていく方法が効果的です。


まとめ

DXが難しい理由は、単なるIT導入ではなく、ビジネスの変革が求められるからです。成功させるためには、「デジタル化ではなくビジネス変革」「意識改革」「デジタル人材の確保」などの工夫が必要になります。

DXに挑戦する企業は、ぜひこのポイントを押さえて取り組んでみてください!

当社では、AI関連の研修を提供しております

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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