アジャイル開発しか経験していないエンジニアが、なぜウォーターフォールモデルを学ぶべきなのか

こんにちは。ゆうせいです。

アジャイル開発が主流の会社で働いていると、「ウォーターフォールモデルなんて古いんじゃないか?」と思うことがあるかもしれません。しかし、実はアジャイルだけに集中するのではなく、ウォーターフォールモデルをしっかりと理解することには大きなメリットがあるのです。今回は、アジャイル開発しか経験していないエンジニアやプロジェクトマネージャーの方にも、なぜウォーターフォールモデルを学ぶべきなのかを解説していきます!

ウォーターフォールモデルとは?

ウォーターフォールモデルは、ソフトウェア開発のプロジェクトを順序立てて進める方法です。この手法では、プロジェクトを「要件定義」「設計」「実装」「テスト」「リリース」の各ステップに分け、各ステップが完了してから次に進む形になります。滝のように一方通行で流れていくイメージから「ウォーターフォール」と呼ばれています。

各ステップが終わるまで次に進まないため、一度決まった内容は大きく変更しづらいのが特徴です。例えば、一度「設計」が終わると「実装」フェーズに移りますが、途中で設計に戻ることは基本的にありません。

アジャイル開発との違いは?

アジャイル開発は、「変化に柔軟に対応する」という考え方が基盤にあります。短いサイクルで「設計」「実装」「テスト」を繰り返し、少しずつプロダクトを改善していくため、頻繁に変更が行われることも多いです。例えば、ユーザーからのフィードバックをもとに、すぐに仕様を変更して開発を続けるといったケースが一般的です。

ウォーターフォールモデルとアジャイル開発の比較を表にしてみましょう。

特徴ウォーターフォールモデルアジャイル開発
開発フロー各フェーズが順次完了し、一方通行で進む短いサイクルで「計画→実行→評価」を繰り返す
変更への対応基本的に変更はしづらい変化に迅速に対応する
ドキュメント重視ドキュメントの整備が重要コミュニケーションや現物確認が重視される
完成物の確認最終的な完成物で全体を確認各サイクルごとに完成物を確認

アジャイル開発しかしていない会社でも、なぜウォーターフォールを学ぶべきか?

1. プロジェクトの全体像を理解しやすくなる

ウォーターフォールモデルでは、各フェーズでの作業が明確に分かれているため、プロジェクトの全体像を把握しやすいというメリットがあります。アジャイル開発のように小さな単位で作業を進めると、ついつい部分的な作業に集中しがちです。ウォーターフォールの考え方を学ぶことで、プロジェクト全体の流れや、各フェーズの目的を意識する力が鍛えられます。

2. 大規模なプロジェクトではウォーターフォール的な管理が求められることもある

特に大規模なプロジェクトや、厳しいスケジュールが求められるプロジェクトでは、ウォーターフォールモデルのように進捗管理が厳密に行われる場合があります。たとえば、大企業のシステム開発や公共事業のプロジェクトでは、変更の頻度を最小限にする必要があるため、計画通りに進めることが求められます。ウォーターフォールの知識を持っていれば、こういった場面でも適切に対応できるでしょう。

3. 論理的な思考力や計画力が身につく

ウォーターフォールモデルでは、要件定義や設計の段階で全体の計画をしっかりと固める必要があるため、論理的な思考力や計画力が求められます。アジャイル開発においても、プロジェクトの成功にはこの論理的な思考や計画力が重要です。ウォーターフォール的な考え方で物事を論理的に組み立てる力を養うことは、アジャイル開発においても役立ちます。

ウォーターフォールモデルを理解するデメリットもある?

もちろん、ウォーターフォールモデルにはデメリットもあります。アジャイル開発と異なり、柔軟な対応が難しいため、途中で仕様変更が必要な場合には対応しづらいことがあります。また、開発が長期にわたる場合、最初に決めた要件が古くなり、最終的な製品が市場のニーズに合わないといったリスクも存在します。

ただし、ウォーターフォールモデルを理解していると、これらのデメリットも意識した上でアジャイルに応用できるようになるため、逆に強みとも言えます。

今後の学習の指針

アジャイル開発を中心に活動している会社やチームでも、ウォーターフォールモデルの基礎を知ることで、プロジェクト管理や計画の立て方に関する理解が深まります。ウォーターフォールモデルを基盤に、アジャイルでの開発を効率化する方法を模索することで、柔軟性と計画性のバランスをとれるようになるでしょう。

また、次のステップとして、ウォーターフォールモデルの具体的なフェーズ(要件定義、設計、テストなど)を一つ一つ詳しく学んでみると、より実践的な知識が身につきます。それによって、アジャイル開発のなかでウォーターフォール的な計画性や予測能力を活用できる場面が増えていきますよ!

ウォーターフォールとアジャイル、どちらも知ることで、どんなプロジェクトでも柔軟に対応できるエンジニアやマネージャーを目指していきましょう!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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