ランサムウェアに感染した際に身代金を払うべきかどうかの判断基準と対応法5つ

こんにちは。ゆうせいです。

今日は、ランサムウェアに感染してしまった場合に、果たして身代金を払うべきなのか、それとも払わないべきなのかについてお話しします。これは重要な問題で、特に企業や団体で発生すると、対応を誤れば莫大な被害が発生する可能性があります。もしも、あなたが「実際に身代金を払うべきなの?」と迷った場合、どのように判断すればよいのか、基本的な基準を解説していきますね。


ランサムウェアとは?簡単におさらい

まず、ランサムウェアについて少しだけおさらいしておきましょう。ランサムウェアは、悪意あるサイバー攻撃者が用いるマルウェアの一種で、感染したデバイス上のデータを暗号化し、アクセスできなくします。そして、元に戻したい場合は「身代金(ランサム)」を要求されるため、「ランサム(身代金)」+「ウェア(ソフトウェア)」で「ランサムウェア」と呼ばれます。

感染経路は、フィッシングメールや、感染したウェブサイトの利用、脆弱なネットワーク設定など多岐にわたります。


身代金を払うべきかの判断基準

1. データのバックアップがあるかどうか

ランサムウェアに感染した際、最初に確認すべきは「データのバックアップがあるかどうか」です。バックアップが最新で、影響を受けなかった場合には、身代金を支払わずにシステムを再構築する方が望ましいでしょう。

バックアップがない場合のリスク
バックアップが存在しない場合、データを取り戻すためには解決策が限られてきます。特に、重要な機密データや業務に必要な情報が暗号化されていると、業務が停止する危険性が高まります。こうした場合、身代金を払う選択が浮上することもありますが、その場で結論を出すのは難しいです。

2. 身代金を払ってもデータが戻る保証はない

身代金を払ったからといって、必ずしもデータが復旧されるわけではありません。攻撃者が「約束通り」にデータの復元方法を教えてくれる保証はないからです。

例として、ある企業が攻撃を受け、身代金を支払ったものの、暗号解除のキーが提供されなかったケースも多くあります。攻撃者にとっても、復元方法を提供しないことで「さらなる金銭要求」をする口実が増えるからです。そのため、払っても解決しない可能性もあることを認識する必要があります。

3. 法的リスクを考える

身代金を支払うことには、法的なリスクも伴います。国や地域によっては、サイバー犯罪者への身代金支払いが「テロ支援」と見なされ、法に触れることもあるからです。特に海外の犯罪組織による攻撃では、そのリスクが大きくなります。

さらに、身代金支払いが広く知られると、「この企業は支払う傾向がある」と他の犯罪者に目を付けられるリスクもあります。こうした面も考慮し、支払いの判断を慎重に行うべきです。

4. 暗号化されたデータの重要性

暗号化されたデータの重要性を見極めることも、判断のカギとなります。例えば、顧客情報や営業秘密などの「事業に不可欠なデータ」が暗号化されている場合は、身代金支払いを考慮する価値があるかもしれません。一方で、システムの一部やバックアップ可能なファイルだけが被害を受けているなら、復旧方法を検討する余地があります。

ここで重要なのは、「一時的なデータ消失がどれほどの影響を及ぼすか」をしっかり評価することです。

5. 専門機関への相談

ランサムウェア被害に遭った場合、独断で判断せずに、サイバーセキュリティ専門機関や法執行機関に相談することも大切です。例えば、各国にはサイバー犯罪を取り扱う専門部署があり、企業や個人の支援を行っています。また、専門のデータ復旧会社も多く存在し、ランサムウェア対策やデータ復旧のプロフェッショナルに相談することで、最適な解決策が見つかるかもしれません。

多くの場合、専門機関がランサムウェアの特定の種類に対して無償の復号ツールを提供していることもありますので、すぐに支払いを検討する前に、こうした専門家のサポートを受けるのが賢明です。


まとめ:支払いを最後の手段に

ランサムウェアに感染した場合、身代金を払うかどうかの判断は慎重に行う必要があります。判断基準として、以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。

  1. バックアップの有無:バックアップがあれば、支払いを回避できる可能性が高い。
  2. データが戻る保証の不確実性:支払っても解決しないケースがある。
  3. 法的リスク:身代金支払いに伴う法的リスクや評判リスクを考慮する。
  4. データの重要度:暗号化されたデータが業務にどれほど影響するかを見極める。
  5. 専門家の助言を求める:独断で決めず、専門機関に相談する。

また、ランサムウェアに感染しないようにするための「予防策」も非常に大切です。日頃から定期的にバックアップを取り、フィッシングメールへの警戒、システムのセキュリティ強化を行うことが、そもそもの感染リスクを減らします。

感染してしまった場合でも、冷静な対応と慎重な判断が最も重要です。

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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