アイビー・リーの法則とタイムマネジメント

皆さん、タイムマネジメントが苦手だと感じたことはありませんか?やることが多すぎて、どれから手をつけるべきか迷ってしまう…そんな経験は多くの人が持っていると思います。今日ご紹介する「アイビー・リーの法則」は、そんな悩みを解消するためのシンプルで効果的な方法です。この法則を理解し、実践することで、時間の使い方が見違えるほど効率的になります。

アイビー・リーの法則とは?

アイビー・リーの法則は、20世紀初頭のビジネスマン、アイビー・リーによって提案されたタスク管理法です。とてもシンプルなステップで成り立っているため、誰でもすぐに始められるのが特徴です。具体的には以下のような手順を踏みます。

  1. 翌日にやるべき6つの最も重要なタスクをリストアップする
  • ここでのポイントは、「6つだけ」という制限です。多すぎるタスクは逆に集中力をそぎ、非効率的になってしまうからです。
  1. リストを重要度順に並べ替える
  • 優先順位をつけることで、最も価値が高いタスクから確実に手をつけることができます。
  1. 翌日、そのリストの一番上のタスクから取り組む
  • このとき、1つのタスクが終わるまで次のタスクに手をつけません。つまり、一度に一つのことに集中することが求められます。
  1. 全てのタスクが終わるか、終業時間が来るまで作業を続ける
  • 6つのタスクをすべて終えられない日もありますが、その場合は次の日に持ち越し、同じプロセスを繰り返します。

なぜ効果的なのか?

アイビー・リーの法則が効果的な理由は、集中力を高め、優先順位を明確にすることにあります。現代社会では、私たちは常に多くの情報やタスクに囲まれています。メールの通知、電話、他の人からのリクエストなど、これらが私たちの注意を分散させがちです。

この法則は、あえて「一度に一つ」に集中することで、こうした邪魔を排除し、生産性を向上させるのです。例えば、宿題を一気に片付けるために、まず一番難しい科目から始めるのと同じです。これにより、タスクの負担が減り、次の作業にスムーズに移行できます。

アイビー・リーの法則と他のタイムマネジメント手法との違い

タイムマネジメントにはさまざまな手法がありますが、アイビー・リーの法則はそのシンプルさが特徴です。ここでいくつかの他の手法と比較してみましょう。

手法名特徴メリットデメリット
アイビー・リーの法則6つのタスクを優先順位順にこなすシンプルで始めやすい6つ以上のタスクを扱えない
ポモドーロ・テクニック25分作業し、5分休憩を取るサイクルを繰り返す集中力を持続させやすいタスクの大小によっては向かない
GTD(Getting Things Done)全てのタスクを整理し、コンテキストに基づいて実行する全体的なタスク管理ができる習得に時間がかかる
マトリックス手法重要度と緊急度をマトリックスで整理し、優先度を決める緊急と重要を区別しやすい複雑な場合があり、整理に時間がかかる

上の表を見てもわかるように、アイビー・リーの法則はシンプルかつ即実践可能という点で非常に優れています。一方で、6つのタスクしか管理できないという制約があるため、他の方法との組み合わせも考慮に入れるとさらに効果が高まるでしょう。

具体例:アイビー・リーの法則の実践

ここで、具体的な例を見てみましょう。たとえば、あなたが学校のプロジェクトと部活動、アルバイトなどで忙しい学生だとします。次の日にやるべきタスクをリストアップし、優先順位をつけます。

  1. 数学の宿題を終える
  2. 英語のプレゼンテーションを準備する
  3. 部活の練習メニューを考える
  4. アルバイトのシフト確認をする
  5. 課外活動の会議の議事録を作成する
  6. 友達とカフェでリラックスする時間を設ける

このリストを基に、まず一番重要な「数学の宿題」から取り組みます。宿題が終われば次の英語のプレゼンに進むという流れです。

実践のコツ

アイビー・リーの法則を効果的に実践するためには、以下のポイントに気をつけましょう。

  • タスクを6つに絞る:やることが多いと感じても、無理に詰め込まず、6つに限定することがポイントです。
  • 一度に一つに集中する:複数のことを同時にこなそうとする「マルチタスク」は生産性を下げることが多いため、避けましょう。
  • タスク完了後に見直す:1日の終わりに、自分がどれだけ進捗したかを振り返り、次の日のタスクを計画します。

今後の学習の指針

アイビー・リーの法則を実践することで、シンプルなタイムマネジメントの力を実感できるでしょう。しかし、これだけで完璧に時間を管理できるわけではありません。自分に合った他の手法(ポモドーロ・テクニックやマトリックス手法)も試しつつ、柔軟にアプローチを変えていくことが重要です。

また、自己管理のスキルを高めるために、定期的な振り返りを行い、自分の進捗や改善点を見つけていく習慣も身につけましょう。

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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