カリギュラ効果とは?新人エンジニアが知っておきたい「禁止されると気になる」心理の正体

こんにちは。ゆうせいです。

「絶対にクリックしないでください」
「このコードには触るな」
「この資料は関係者以外閲覧禁止です」

…そんなメッセージを見たとき、思わず気になってしまったことはありませんか?

その正体は――カリギュラ効果(Caligula Effect)

今回は、新人エンジニアの皆さんに向けて、「なぜ人は『ダメ』と言われると見たくなるのか?」、そしてそれを開発現場やUI設計にどう活かせるのかをわかりやすく解説します!


カリギュラ効果とは?

カリギュラ効果(Caligula Effect)とは、

禁止されることで、かえってその対象に興味や関心が高まる心理現象のことです。

もともとは、1980年代のアメリカ映画『カリギュラ』が上映禁止されたことで、逆に話題になり大ヒットしたという出来事から名付けられました。


よくある例で考えてみよう

例1:禁止されたページ

「このページは一般公開されていません」
→ 見たくなる!

例2:コメント欄

「このコメントは不適切なため非表示です」
→ 内容が気になって仕方ない!

例3:上司からの忠告

「このコードには手を出すな。過去に何人も壊してる」
→ 自分なら直せる気がしてくる…!


なぜ禁止されると気になるのか?

主な心理的要因は3つです:

要因内容
心理的リアクタンス自由を制限されると、反発したくなる本能
希少性バイアス手に入らないものほど価値が高く感じられる
好奇心「知らないこと」が人の注意を引きつける力

図で見る「カリギュラ効果の強まり方」

┌──────────────┐
│ 禁止レベルが上がるほど、興味も上がる │
└──────────────┘

禁止強度(横軸)▶
興味レベル(縦軸)▲
                    │      /
                    │    /
                    │  /
                    │/
                   └─────────▶

ただし、過剰な禁止は「不信感」にもつながるためバランスが大切です!


数式的に表すと?

\text{Interest} = f(\text{Restriction})

読み方:興味 = 禁止・制限の度合いの関数

つまり、「制限がかかるほど、興味も増加する」というシンプルな構造です。


エンジニアとしての活用シーン

1. UI・UX設計

  • 「今すぐ使えない機能」や「限定アクセス」にあえてぼかし効果を入れて、関心を引きつける

2. ドキュメント・ナレッジ共有

  • 「上級者向け」「閲覧注意」「この先は深淵」などの心理的トリガー表現で、好奇心を刺激

3. セキュリティ設計

  • カリギュラ効果は逆効果にもなるため、過剰に「禁止」ばかり出すと攻撃対象にされることも。
    禁止表現と説明のバランスが重要!

メリット・デメリット

項目内容
メリットユーザーの関心を引きつける、特別感を演出できる
デメリット意図と逆に働く危険もある、セキュリティリスクに発展することも

新人エンジニアにとっての教訓

  • 「なぜこの仕様は制限されているのか?」と裏の理由を読み取るクセをつけよう
  • 「触るな」と言われたコードには必ず理由がある!まずはドキュメントを読もう
  • UIや設計において、「興味を引く工夫」と「過剰な制限」は表裏一体だと意識すること

まとめ:「禁止されるほど、人はのぞきたくなる」

カリギュラ効果を知っていると、自分の好奇心をうまく制御できるようになります。
さらに、UXや設計で「どこに興味が集まるのか」を計算する力もつきます。

新人のうちは「禁止」や「制限」が多く感じられるかもしれませんが、
その背後には「理由」と「意図」があることを読み取るスキルを身につけましょう!


次に学んでおきたい心理効果

  • 確証バイアス:自分の考えに合う情報だけを集めてしまうクセ
  • 選択のパラドックス:「選択肢が多すぎると決められない」現象
  • ピーク・エンドの法則:最も強い瞬間と最後が記憶を支配する心理

心理効果を知ることで、コードだけじゃなく「人の動き」も読めるエンジニアになろう!

セイ・コンサルティング・グループの新人エンジニア研修のメニューへのリンク

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。