オープンクエッションとクローズドクエッションとは?
営業やコミュニケーションの場面でよく使われる「オープンクエッション」と「クローズドクエッション」は、質問の種類を指す言葉です。これらを適切に使い分けることで、相手からより多くの情報を引き出したり、会話を効果的に進めたりすることができます。それぞれの違いと使い方を詳しく見ていきましょう。
1. オープンクエッション(Open Question)
オープンクエッションは、相手に自由に答えを話してもらうための質問です。この質問では、「はい」や「いいえ」で答えることができないため、相手からより詳細な情報を引き出すことが可能です。たとえば、相手の意見や考え、感情などを知りたいときに効果的です。
オープンクエッションの例:
- 「あなたはこのプロジェクトについてどう思いますか?」
- 「現在のビジネスでどのような課題を感じていますか?」
- 「今後どのように改善していきたいと考えていますか?」
この質問形式では、相手が答えを深く考えることを促すため、詳しい情報を得やすくなります。営業やインタビューの場面で使われることが多く、相手のニーズや本音を引き出したいときに有効です。
オープンクエッションのメリット:
- 情報を多く引き出せる:相手が自分の言葉で考えを表現するため、豊富な情報を得ることができます。
- 会話が深まる:相手に話す機会を与えることで、会話が自然に広がりやすくなります。
- 相手の考えを理解しやすい:相手の背景や考え、感情をより深く知ることができ、信頼関係の構築に役立ちます。
オープンクエッションのデメリット:
- 答えが長くなることがある:相手が詳しく答えるため、場合によっては会話が長引くこともあります。
- 具体的な答えが得られない場合がある:質問が広すぎると、曖昧な回答になることもあります。
2. クローズドクエッション(Closed Question)
クローズドクエッションは、「はい」「いいえ」や、限られた選択肢の中から簡潔に答えられる質問です。具体的な情報や確認が必要なときに使われ、答えが短くはっきりしています。必要な情報をすぐに得たいときや、会話をスムーズに進めたいときに効果的です。
クローズドクエッションの例:
- 「この商品の価格に満足していますか?」
- 「導入予定は来月でよろしいですか?」
- 「この機能はご存知ですか?」
この質問形式は、特定の事実確認や意思決定を迫る場面でよく使われます。また、相手が詳細な回答を求められる状況を避けたい場合にも適しています。
クローズドクエッションのメリット:
- 明確で迅速な回答が得られる:具体的な情報をすぐに確認でき、会話の流れがスムーズになります。
- 質問の焦点が明確:特定の事実や意見を確認するのに適しており、迅速な意思決定をサポートします。
- 会話をコントロールしやすい:質問がシンプルなので、会話を効率的に進めることができます。
クローズドクエッションのデメリット:
- 深い情報を引き出しにくい:質問に対する答えが短いため、相手の考えや背景を十分に理解できないことがあります。
- 相手の意見を制限することがある:自由な発言が促されないため、相手が伝えたいことを十分に表現できない場合があります。
3. オープンクエッションとクローズドクエッションの使い分け
両方の質問形式にはそれぞれの強みがあるため、状況に応じて使い分けることが重要です。たとえば、営業の場面では、最初にオープンクエッションでお客様のニーズや課題を聞き出し、その後にクローズドクエッションで具体的な事項を確認する、といった流れが効果的です。
例:営業の場面での使い方
- オープンクエッション:「現在の業務でどのような課題を感じていますか?」
- ここで顧客に課題を自由に話してもらい、彼らの考えを引き出します。
- クローズドクエッション:「その課題に対して、A社のシステムは解決の一助になりそうでしょうか?」
- 具体的な意思を確認するために、簡潔な答えを求めます。
このように、最初は広く相手の考えを探り、次に確認や意思決定のために質問を絞り込んでいくと、効果的なコミュニケーションが可能です。
4. まとめと今後の学び
オープンクエッションとクローズドクエッションは、営業や日常のコミュニケーションにおいて欠かせない質問技法です。どちらか一方に偏らず、状況に応じて使い分けることで、相手のニーズを正確に把握し、効果的な対話を進めることができます。
今後のステップとしては、会話の中でどちらの質問が適切かを意識的に判断し、効果的な質問の仕方を磨くことが重要です。質問スキルを向上させるためには、日常的なコミュニケーションでもオープンクエッションとクローズドクエッションを意識して活用してみてください。
投稿者プロフィール
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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